(1)青果センターからの流通経路
青果センターから卸売市場までの輸送方法と経路は、表2で示すように出荷先地域により異なっている。具体的には、主としてトラック(一部でフェリーを使用することあり)により行われる場合と、RORO船を主として用いる場合の2ケースに大別される。
このトラックのみと、RORO船またはフェリーを用いた輸送方法別の流通実態について、青果センター設立に伴う流通改善と合わせて確認したい。
(2)輸送方法と流通改善
ア トラックとフェリー
主にトラックにより輸送される市場は、九州や中国、関西などとなっている。このうち最も遠い関西の場合を見ると、青果センターで予冷した青果物をトラックで搬出し、その後、主に県内の臼杵港から豊後水道を挟んだ対岸に位置する愛媛県の八幡浜港までフェリーで輸送している。その後はトラックで四国および淡路島の高速道路を通り、そこからさらに明石海峡大橋を経由して関西の市場まで陸上輸送するのに12時間程度要している。
このような流通経路となる以前は、大分市内から北九州市までトラックで北上し、その後は山陽自動車道を使って関西を目指していた。しかし、この場合には、トラックが大分市を出発してから岡山市に着く頃には、国土交通省が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)で定める運転手の1日の拘束時間である13時間以内という原則を超えることになる。
一方、フェリーを利用した四国経由での輸送の場合は、中国経由と比較して運転時間の短縮が可能になることから、関西まで輸送したとしても、その拘束時間が問題になることはない。なお、四国経由の場合はフェリーを使うため、輸送時間の短縮には結び付かないが、前述の通り2日目販売から3日目販売へと変更することで調整を図った。
イ RORO船
大分県から見て関西よりさらに遠方となる関東地方の市場に関しては、RORO船を活用した出荷が行われている。全農大分県本部が青果物を輸送する場合、RORO船内にはトレーラーの荷台部分のみを積載し(写真10)、目的港到着後はそこで新たなトレーラーヘッドを付けて最終目的地まで輸送している。
具体的な流通経路は、青果センターで青果物を積載したトレーラーは同センターに隣接する大分港新RORO船ターミナルで船積みされ、清水港(静岡市清水区)まで輸送した後、トレーラーで関東各地の卸売市場へと運ばれる。なお、大分港からの船便は毎週火・木・土の3回、いずれも22時30分に出港し、清水港へは翌日の18時30分に到着するため、着港日の夜には消費地の卸売市場に搬入され、3日目販売が可能となっている。また、RORO船での輸送中も、トレーラー内の積み荷は冷蔵保存されることから、コールドチェーンが途切れることはない
(注8)。なお、RORO船を活用した輸送は、青果センターを大分港新RORO船ターミナルの隣接地に設立したことにより、この間の輸送時間をも削減でき、より効率的な運用が可能となっている。
以上、青果センター設立に伴って行われた流通改善について見てきたが、このような取り組みにより、トラック運転手の拘束時間が短縮されるとともに、出荷物の集約による物流効率化でコスト抑制がもたらされている。