それでは、実際に輸入される野菜はどのような状況にあるのでしょうか。以下の図1は、貿易統計等を基に、野菜の輸入量を、次の3つに分類して整理したものです。
(1)たまねぎ、かぼちゃ等、生鮮状態で輸入されるもの
(2)ブロッコリー、えだまめ等、冷凍状態で輸入されるもの
(3)トマト等、ピューレのような加工度が高い状態で輸入されるもの
ここで食料安全保障の観点から特に注目されるのが(1)と(2)です。なぜならば、特定の輸入元に大きく依存する状況になっているためです。これについては、安価な労働力や、広大なほ場を求めて、日系企業が時間をかけて海外産地を開拓してきた結果でもあるのでしょう。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大時の輸入元のロックダウン等により、一時的に輸入が滞ってしまったこともありました。
このような背景から、輸入元の多様化や、原料の国産化を求める声が、実需者の方々から一層高まっているものと考えられます。