(1)適応策の普及状況
トマトの適応策としては、着花・着果不良、裂果・日焼け果の発生抑制等の対策として、遮光資材・遮熱剤の利用、優良品種の導入、かん水・ミストの活用等が行われています(表3)。なお、報告の中では、各種資材・設備の導入にはコストや労力がかかるほか、天候に応じた栽培管理の徹底が普及上の課題として挙げられています。
いちごの適応策としては、花芽分化の促進として、クラウン(株の根元にある生長点)の冷却、遮光資材・遮熱剤の利用、夜冷処理、育苗施設(育苗期)の遮熱等が行われています(表4)。なお、いちごにおいても各種資材・設備を必要とする対策では、導入コストや労力の増加が普及上の課題となっています。
そのほかの野菜についても、遮光資材・遮熱剤の利用、かん水、適正品種の選定、作期移動等の栽培管理が適応策として報告されています。
(2)新たな品目・品種への取組
近年、温暖化の影響を新たな品目・品種の導入の機会と捉え、さまざまな地域で技術開発または栽培実証が行われています。
新たな品目については、ねぎから露地ピーマンや露地なすへの栽培(千葉県)、ほうれんそうからきゅうりへの栽培(兵庫県)が試みられています(表5)。
また、新たな品種転換については、トマトでは桃太郎ワンダーから桃太郎みなみ(岡山県)、ミニトマトではサンチェリーピュアからキャロルポポ(島根県)、いちごでは紅ほっぺやきらぴ香から静岡16号(品種登録予定)(静岡県)等の技術開発・栽培実証が行われています(表6)。
