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今月の野菜


きゅうり
サラダに漬物、丸かじりと、食卓にはおなじみのきゅうりです。みずみずしさがいのちの野菜です。

調査情報部 調査情報第二課



学名: Cucumis sativus L.
英名:cucumber
仏名:concombre
日本での呼び名:胡瓜
植物学上の分類:ウリ科
きゅうりの花

1)品種と種類





2)主な産地
 我が国のきゅうりの収穫量は、年間67万4,700トン(平成17年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、群馬県、宮崎県がそれぞれ全国の10%を占め、次いで埼玉県、福島県がともに8%と続きます。

■「きゅうり」の月別入荷量および県別割合(平成17年)
<東京都中央卸売市場>


<大阪中央卸売市場>

資料:東京都中央卸売市場年報、大阪府中央卸売市場年報、大阪市中央卸売市場年報
注:( )はその月の県別出荷割合

3)プロフィール
 きゅうりの原産地はインドといわれています。日本では、「胡瓜」と書きますが、これは、紀元前中国‘漢’の時代に、当時中国の北西地域にあった‘胡’の国から伝わった瓜という意味になります。実際には、日本へは、10世紀以前頃に伝わったようで、918年の文献『本草和名』に「胡瓜」の名がみられます。しかし、昔のきゅうりは、へたの部分が苦かったため、江戸時代までは「下品の瓜」「味よからず」などといわれており、現在のように苦味がないものに品種改良されたのは明治以降です。

 もともと、きゅうりには、水分の蒸発を防ぐために‘ブルーム’という白い粉が付着していました。しかし、この白い粉は農薬に間違われやすいことから、消費者に嫌われたため、最近では品種改良により生み出されたブルームの付かない‘ブルームレスきゅうり’が主流となっています。

<接ぎ木の様子>

4)栄養
 きゅうりは、95%以上が水分です。パリッとした歯ざわりは、この水分が決め手です。カリウムが比較的多く含まれていることから、利尿作用に優れているといわれています。

 きゅうりには、ビタミンCを分解する酵素が含まれているため、サラダに入れるときは最後にのせるようにした方がいいでしょう。また、この酵素は、酢に弱いため、酢の入ったドレッシングとともに食べることをお勧めします。

5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり


5)選び方と保存方法
○選び方
1 緑色が鮮やかで、ハリのあるもの。皮にしわができているものは古いので避けましょう。
2 いぼがしっかりしていて、刺が痛いものが新鮮です。
3 曲がっていても味に変わりはありません。


○保存方法

 急激な温度変化は苦味の原因になるほか、ビタミンCの減少に繋がります。冷やし過ぎに注意しながら、袋に入れて密閉せずに冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。
 また、生で食べる時は‘板ずり’といって、塩を振ってからまな板の上でごろごろと転がすと、色も鮮やかになり刺も取れます。

〇豆知識

 きゅうりは、食べ方により栄養素が変わります。しょうゆ漬であれば、しょうゆが浸み込みカロテンが増えますし、ぬか漬けにすれば、ぬかのビタミンB1が浸み込み、ビタミンB1含有量が増加します。

 一手間加えることで、おいしくもなり、栄養素も増えるきゅうりの漬物は、暑い夏にはぜひ欲しい一品です。





産地紹介
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