野菜にはさまざまな食べ方があります。たとえば、前述のキャベツであれば、生食でサラダや肉類などの添え物としておいしく食べられるほか、熱を加えてかさを減らして食べる量を増やすこともできるため、栄養素を十分に摂取することにもつながります。さらに、煮込み料理やスープなどで汁ごと食べることにより、溶け出した栄養素まで無駄なく摂取することもできます。現在はカットキャベツもコールスロー(千切りキャベツ)、野菜炒め用など、料理別にさまざまな形態で販売されているため、より活用しやすくなってきています。実際、家庭用カット野菜の市場規模も年々拡大傾向にあり、食品スーパーにおけるカット野菜(冷凍野菜込み)の1000人当たりの販売金額の推移は、平成22年対比で令和2年では約1.8倍にまで伸びています
(8)。また、当社ではカット野菜のほかにも「楽彩(RAKUSAI)」というブランド名で野菜が主役のミールキットを一般消費者向けに販売しており、これまでの研究成果を活かした原料野菜からこだわった、当社ならではのミールキットを手掛けています。
カット野菜やミールキットをうまく活用して、より手軽に1グラムでも多く野菜を意識的に食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
加えて、近年ではSDGs関連の商品開発などにも力を入れており、カット野菜製造時の
残渣から独自の方法で野菜のうま味を抽出・凝縮した野菜だし「ベジブロード®」商品を開発しています。(写真3)
「野菜は生きている」「野菜の一生をなんとかおいしく食べてもらいたい」という創業者の想いから、大量に廃棄されている野菜残渣の有効活用に取り組んでまいりました。また、野菜残渣の成分調査も行っており、当社調べではキャベツにおける残渣(外葉および芯、写真4)は可食部と比較して、カリウムは約1.9倍、カルシウムは約1.6倍など、さまざまなミネラル成分で高い値が示されています(図4)。当社では、これまで行ってきた野菜残渣の
堆肥化と並行して、野菜が食べ物としての一生をまっとうするよう今後も全力を尽くしてまいります。