調査情報部 調査情報第二課
2)主な産地
我が国のセルリーの収穫量は、年間3万4,900トン(平成17年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、長野県が全国の39%、次いで静岡県が23%、福岡県が9%を占め、この3県で全体の約7割を占めています。
3)プロフィール
セルリーの原産地は、地中海沿岸といわれています。古代ギリシャやローマでは、その成分の豊富さと香りの良さを生かして、薬用や香料として利用されていたそうです。その後、17~18世紀になるとフランスやイギリスで、今のような葉柄が肉厚で香りも適度に押さえられたものが品種改良されました。一方、日本以外のアジア地域では、野生種に近い在来種が広く分布しており、中国では古くから食べられていたようです。初めて日本へ伝わったのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、加藤清正が持ち帰ったという記録がありますが、その頃の日本の生活になじまなかったようで、普及には至りませんでした。現在のように一般化したのは、第二次世界大戦後のことで、食の洋風化とともに消費が増えるようになり、国内産セルリーの生産も増加するようになりました。
セルリーは、生育適温が15℃~20℃と涼しい気候を好む野菜です。日本では、夏から秋にかけては、主に長野県高冷地の露地で、冬から春にかけては静岡県平坦部のハウスで栽培されます。
4)栄養
セルリーは、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく含む健康野菜です。特に、体内の塩分調節をするカリウムが豊富であり、ナトリウムを多く摂取しがちな日本人には適した野菜といえます。また、セルリーの独特な香りは、アピインという精油成分に由来します。アピインからくるさわやかな香りは精神を安定させる働きがあるので、セルリーの葉が残ってしまった時は、コップにさして香りを楽しむのはいかがでしょうか。ちょっとしたイライラ解消につながります。また、この香りには消臭作用もあるため、脂っこい料理を食べる時、一緒にセルリーを摂ると良いでしょう。ただし、これらの成分は主にグリーンの葉に含まれており、葉も残さず利用することをお勧めします。
5)選び方と保存方法
○選び方
1 葉の緑が濃く、生き生きとして、黄変していないものを選びましょう。
2 茎は太く長いものを選びましょう。「の」の字に巻いているものが良いでしょう。
3 新鮮なものほど、香りが高く、筋が固くしっかりしています。