(1) 生産体制の強化
ア 品目別生産組織を整備
生産組織、部会体制の統一を図るため、平成30年に「JAおいしいもがみ生産者連絡協議会」を設立した。各生産組織が独自に取り組んできた経過があることから、JA側からの一方的な押し付けとならないよう、各生産組織代表者と連携し、JAおいしいもがみブランドのルールについて体制整備を進めた。
イ 栽培基準の統一
複数の生産基準を統一するため、各品目の生産組織代表者や農業技術普及課からの協力を得て、品目ごとの栽培マニュアルを作成した(図5)。
このマニュアルは、管内の栽培方法に特化した内容で、地域の篤農家のマル秘テクニックも記載し、生産者の方々から大変好評をいただいている。300を超える部数を配布し、栽培講習会や
圃場巡回時に活用して栽培技術の統一を図っている。
ウ 選果施設の利用拡大
多品目にわたる選果施設を持っているのが、当JAの最大の特徴である。
さらなる野菜産地発展に向け、主力野菜6品目を地域全体に広めるため、選果施設の広域的な有効利用を図りながら、農業者の労働力、年齢、栽培面積などの生産条件に合った品目の導入を推進し、安定した農業経営を通して野菜産地が生産拡大することを、JA組織を挙げて目指した。
選果施設を広域的に活用できる仕組みを構築したことで、生産者は出荷調整作業の必要がなく生産管理に集中できるようになり、主産地の枠を超えて新たな品目の導入を検討する生産者が増加した(図6)。
(2)担い手の育成
ア 新規就農者確保
農業に積極的にチャレンジしやすい体制を整備するため、令和5年にJA独自の「新規園芸チャレンジ支援事業」を創設し、若手新規就農者や定年後に農業を始める人に対し、経営指導から実行管理まで伴走支援をしている。
イ 生産相談員による技術支援
野菜重点6品目について、営農センターごとにベテラン生産者に「生産相談員」を委嘱し、営農指導員とともに新規就農者への技術指導を行っており、就農定着と経営の早期安定を図る仕組みづくりをした(図7)。
(3)販売体制の強化
ア 統一出荷基準の作成
旧JA各々の出荷基準の目を揃え、JAおいしいもがみ統一出荷基準を作成するため、生産組織の代表者が中心となり目揃い会を数多く開催、品質の高位平準化を図った(図8)。
さらに、個選共販のにらは、生産組織の役員と協力し、各営農センターの目揃い会の他に青果物検査員による検品など、さまざまな形で出荷基準の「目」を揃え、品質格差が生じないように取り組んだ。
現在までに、野菜重点6品目を含めた全30品目の出荷規格統一を図った。
イ 販売センター設置と取引市場集約
令和3年度に販売センターを新設し、さらに、令和4年度より、共選全品目においてJA1本での統一プール精算を実施した。これは、変化する物流情勢を踏まえた青果物流通に対応し、物量メリットを活かした販売戦略を実現するためである。
合併前、11あった重点市場を、6市場に集約することで物量を確保し、市場との交渉力がさらに強化され、有利販売が実現した。さらに、輸送コストが削減されたことによる収益性向上など、効率的な出荷体制を構築した。
ウ 販売事業のデジタル化
合併後、集出荷施設が7カ所に増えたことにより、荷受数量の把握や前日の分荷業務など、販売担当者の残業が常態化し、業務の改善が求められていた。
そこで、集出荷クラウドサービス「nimaruJA」を導入した(図9)。
これにより、販売担当者の業務時間が70%以上短縮され、さらに、タブレットを導入することで出張先や在宅での分荷業務が可能となった。
営農センターとの荷受数量の「見える化」で迅速な分荷作業を実現し、業務の改善を行った。