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調査・報告 野菜情報 2022年3月号

かほくイタリア野菜研究会が取り組んだイタリア野菜の産地ブランド化

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山形大学農学部 准教授 藤科 智海
岩手大学大学院連合農学研究科 大西 偉益

【要約】

 2011年より、山形県河北町でイタリア野菜を生産するプロジェクトが始まった。2013年4月には、12人の会員で企業組合かほくイタリア野菜研究会を設立し、本格的にイタリア野菜の販売を開始した。河北町商工会に事務局を置くなど、農業者と商工会が連携して取り組んでいる。販売戦略として、市場出荷よりも飲食店への販売を重視し、すでに飲食店から一定の評価を得ている。コロナ禍前の2019年のイタリア野菜販売額は1500万円を超えていた。栽培経験のないイタリア野菜の生産は農業者にとって大きなチャレンジであったが、栽培マニュアルを確立して、現在の生産者16人が同品質のイタリア野菜を作れるような生産体制を整え、研究会の出荷体制や営業活動によって、イタリア野菜の国内におけるブランド産地としての地位を確立している。

1 調査の目的

 農産物の産地ブランド化に取り組む際に、近年は、マーケットインの視点と言われるように、売り先を考えた上での取り組みが求められている。山形県河北町における企業組合かほくイタリア野菜研究会(以下「かほくイタリア野菜研究会」という)の取り組みは、これまで市場流通していなかったイタリア野菜を売り先である飲食店の要望に合わせて栽培して販売するという、まさにマーケットインの視点で進められてきたものである。その取り組みの仕掛け人である河北町商工会の商工振興課長の芦埜貴之氏、生産者でありかほくイタリア野菜研究会理事長の牧野聡氏、研究会事務局長の佐藤淳也氏に、河北町におけるイタリア野菜の産地ブランド化のこれまでの取り組みについて話を伺った。

2 かほくイタリア野菜研究会の設立経緯

 河北町商工会の職員であった芦埜氏(写真1)は、2008年のリーマンショックの影響から廃業する町の商工業者が増加し、商工会の会員数が激減していることに危機感を持っていた。そこで、2010年に、河北町の郷土料理である「冷たい肉そば」で町おこしをしようと、「冷たい肉そば」の具材に使うねぎを栽培する農家とのつながりを持つようになった。当時、農商工連携や6次産業化の取り組みが政策の後押しもあり進められつつあった。河北町商工会でも、商工会と農協の青年部同士の交流を図る取り組みを行っており、農業者にとってはビジネス感覚を養う機会となり、商工業者にとっては地元の農産物への理解を深める機会となっていた。そのような中、芦埜氏は、農業者にも商工会会員になってもらいたいという思いも抱くようになっていった。6次産業化の取り組みはある程度の規模を持った農業者でないと難しい。農業者には生産に注力してもらい、商工会の方で販売を支援することもできるのではないかと考えるようになった。最初に取り掛かったのは、大豆の秘伝豆という品種を使った農商工連携の取り組みであったが、寒河江市、河北町、大江町、朝日町、西川町を管内とするさがえ西村山農業協同組合が主体となって秘伝豆の産地ブランド化を進めており、河北町商工会だけと連携するのは難しいということで、あまり推進することはできなかった。

写真1  河北町商工会 商工振興課長(か ほくイタリア野菜研究会 統括マ ネージャー) 芦埜貴之氏

 そのような頃、農業者と商工業者の交流会を、近隣市町村のイタリア料理店で実施した際に、店の片隅で栽培されていたトレヴィーゾ(注1)というイタリア野菜に出会った。店のシェフによると、国内にトレヴィーゾを生産してくれる農業者がおらず、イタリアから空輸で仕入れようとしても料金も高く、鮮度も落ちるので自分で生産しているということであった。早速、ウェブで検索してみたところ、トレヴィーゾは6000円/kgという高単価で販売されている状況を知った。トレヴィーゾは冬の野菜である。山形の冬場は農閑期で、農業者も近隣にある山形空港の除雪や飲食店のアルバイトなどをしている状況であった。冬場に単価の高い農産物の販売があれば、農業者の収入になってよいのではないかとひらめいた。
 

(注1)かほくイタリア野菜研究会で取り扱っているトレヴィーゾ・タルディーボは、イタリア野菜のラディッキオの中でもランクが高いトレヴィーゾの晩生種である。詳細は、図3「2021年の年間栽培計画表の1ページ目」のトレヴィーゾ・タルディーボを参照。
 

 芦埜氏の行動は早く、2011年3月にかほくイタリア野菜プロジェクトを始動し、2011年6月から4人の農業者による試験栽培を開始している。2012年5月に会員を募集し、12人でかほくイタリア野菜研究会が設立された。2013年4月には、これまで任意組織であった会を企業組合かほくイタリア野菜研究会として設立して、本格的に販売を開始した。これまで栽培したことのなかったトレヴィーゾが、3年目からようやく販売できるようになったのである。あくまで農業者を主体とした組織にこだわり、企業組合かほくイタリア野菜研究会の理事長となったのは、芦埜氏の同級生で旧知の仲であった農業者、牧野聡氏(写真2)であった。

写真2  かほくイタリア野菜研究会 理事長 牧野聡氏

 牧野氏によると、河北町の農業は、米と果樹の複合経営が多く、それぞれの生産活動があるので、生産を共同で行う組織というよりは、販売の部分を共同で行う組織ということで、企業組合を設立したそうである。この企業組合という発想は、農業関係者だけの集まりでは思いつき難い発想で、商工会が関わっていたことによる効果と思われる。

3 かほくイタリア野菜研究会の生産体制

 かほくイタリア野菜研究会では、2021年において生産者16人が96品目もの野菜を生産している。飲食店が欲しいと思うものを生産することを基本としているため、結果として多品目生産になっている。多様なイタリア野菜の品目を生産していることが産地の強みで、さまざまなイタリア野菜を少量ずつ利用したいという飲食店の需要に対応している。最初の頃は、栽培方法が分からないものも多く、ウェブ検索でイタリアの生産者が栽培している動画を探して、見よう見まねで栽培試験をして、栽培方法を確立させてきた。現在は、かほくイタリア野菜研究会独自の栽培および出荷マニュアルを品目ごとに作成しており、何かあれば毎年修正を重ね、これが研究会の貴重な財産となっている。特に、理事長の牧野氏は、飲食店から要望のあった新しい品目を露地栽培やハウス栽培、潅水(かんすい)や遮光ネット利用など、さまざまな方法で栽培試験をしながら作付けし、栽培および出荷マニュアルの作成に尽力してきた(写真3)。新規で栽培を開始したメンバーがいる場合は、この栽培および出荷マニュアルを見てもらうと共に、目揃え会の実施や生産者同士の圃場(ほじょう)巡回で情報交換を行うなど研鑽(けんさん)し、研究会としての生産レベルを高め合っている。

写真3  露地栽培やハウス栽培など、さま ざまな栽培を実践している牧野聡 氏のイタリア野菜圃場


 栽培および出荷マニュアルは牧野氏が中心になって作成しているが、料理人でイタリア野菜の生産者である副理事長の生稲洋平氏の役割も欠かせない。東京都内のイタリア料理店に6年間勤務していた経歴を生かし、月1回の定例会議の際に、かほくイタリア野菜研究会のメンバーにイタリア野菜を使った料理を作って、食べさせてくれたそうである。牧野氏にとっては、これまで食経験がほとんどなく、生で食べると苦くて食べられないと思っていた野菜であったが、煮たり焼いたりすると美味しくなることを知った。自分が作った野菜がどのように調理されるのかということを知ることで、生産において注意すべき点や出荷形態などもよく理解できるようになったという。このように、これまでに出荷経験のない野菜なので、出荷規格は飲食店の料理人の要望を聞きながら決めていった。
 かほくイタリア野菜研究会の生産者16人のうち、12人は河北町内で、他3人が山形市、1人が西川町でそれぞれ生産を行っている。市町村や農協とはまた別組織なので、河北町内のみに縛られることなく、生産者を確保している。それぞれの生産者が規模拡大を図りながら生産量を増やしてきたが、その規模拡大にも限界があることから、河北町商工会内のかほくイタリア野菜研究会の集出荷場に持ち込むことのできる距離であれば、集荷範囲を広げている。その結果、河北町よりも少し寒い西川町の生産者の存在によって、出荷日をずらすことができ、研究会としての出荷期間を延ばすことにもなっている。飲食店でのコースメニューなどは、1カ月単位で決めている場合が多い。少なくとも同じ野菜を研究会内で1カ月リレー出荷できれば、その飲食店のコースメニューの需要に応えることができる。
 牧野氏の経営は、水稲と転作大豆23.5ヘクタール、おうとう(さくらんぼ)0.4ヘクタール、野菜1.1ヘクタールの合計25ヘクタールである。水稲とおうとうを基軸に、イタリア野菜を組み合わせた経営である。水稲の中でも、酒米生産に力を入れており、県知事賞などの受賞歴もある。イタリア野菜はおうとうの収穫後に播種(はしゅ)をすればよいので、労働力のバランスとしてもよいという。コロナ禍前の2019年におけるかほくイタリア野菜研究会の月別販売額を見ると、冬場の販売額が高く、冬場の労働および収入確保につながっている(図1)。牧野氏のように、ほとんどの生産者がイタリア野菜のみではなく、水稲や果樹などを合わせて生産している場合が多い。イタリア野菜専作の生産者も1人はおり、イタリア野菜生産のみで年間400万円の販売額になっている。

図1 かほくイタリア野菜研究会のイタリア野菜月別販売額(2019年)
 

 ただし、飲食店としては、季節問わずに営業しているので、水稲や果樹の作業で忙しい春先においても安定供給が求められ、これはかほくイタリア野菜研究会としての今後の課題かもしれない。

4 かほくイタリア野菜研究会の出荷体制

 かほくイタリア野菜研究会の事務局は、河北町商工会内にあり、正社員2人と出荷作業を中心に行うパート2人の体制で業務を行っている。正社員で事務局長の佐藤淳也氏は、2013年の研究会設立時から勤務している(写真4)。

 写真4  かほくイタリア野菜研究会 事務局長 佐藤淳也氏
 

 飲食店との取引では、生産者からの出荷予定を事務局で取りまとめ、翌週の出荷予定リストを毎週金曜日に、取引のある飲食店に対して、ファクスや電子メールなどで配信して注文を取り、主に水曜日と金曜日の週2回発送している。出荷先の飲食店指定のグラム数に袋詰めして、段ボールに入れて出荷している。イタリア野菜の特徴として、形やサイズが揃わないなどの課題もあるが、飲食店はそのような特徴を理解して取引してくれている。県外卸会社を通した百貨店との取引も多く、百貨店へは1カ月先の出荷予定リストを送って注文を受ける。県内外卸会社への出荷作業は、飲食店への出荷を行う水曜日と金曜日以外に集中させて実施しているが、忙しい時期には、月曜日から金曜日までの週5回出荷している。
 県外への配送は、配送料を出荷先負担で運送会社を利用して実施している。県内への配送は、県内の業務用食品卸の和光食材株式会社と提携しており、飲食店への配送および代金回収も含めて委託している。県内への配送料はかほくイタリア野菜研究会で負担している。和光食材株式会社に飲食店からの代金回収も委託することで、研究会事務局の業務負担はかなり削減されている。
 基本的に生産者は河北町中心部の河北町商工会内の集出荷場に、研究会事務局から出荷依頼のあった生産物を持ってくればよく、その後の出荷作業や飲食店からの受注は全て研究会事務局が実施している。集出荷場には予冷庫も完備されている。生産者は販売額の30%を販売手数料として研究会から引かれるが、手数料の高さを問題にする生産者はいない。また、ブランド管理の徹底として、かほくイタリア野菜研究会の名前を付けての販売は、研究会を通した販売と地元農協の直売所のみに限定している(写真5)。

写真5  トレヴィーゾをあしらったかほくイタ リア野菜研究会のマークを付けて販売。 写真左はローザビアンカ、右はスイス チャード。

 かほくイタリア野菜研究会のイタリア野菜販売額を見ると、コロナ禍前の2019年までは1500万円を超え、順調に伸びていた(図2)。首都圏を中心とした県外卸会社、県外飲食店への販売額が大きかったが、コロナ禍を受け、2020年、2021年は県外への販売が落ち込んでいる。その対策として、2020年から県内卸会社を通じた県内食品スーパーへの出荷も始めている。その数値が伸びているため、県内飲食店への販売額が減っても、県内への販売額は2021年で400万円を超えるなどコロナ禍前の水準以上となっている。また、コロナ禍でも個人販売は伸びている。これは、週1回、河北町内での移動販売を始めたことやイタリア料理をする家庭への販売が増えたことによる。移動販売は、正社員で事務局員の山崎昭子氏が実施しており、料理の仕方なども説明しながら販売しているので、食経験の少ないイタリア野菜でもよく売れているそうである。

図2 かほくイタリア野菜研究会のイタリア野菜販売額の推移

 かほくイタリア野菜研究会のホームページには、どの月にどのような野菜が出荷できるかが分かる96品目の2021年度栽培計画を載せている(図3)。それらを見て注文が入ることもある。首都圏には、毎年、河北町を訪問するかほくイタリア野菜研究会のファンクラブのようなグループもある。料理人や野菜ソムリエなどの応援団も多数いるため、飲食店への販売が落ち込んでも、そのような人々からの注文が増えているという。

図3 2021年の年間栽培計画表の1ページ目

5 かほくイタリア野菜研究会の営業活動

 かほくイタリア野菜研究会は、創成期に芦埜氏を中心にイタリア料理店の有名シェフとコラボレーションした企画を実施し、国内におけるイタリア野菜のブランド産地という地位を確立していった。東京都銀座のイタリア料理店「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」のオーナーシェフである落合務氏、東京都南青山のイタリア料理店「Ristorante ACQUA PAZZA」のオーナーシェフである日髙良実氏、山形県鶴岡市のイタリア料理店「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフである奥田政行氏などとも交流があり、メディアを使ったPR戦略が功を奏している。百貨店では伊勢丹新宿店とも取引があり、これは品質に対するお墨付きを得る効果もあったと思われる。それ以外にも、野菜ソムリエやイタリア料理・食文化研究家などとも交流があり、多くの応援団がかほくイタリア野菜研究会の生産物の良さを発信してくれている。
 芦埜氏の営業活動に加え、理事長の牧野氏も、東京出張の際に飲食店で食事をする機会があるときなどは、お土産にイタリア野菜を持っていき、料理人とはよく話をするという。料理人から圃場見学をしたいと言われることも多く、東京から料理人を呼んだ圃場見学会などを頻繁に実施している。東京から来てもらった際には、イタリア野菜だけでなく、地域のさまざまな農産物や農産加工品、日本酒なども飲食してもらい、河北町全体を売り出すことを意識しているそうである。
 かほくイタリア野菜研究会の創成期に尽力した芦埜氏は、現在は河北町商工会の商工振興課課長となっている。かほくイタリア野菜研究会の統括マネージャーの立場ではあるが、かほくイタリア野菜研究会の営業担当は、事務局長の佐藤氏に受け継がれている。出荷先の飲食店などに営業に行く際には、なるべく生産者も連れて行くようにしているという。それは、生産者からの「私が責任をもって生産します」という一言が、出荷先からの信頼を得る基本であるという思いと、生産者にも出荷先を見せ、責任を持って生産活動に従事してもらいたいとの思いからである。生産者を交代で連れて行き、年1回は全ての生産者に出荷先の現場を見てもらうようにしているそうである。
 昨今のコロナ禍は、飲食店への販売を重視していたかほくイタリア野菜研究会の考え方を切り替えざるを得なくし、これからは「一般消費者にイタリア野菜をどう届けるか」ということ重視しなければならないと考えている。移動販売の開始や食品スーパーへの営業はまさにその対応である。食品スーパーなどの量販店への販売は百貨店などとは違い、販売時の単価は安いが、それなりの量の注文が入るので、これからは重視していくという。
 かほくイタリア野菜研究会の販売方法として、飲食店や食品スーパーとの契約栽培は実施していない。契約栽培の場合、播種前に契約数量や販売価格が決まり、一定の販売額を確保することができるという安心感があるが、不作時の対応として契約数量以上の過剰作付けなどを行う場合も多い。同研究会では契約栽培にはしていないので、過剰作付けなどは実施していないが、前年の需要量を見ながら、毎年2月頃に当年の栽培計画を決定している。
 近年では、東京オリンピック・パラリンピックの選手村への出荷を目指し、GAP(注2)部会を作り、2019年に7人の生産者で山形県版GAP第三者認証を取得している。実際に選手村に出荷することができたが、それ以外でも、百貨店や量販店からの評判はよく、GAPを取得したことによって注文が増え、生産者のレベルも上がったと感じているという。
 
(注2)GAPとはGood Agricultural Practicesの略。食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための農業生産工程管理の認証制度。

6 かほくイタリア野菜研究会の今後の展開

 河北町商工会は2019年1月、東京都世田谷区三軒茶屋に町のアンテナショップ「かほくらし」を立ち上げた。イタリア野菜をきっかけに、河北町のさまざまな商品を、首都圏を販路として拡大していこうという思いで芦埜氏らが中心になって立ち上げた。アンテナショップは、かほくイタリア野菜研究会にとっても、東京の営業拠点になっている。アンテナショップでかほくイタリア野菜を見かけたことをきっかけに、新規の飲食店への販売や香港への輸出にも繋がっている。そのアンテナショップは、2021年4月に立ち上げられた河北町の地域商社「かほくらし社」によってリニューアルされ、1階で河北町の食材や総菜などの商品を販売し、2階のレストランで河北町の食材を使った料理を提供している。販売や調理される食材の中心には、かほくイタリア野菜研究会からのイタリア野菜が位置付けられている。芦埜氏は現在、地域商社のマネージャーにも就任しており、地域商社の今後実施していきたい取り組みとして、山形県内のイタリアンジェラート店から要望のあったアーモンドやヘーゼルナッツの栽培とその加工、イタリア料理に欠かせないワインのための醸造用ブドウの栽培とワイナリーの建設など、地域の農業者と商工業者が連携した企画を熱く語っていた。河北町商工会は、これらの取り組みが認められ、全国商工会連合会が顕著な事業実践のあった商工会を顕彰する2021年度の「21世紀商工会グランプリ」で山形県勢初のグランプリに輝いた。
 かほくイタリア野菜研究会の取り組みは、農産物の生産販売でありながら、商工会が関わったというところに特徴があった。これまで紹介した販売戦略をとることができたのは、地域経済を活性化させるためには、商工会というさまざまな業種と関係を持つ組織が、農産物の生産販売に力を入れることが必要だ、と思い至ったからであろう。町の特産品を販売する地域商社を設立したり、町のアンテナショップを東京都内に立ち上げたりと、県ではなく町レベルで実施しているところに先見の明を感じ、今後の展開がますます楽しみである。
 
  最後に、お忙しい折に、本調査にご協力いただいた企業組合かほくイタリア野菜研究会の統括マネージャーであり、河北町商工会の商工振興課長の芦埜貴之氏、かほくイタリア野菜の生産者であり、研究会理事長の牧野聡氏、研究会事務局長の佐藤淳也氏他、関係者の皆様に感謝申し上げます。