調査情報部 調査情報第二課
1)プロフィール
レタス栽培の起源は約2500年前の古代エジプトだといわれています。その後ヨーロッパ各地で栽培されたレタスは品種改良が重ねられ、16世紀には、地中海沿岸を中心に結球レタス、リーフレタス、コスレタス、茎レタスなど多様なレタスが栽培されました。
日本には、中国を経由して「ちしゃ」として伝わり、奈良時代から食べていました。その頃の「ちしゃ」は、現在慣れ親しんでいるレタスとは異なり、結球しておらず下の方から掻きとりながら食べる「掻きちしゃ」というものでした。
結球しているレタスは、江戸時代末期から明治時代になって欧米からやってきたようです。レタスの和名の「ちしゃ」は、「乳草」の略、また、英名「Lettuce」は、ラテン語の「Lactuca」(Lacは乳を意味する)が語源になっており、両方ともレタスを切ると茎から白い液が出ることに由来しています。
日本では、結球する玉レタス、結球しない葉レタス、半結球の立ちレタス、結球しない茎レタスの4種類が主に栽培されています。また歯ざわりについても感触が違うものがあり、パリパリしたタイプ(クリスプ・ヘッド型)と柔らかいタイプ(バター・ヘッド型)があります。
3)主な産地
レタスの収穫量は51万トン(平成15年産)で近年生産が急増した野菜の一つです。レタスの生育適温は15℃前後と冷涼で乾燥した気候を好みます。
レタスの生産は大きく春レタス、夏秋レタス及び冬レタスに区分されます。春レタスは茨城県、香川県や兵庫県などの大都市近郊の農業地帯でトンネル栽培されています。夏秋レタスは長野県や群馬県が大産地で、冷涼な気候を生かして露地で大規模に生産されています。冬レタスは比較的温暖な静岡県や香川県でトンネル栽培が行われています。冬レタスの産地では水田の裏作としてレタスが作付けされています。
FAOのデータでは、世界の生産量の第1位は中国で全体の48%、次いで米国、スペイン、イタリア、インド、第6位に日本となります。
中国では、茎レタス、ヨーロッパ諸国では、サラダ菜や葉レタス、日本やアメリカは玉レタスが多く栽培されています。
注:FOAのデータにはレタス類の他、エンダイブ、チコリなども含まれています。
資料:FAOSTAT(作成日:2004.9.6)
4)栄養
レタスの緑の葉にはビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは血行をよくする他、活性酸素を抑え、生活習慣病の予防に効果があります。また、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンAも豊富に含まれています。これらの栄養素は疲労回復、イライラの解消を助けてくれたり、肌の健康を保ったり、胃の粘膜を強くしてくれるなどの効果があります。
サニーレタスやリーフレタスは、結球のレタスと比較して、緑の濃い葉が多く、栄養的には、カリウムでは2倍、カルシウムは3倍、カロテンは9倍、ビタミンCは3~4倍の多さです。
5)選び方と保存方法
○選び方
1.結球レタスはアブラナ科のキャベツとは逆に巻きがゆるく軽いものが良品です。固く巻いたものは老化玉の可能性があります。
2.切り口が赤茶色に変色したものは古いので避けましょう。
3.切り口の直径が10円玉ぐらいの小さいものは、ほ場管理がよい証拠です。
4.葉の緑が濃いもので、外葉の白い部分(葉脈)が極端に飛び出していないもの。育ちすぎは苦味が強くなります。
○保存方法