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今月の野菜


はくさい
寒くなってくると、はくさいは葉の糖分が増えて更においしくなります。

調査情報部 調査情報第二課



学名:Brassica pekinensis Rupr.
英名:Chinese Cabbage
仏名:Pe-tsai Ameliore
日本での呼び名:白菜
植物学上の分類:アブラナ科
はくさいの花

1)プロフィール

 はくさいは英語名で「CHINESE CABBAGE(チャイニーズ キャベッジ)」といわれるように、中国北部が栽培種の原産地とされ、10~11世紀頃から中国で栽培されています。はくさいの先祖は、2000年以上前、ヨーロッパから中国へ渡ってきたナタネがカブと漬け菜に分化して、その後中国北部のカブと中国南部のチンゲンサイ(パクチョイ)が自然交雑したものだといわれています。

 日本への渡来は意外にも遅く明治初期でしたが、栽培はうまくいかなかったようです。その後、日清戦争、日露戦争において当時の日本兵が旧満州・朝鮮で大きく結球した美味しいはくさいに出会い、日本に種を持ち帰り、現在に至っています。

 はくさいには大きく分けて結球タイプ、半結球タイプ、非結球タイプがありますが、現在日本で流通しているのはほとんど結球タイプです。結球タイプでも頭部の葉がしっかり重なる円筒型と重ならない砲弾型に分けられますが、現在の品種はあまり明確な区別はないようです。


 
(1)葉が3~4枚になったら畑に植えます。(定植)
 
 
 

 

(2)植物ホルモンの働きがはくさいを結球させます。

 植物ホルモンの1種であるオーキシンは、葉の表に光りが当たると葉の裏側に移行し、葉の裏側の細胞を大きくします。そのために内側に葉が結球してくるのです。
 
 
 

 
(3)収穫直前のはくさいです。

 手で軽くはくさいの頭を押さえてみて、堅くしまっているようなら収穫時期です。


2)主な種類と特徴

3)主な産地

 はくさいの収穫量は965万トン(平成15年度)です。はくさいの生育適温は15-20℃で冷涼な気候を好みます。かつては、鍋物、煮物、漬物と冬場を中心に幅広く大量に使われていましたが、家庭での漬物需要の減少や食の西洋化がすすみ、生産量は減少しています。40年前はキャベツより生産量は多かったのですが、現在ではキャベツの生産量の7割弱の水準となっています。

 はくさいは大きく春はくさい、夏はくさい及び秋冬はくさいに区分されます。春はくさい、秋冬はくさいは、茨城県、愛知県、福岡県など大都市近郊産地で、夏はくさいは、長野県等の高冷地で生産されています。秋冬はくさいの生産量は以前に比べ大幅に減少していますが、トンネル栽培による春はくさい、高冷地の夏はくさいの生産量は増加しており、周年供給体制ができています。

□東京都中央卸売市場におけるはくさいの月別県別入荷量及び県別割合(平成15年)



□大阪府中央卸売市場におけるはくさいの月別県別入荷量及び県別割合(平成15年)



資料:東京都中央卸売市場年報、大阪府中央卸売市場年報、大阪市中央卸売市場年報
 注:( )の数値は月別の入荷割合

 

4)世界におけるはくさいの生産の様子

 



 

~韓国~

 「キムチ」というと、はくさいのキムチを思い浮かべるかと思いますが、本場韓国では200種類以上の「キムチ」があります。日本では1988年のソウル五輪以降、キムチの人気が上がり始め、激辛ブームなどで更に広まり、今では一般的に食べられるようになりました。キムチは乳酸発酵されているので、乳酸菌による整腸作用の促進、とうがらしに含まれるカプサイシンは消化作用や脂肪燃焼の助けをしてくれます。

~中国~

 中国のはくさいの作付面積は2,023.4千ha(2000年)です。およそ日本の98倍です。中国全土で栽培されていますが、主な産地は、秋は山東省等、冬は福建省等、夏は河北省等です。

 また、日本には漬物の原料として、また、キムチとして輸入されています。本場の韓国へもはくさいやキムチが輸出されており、本年第一四半期では韓国国内のキムチ生産量を中国からのキムチ輸入量が上回りました。




河北省張家口市 集荷場風景

山東省●州市の栽培風景

●は服の左側に交


5)栄養

 はくさいには、カリウムが比較的多く含まれています。カリウムは血圧を下げ、高血圧予防に効果があります。

 その他にも、緑黄色野菜ほどではありませんが、ビタミンC、食物繊維、旨味成分であるアミノ酸や糖が豊富に含まれています。かつて、冬場の野菜が出回らなかったときに、ビタミンCを補給する重要な野菜でした。



資料:「五訂日本食品標準成分表」科学技術庁資源調査会 編

6)選び方と保存方法

選び方

1.葉の巻きがフカフカしておらず、弾力性がありしっかりと巻いているもの。

2.同じ大きさのものなら重みがあるもの。

3.切って売られているものは、切り口が白く、断面が平らで膨らんでいないもの。

保存方法

 保存性に優れており、秋冬期は新聞紙にくるみ、冷暗所で立てて保存すれば半月は持ちます。葉菜類のなかでは栄養成分の減少が少ない方ですが、カットのものは減少しやすいので早めに使いましょう。いずれも横にすると呼吸量が増加し品質低下を招くので立てて保存しましょう。






産地紹介
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