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年頭のごあいさつ(野菜情報 2014年1月号)


年頭のごあいさつ

独立行政法人農畜産業振興機構
理事長 佐藤 純二

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 当機構の業務につきまして、旧年中は皆様方のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年、一年間を振り返りますと、天候不順な年が多い中にあって、野菜は昨年も天候の影響を大きく受けた年でした。年初は、低温などの影響により野菜の価格が高騰しましたが、3月から5月にかけては天候も回復し、大幅に価格が下落しました。しかし、6月上旬にかけて少雨などの影響により、7月の価格は再び高騰しました。8月に入り、遅れていた出荷分と通常通りの出荷分が出そろったため、果菜類を中心に中・下旬は平年並みとなりました。その後は、夏季の高温や台風、秋季の2度の台風などが、野菜の生育に影響を与え、高値基調が続くなど価格変動の大きな年となりました。

 生鮮野菜の輸入については、輸入量の約半分を占めるたまねぎの動向をみると、昨年の前半は、国産が潤沢な出回りとなる中、中国産が天候不順により収穫量が減少したこと等により、輸入単価が高騰したため、輸入量は前年を大きく下回りました。しかし、年の後半は、北海道産が天候不順等により不作となったことに加え、中国産の輸入単価が落ち着いてきたため、再び、輸入量が増加しました。

 このような状況ではありましたが、一昨年のように、価格の大幅な下落により緊急需給調整が実施される事態には至らず、指定野菜価格安定対策事業の10月末時点の交付金(予定額を含む)は、レタス、だいこん、キャベツ等で59億円と、前年比50パーセントとなりました。

 近年の野菜の需要動向をみると、一人当たりの年間消費量が、摂取目標を大きく下回っている中で、家庭での調理用の生鮮野菜の需要は減少し、加工・業務用のカット野菜の需要が増加しています。このため、昨年度初めて、カット野菜の需要構造実態調査を実施し、その結果について、「野菜情報」をはじめ、alicセミナーやホームページなどにおいて、広く周知を行いました。また、こうした調査に加え、新たに、冷凍野菜の需要構造実態調査と加工・業務用野菜の仕入価格等の調査に取り組んでおります。まとまり次第、野菜情報等においてご紹介する予定ですので、ご期待ください。

 さらに、野菜情報については、読者のニーズをより一層反映した内容とするために、最新の値動きや入荷の動きなどを含め需要・価格動向に関する情報等に重点化を図り、昨年10月号から見直しを行いました。今後とも、より充実した内容となるよう、随時見直しを行うこととしており、読者の皆様のご要望等をお寄せいただければ幸いです。

 昨年10月、機構は、独立行政法人としての創立10周年を迎えました。飼料価格や原油価格の高騰、口蹄疫などの家畜伝染病や、今もなお復旧復興の途上にある東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の発生など、激動の10年間でした。農畜産業・関連産業の健全な発展と国民消費生活の安定に寄与するという機構の使命を果たすべく、経営安定対策などに加え、緊急事態に対応して各種の対策を迅速に実施してきたところです。

 昨年4月からは第3期の中期目標期間がスタートし、農林水産大臣から示された新たな中期目標のもとで、これまで以上に消費者・生産者の視点に立って、業務の質の向上や業務運営の効率化に取り組んでいるところです。

 農畜産物の需給状況は今後とも予断を許しません。TPPをはじめとする対外交渉の動向からも目が離せない状況にあります。攻めの農業の展開の下で農政も大きく変わろうとしています。将来を見据えて環境の変化に柔軟に対応していく経営力が、これまで以上に必要とされる時代です。

 当機構には、我々が生きていく上で、なくてはならない大切な「食」を支える農畜産業・関連産業の皆さんを応援し、消費者の皆様への安定的な供給を確保していく使命があります。本年も、状況の変化に即応して機動的に、この重要な使命を果たしていきたいと考えております。引き続き、皆様のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 本年が皆様にとって希望に満ちた明るい年でありますことをご祈念申し上げ、年頭のごあいさつと致します。



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