

ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > かんしょの生産・加工を中心とした地域経済循環モデルの構築~高知県 しまんと新一次産業株式会社の取り組み~


かんしょの国内生産量は、2023(令和5)年時点で72万トンであり(農林水産省農産局地域作物課)、約20年で3割減となっている。減少要因は、1)高齢化、2)離農、3)病気(基腐病)―といわれており、特に病気の影響は大きく、被害が大きかった九州で収穫量が大幅減した結果、温暖化の影響により栽培適地となった北海道での栽培が拡大しつつある。
しまんと新一次産業におけるかんしょの作付面積は年々増加し、現在(2025年7月現在)は1.1ヘクタールとなっている。猛暑の影響により単収は前年度より20~30%低下したが、10アール当たり1.3~1.6トンを維持している。暑熱への対処としては、1)黒色マルチをシルバーマルチへ変更、2)熱容量確保のための高畦化―などを検討しているが、獣害も多く、併せた対策が必要である。
さらに、同社は生産コスト削減と効率化のため機械化を進めており、つる植え、つる切りの他、ドローンによる生育管理など、草刈り以外の作業は機械を用いて行っている。
また、圃場は地域内で複数拠点に分かれているが、拠点ごとに土壌分析を行い、必要以上の施肥を防ぐとともに、グループ会社である次世代施設園芸施設(四万十とまと株式会社)から出る植物残渣の緑肥化を進めることで、地域内での物質循環を目指している。図5に生産に関する同社の方針を示す。加工原料のかんしょについては、前章で述べた通りである。






