調査情報部 調査情報第二課
2)品種と種類
3)主な産地
かぼちゃの収穫量は、23万トン(平成15年産)と果菜類ではトマト、きゅうり、なすに次いで第4位です。かぼちゃの生育適温は25~30℃と高温で、かつて、夏以外はほとんど出回らなかったのですが、近年は、日本で収穫が難しい冬から春にかけては輸入物が盛んに出回ります。かぼちゃは、初夏には鹿児島県、茨城県、夏から秋は北海道を中心に出荷されていますが、この期間以外は、メキシコ、ニュージーランドからの輸入物によって、供給の周年化が進んだ野菜です。
□東京都中央卸売市場における「かぼちゃ」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)
□大阪中央卸売市場における「かぼちゃ」の月別入荷割合及び県別割合(平成16年)
○世界のかぼちゃ
【世界のかぼちゃの生産概況(2004年)※】
世界の総生産量は、19,016千トンです。世界で一番生産量が多いのは中国で、その生産量は5,674千トン、全体の30%を占めます。次いでインド、ロシアと続き、日本の生産量は世界で16番目です。
かぼちゃの生育適温は、25~30度と高温のため、日本では初夏から秋の期間以外は収穫することが難しいため、冬から春にかけては輸入物で対応しています。そのため、日本は108,685トン(2004年実績)の輸入を、ニュージーランド、メキシコなどから行っています。生鮮野菜で「かぼちゃ」は、たまねぎに次いで多く輸入されています。輸入されているかぼちゃは、日本の種子が使われ、日本向けに栽培されたものです。
また、かぼちゃはさまざまな形と色があり、世界各地で多くの人々に親しまれています。大きさも20グラム程度の「おもちゃかぼちゃ」から、300キログラム以上にもなる「アトランティックジャイアント」という品種まであり、同じ野菜とは思えないほどです。
香川県の小豆島では毎年秋口に「どでかぼちゃ」のコンテストが開催されており、全国から多くの方が参加されています。このコンテストの優勝者は、アメリカでの世界大会に日本代表として出場されるそうです。
4)栄養
かぼちゃは、栄養価の高い野菜の一つで、カロテン、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEなどを豊富に含みます。また、野菜の中でもでんぷん、タンパク質が多く含まれます。
かぼちゃには、抗酸化作用があるカロテノイドが多く含まれており、ガンの予防に効果が期待できます。冬至の頃かぼちゃを食べる風習があるのは、粘膜や皮膚の抵抗力を高め風邪の予防になる栄養素を含むことや、緑黄色野菜の少ない冬場に、保存の効くかぼちゃからの栄養補給が重要であったためです。また、天ぷらや炒め物など、油と一緒にとると食味もおいしくなり、カロテンの体内への吸収率もよくなります。
5訂 日本食品成分表 可食部100g当たり
選び方と保存方法
○選び方
1 小さくてもずっしりと重いもの、カットしてあるものは、種がふっくらとしているものを選びましょう。
2 西洋かぼちゃは、へたの茎部分が乾燥し、縦に亀裂が入っているのが完熟の目安です。カットしたものは、果肉の色が赤みを帯びているものほど甘味があります。
3 日本かぼちゃは、皮の表面が黒っぽく、縦溝が深くハッキリしたものを選びましょう。
○保存方法
葉物が多く保存が難しいといわれる緑黄色野菜の中で、かぼちゃは保存性に優れており、丸ごとなら10℃前後の風通しのよいところで1~2ヶ月保存することが可能です。
カットしてあるものは、種とワタから傷むので、きれいに取り除きラップをして冷蔵庫で保存しましょう。1週間以内に使いきりましょう。
○まめ知識