新幹線をはじめとした列車荷物輸送サービスは、2017年よりエキナカで開催される産直市向けに取り扱いを開始した(図1)。
2020年2月には、西日本旅客鉄道株式会社様と連携し、北陸エリア(富山駅)より初の輸送を実施、同年8月には、北海道旅客鉄道株式会社様と連携し、函館より初の輸送を実施するなど、取り扱い駅の拡大を図りながら、列車による荷物輸送サービスの事業性の検証や課題を抽出の上、2021年4月からは、「エキナカ」販売に限定してきた本サービスを「エキソト」に向けて本格展開を開始した(図2)。
注:はこビュンのサービス範囲(駅間配送)以外のオプションサービスでは、荷主様の集荷先から出発駅までの集荷および到着駅から首都圏のスーパーマーケットやホテル内レストラン、飲食店舗などへの配送を請け負っている。
また、同年10月にサービス名称を「はこビュン」と決定し、現在、取り扱い荷量や品目の拡大に取り組んでいる。
はこビュンとは、荷物のイメージである「箱」と「運ぶ」をかけて「はこ」、そして新幹線や在来線特急列車でスピーディーに「ビュン」とお届けするイメージを表している。速達性や定時性、鉄道ネットワークを活かし、輸送ビジネスとしての成長と地方創生の推進の両面を目指すという思いを込めている(図3、写真1)。
はこビュンでは、「速達性」という優位性から、これまでは、その地域に行かなければ食べられなかった採れたての農産物や水産物を、“より新鮮な状態”という付加価値と共に納品先へ届けることが可能になったことから、食品類を中心に多くのご利用をいただいている。
また、お届け先も催事などのスポット利用から、スーパーマーケット、ホテル内のレストラン、市中の飲食店舗などへの定期利用へと広がりを見せている。また、食品類以外でも、医療関連品や半導体関連部品などの電子部品に至るまで、利用シーンの幅も広がってきており、その結果、流通も地方から首都圏へ、首都圏から地方への双方向の流れ、更には地方間の流れも生まれてきている。
また、事前申し込みによる企業間の取引に限定していたはこビュンに加えて、限られた駅、指定された列車のみとしているものの、事前申し込み不要で対象列車出発30分前までに駅の指定されたカウンターまで持ち込んでいただければ、個人のお客さまでも利用可能な「はこビュンQuick」というサービスも展開している(図4、写真2)。