1)品種と種類
2)主な産地
我が国のメロンの収穫量は、年間24万1,200トン(平成17年産)です。都道府県別にみた収穫量の割合は、茨城県が全国の23%を占め、次いで北海道15%、熊本県13%となっており、この3県で全国の約半分を占めています。
■「メロン」の月別入荷量および県別割合(平成16年)
<東京都中央卸売市場>
<大阪中央卸売市場>
資料:東京都中央卸売市場年報、大阪府中央卸売市場年報、大阪市中央卸売市場年報
注1:( )はその月の県別出荷割合
2:上記「メロン」の数値はアールス、アムス・アンデス・プリンス等、メロンおよびメロン類の合計値
3)プロフィール
メロンの原産地は、東アフリカともインドとも言われており、正確には良くわかりません。しかし、古代エジプトやギリシャでも知られ、中国では紀元前の文献に記録されていますし、日本でも弥生時代の遺跡から種が出てきています。また、市販されているネット型メロンは、明治・大正時代にヨーロッパから日本へ紹介されましたが、高級品であり、1960年代のプリンスメロンの登場までは、一般庶民はあまり食べられないものでした。
種類は、日本でも古くから栽培されてきたマクワウリに代表される東洋系とアールスなどヨーロッパで改良されてきた西洋系に分かれます。中には、プリンスメロンのように、西洋系と東洋系を掛け合わせて作られたメロンもあります。また、緑肉系と赤肉系とにも分かれます。日本では、高級メロンの代名詞アールスメロンが緑肉系であるため、メロンといえば緑色という観念が強かった時代もありますが、クインシーメロンや夕張メロンのような赤肉系も甘くとろけるような食感には変わりなく、今やスーパーや八百屋では、どちらもおなじみの顔となっています。
ところで、西洋系メロンにある網目(=ネット)、これは、早く生育を停止した表皮が内部の肥大によってひび割れ、その傷をカバーするように組織が模様になったものなのです。
①縦にひびが入る
②横にもひびが入る
③ネットができてくる
④ネットが完成
4)栄養
メロンの栄養成分で比較的多く含まれているものは、体内の塩分(ナトリウム)を排出する働きがあるカリウムとコレステロール値をおさえる働きをもつ食物繊維(ペクチン)です。アールスメロンでは、100g当たり340g含まれます。ただし、糖分も多いので、適量を食べるようにしましょう。
5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり
1)アールス系 2)白肉種
※ 赤肉種の場合 3,600μg ※※ 赤肉種の場合 590μg
5)選び方と保存方法
○選び方
1 形が整っていて、ずっしりと重いもの。
2 ネット型のメロンであれば、網目が細かく全体的に良く出ているものを選びましょう。
3 メロンの下を押して、弾力があり香りが出ているものは食べごろです。
○保存方法
メロンは、追熟することにより香りと甘みが増すので、購入後は冷蔵庫ではなく、常温で保存しましょう。
冷やしすぎは味が落ちる原因です。食べる1~2時間前に冷蔵庫へ入れると良いでしょう。
○豆知識
~マクワウリ~
マクワウリは古くから日本で栽培されていた東洋系のメロンです。果皮には薄い縞模様があります。岐阜県真桑村(現:本巣市)で栽培が盛んであったことから「マクワウリ”の名前がついたそうです。最近は、プリンスメロンなどの普及にともない、ほとんど作られなくなりました。