調査情報部 調査情報第二課
2)品種と種類
3)主な産地
さつまいもの収穫量は、101万トン(平成16年産)ですが、これはでんぷん原料用や焼酎原料用の加工用なども含まれており、生食用としては6割程度とみられます。さつまいもの生育適温は20~30℃と高温で、養分が少ない火山灰土が栽培適地です。通常、秋に収穫され、土中や専用の貯蔵庫で保管されて翌年の6月頃まで順次出荷されます。鹿児島、宮崎、徳島などの暖かい地域ではトンネル栽培で初夏から、また、関東の茨城、千葉では、8月以降に出荷が始まります。
□東京都中央卸売市場における「さつまいも」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)
□大阪中央卸売市場における「さつまいも」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)
資料:東京都中央卸売市場年報、大阪府中央卸売市場年報、大阪市中央卸売市場年報
注:( )はその月の県別出荷割合
○世界のさつまいも
【世界のさつまいもの生産概況(2004年)※】
※FAO『FAOSTAT Agricultural Production』
2005.7.29現在のデータによる。
さつまいもの世界の総生産量は、127,140千トンです。世界で一番生産量が多いのは中国で、その生産量は105,197千トン、全体の83%を占めます。次いでウガンダ、ナイジェリア、インドネシアと続き、日本の生産量は世界で6番目です。
世界の8割以上を生産している中国では、飼料用の割合が多いのが特徴です。
また、中国をはじめとする東南アジアでは、野菜としてつるや葉も食されています。
タイでは、従来は在来種を使い国内用のさつまいもを生産していましたが、一部の地域では、試験的に日本の種を導入して生産を始めたところもあるそうです。品質的には糖度が高く、味もいいと評判です。
4)栄養
さつまいもは、ビタミンB1、ビタミンC、カロテンが豊富に含まれています。さつまいものビタミン類は他の野菜と比べ調理によるロスが少ないのが特徴で、それは、さつまいもに含まれているでんぷん粒で覆われているからです。β-カロテンは黄色が濃いものほど多く含まれています。緑黄色野菜にはおよびませんが、それに次ぐ供給源です。肉質が紫色のさつまいもは、ポリフェノールが多く含まれています。
さつまいものもう一つの注目すべき効用は、食物繊維をじゃがいもの約2倍含み、切ったときに出てくる白い乳液(ヤラピン:樹脂の一種)が腸内の動きを活発にすることです。
5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり
選び方と保存方法
○選び方
1 皮にツヤがあり表面がなめらかで、太くて紡錘形のものを選びましょう。
2 極端に細いものや黒い斑点、傷があるものおよびヒゲ根があるものは繊維が多いので避けましょう。
3 貯蔵することで糖度が上がるので、1~2月に出回る貯蔵ものは水分が少なく甘味が濃くなっています。
○保存方法
最適貯蔵温度は12℃±2℃前後です。これより低い温度で保存をしますと、品質低下を招きますので、冷蔵庫には入れないで、新聞紙などにくるんで常温で保存しましょう。
○まめ知識
○大学芋の名前の由来は?