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今月の野菜


さやいんげん
いんげん豆を、若いうちにさやごと食べるのがさやいんげん。今は施設栽培の普及で1年中お目にかかれますが、もと夏の野菜です。

調査情報部 調査情報第二課



学名:Phasealus vulgaris L.
英名:kidney bean, common bean
仏名:haricot
日本での呼び名:莢隠元
植物学上の分類:マメ科
さやいんげんの花

1)品種と種類



つる性のものは、ネットにつるをからませて栽培。

平ざやいんげんは、さやが大きくなるにつれて平たく、幅広になっていきます。


2)主な産地
 我が国のさやいんげんの収穫量は、年間5万2,600トン(平成17年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、千葉県が全国の14%を占め、次いで福島県10%、鹿児島県7%、北海道6%と続きます。


■「いんげん」の月別入荷量および県別割合(平成17年)
<東京都中央卸売市場>


<大阪中央卸売市場>

資料:東京都中央卸売市場年報、大阪府中央卸売市場年報、大阪市中央卸売市場年報
注:( )はその月の県別出荷割合

3)プロフィール
 いんげん豆の原産地は中南米メキシコ周辺といわれています。コロンブスの新大陸発見によって、ヨーロッパへ伝えられました。いんげんの名前は江戸時代に隠元禅師によって伝えられたとされることに由来しています。ただし、隠元禅師が伝えた頃は、豆としての利用に限られていたようで、若さやを食べる野菜用品種は幕末に渡来したものから分化したそうです。

 さやいんげんは、いんげん豆をさやごと若採りしたものです。成長の段階でつるが伸びるつる有り種とつるが伸びないつる無し種に分かれます。つる有り種の方が長期間収穫できるという特徴があり、つる無し種は、短期間にまとめて収穫できるという特徴があります。

 最近ではすじを取る手間を省く利点から、改良種であるすじ無し種(ストリングレス)の栽培も増えているそうです。


つる有り種


つる無し種

<さやいんげんができる様子>
マメ科特有の蝶形花という形の花をつけた後、写真のようにだんだん実が伸びてきます。


4)栄養
 さやいんげんは、いんげん豆の未熟なさやですから、豆と野菜の両方の栄養的特徴を持っています。特にカロテンを多く含む緑黄色野菜という側面を持つ他、カリウムを始めとした無機質類、ビタミンB群、食物繊維をバランスよく含んでいます。

5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり


5)選び方と保存方法
○選び方
1 鮮度が味の決め手です。みずみずしくて、肉厚のものを選びましょう。
2 太さは均一で、まめの部分があまりごつごつしていないもの。種子が大きいものは、成熟していてさやが堅い可能性があります。

○保存方法

 さやいんげんは鮮度が大事です。なるべく早く食べるに越したことはありませんが、保存する場合は、袋に入れ冷蔵庫の野菜室にいれましょう。呼吸作用が盛んで、しなびやすく、また、低温にも弱いので3~4日で使い切るようにしましょう。
 量が多い時は、硬めに茹でて冷凍しておけば、使う時に便利です。

〇豆知識

~ふじまめ~
「江戸時代に隠元禅師が伝えたのは、いんげんまめではなくふじまめだった。」とも言われています。いんげんまめとふじまめは、異なる品種ですが、このようないわれがあるためか、関西地方ではふじまめのことをいんげんまめと呼ぶこともあるそうです。





産地紹介
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