冒頭で本道の品目別の野菜作付面積について、「たまねぎ、ばれいしょ、にんじん、だいこん、ブロッコリー、かぼちゃ、スイートコーンなどが全国第1位」と記しましたが、近年では、これまで気象条件や作物の特性上、道内において育てにくいとされてきた作物の栽培が拡大しています。
道では、令和4年度に「にんにく」「さつまいも(かんしょ)」「らっかせい」を、新たな戦略作物の可能性を有する「新顔作物」として選定しました。また、令和6年度には、冬季無加温栽培により生産した「こまつな」や「ちぢみほうれんそう(寒締め)」など、また、都府県産のない端境期に道内で生産される「伏せ込みアスパラガス
(※)」などを「新顔冬野菜」として選定し、生産の拡大と認知度の向上に取り組んでいます。
※春から秋に畑で育てたアスパラガスの根を、冬にビニールハウスに移して成長させ、国産のアスパラガスが市場に少ない冬の時期の出荷を可能とする栽培方法。
こうした取り組みを契機に、地域の特産物として付加価値を高めること、施設の稼働率を向上させること、道内の消費者に一年を通して地場産の新鮮な野菜が供給されることなどにより、農業者の所得確保に結び付くことが期待されています。しかしながら、現時点では作付けが少ないことや、道内外の消費者や小売事業者などの認知度が低く、販売先も限られている状況です。
道としては、生産と需要の拡大を図るため、生産や販路の拡大などに向けた取り組みを一体的に推進しています。これまでに、先行産地における栽培方法などに関する事例調査を行い、事例集を農産振興課のホームページで公表しています(図2)。また、認知度向上や需要開拓などに向け、令和7年度には、首都圏での催事販売やレストランでのメニューフェアなどを実施することとしています。
「新顔作物産地事例集」
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsk/171757.html
「新顔冬野菜産地事例集」
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsk/217194.html