調査情報部 調査情報第二課
3)プロフィール
しょうがは、古くからインドや中国で利用されていますが、原産地は明らかではありません。日本への渡来も正確には分かりませんが、平安時代の文書中に薑(キョウ/はじかみ)と記録されたものがあることから、渡来はそれ以前の古い時期と考えられます。
しょうがのことを別名‘はじかみ’と呼びます。日本古来からある山椒を元々‘はじかみ’と呼んでいましたが、しょうがの味が山椒と似ていたことから、しょうがのことも‘はじかみ’と呼ぶようになったそうです。生姜(しょうが)と呼ぶようになったのは、室町時代から江戸時代にかけてといわれています。また、英語のジンジャーの語源は「角の形をしたもの」という意味のサンスクリット語からきており、漢名の「薑」は「百邪を強力に防ぐ」という意味を持ち、これらのことから古代中国ではしょうが特有の香りが邪気を払うおまじないに使われたといわれています。
平成に入ってから、しょうがの輸入量は急激に増加しています。近年では生鮮のみで4万トン前後の輸入量があり、その他塩蔵、酢漬けなどの加工品の輸入量と合わせると、その量は国内の生産量を上回るほどです。
4)栄養
しょうがには、体内の塩分濃度を調節する役割のあるカリウムや便通を良くする食物繊維を多く含んでいますが、それ以外にも豊富に含まれている芳香成分に様々な機能性があります。その一例として、辛味成分の一つであるショウガオールは、殺菌作用に加え胃液分泌を促進し消化吸収を助ける効能があります。同じく辛味成分ジンゲロンは魚などの臭みをとる消臭作用の他、殺菌の増殖を抑える抗菌作用、新陳代謝を促し発汗作用を高める効果があります。日本では風邪をひいた時しょうが湯を飲む習慣があったことも、魚料理にしょうがを添えることも、合理的な理由があるのです。千切りやスライスをしたしょうがを魚や肉と一緒に料理をすれば自然とその臭みは和らぎます。
5)選び方と保存方法
○選び方
1 皮に傷が少なく、ふっくらしたものを選びましょう。特に新しょうがは皮にしわがなく、みずみずしいものが良品です。
2 葉しょうがは茎があまり太くないものを選びましょう。