(1)加工・業務用野菜の仕入金額・販売金額(前年同期比)
新型コロナ禍における中間事業者の加工・業務用野菜の仕入・販売金額は、1回目の緊急事態宣言期間(令和2年4~5月)から2回目の同宣言期間(令和3年1~3月)を通じて、前年比2割程度減少した。野菜全体(量販店向けなどの生鮮野菜)の減少率が5%程度であるのと比較して、加工・業務用野菜の仕入金額、販売金額の減少率は大きい。
(2)加工・業務用野菜の仕入金額(前年同期比)
中間事業者の加工・業務用野菜の仕入金額は、1回目の緊急事態宣言中~2回目の緊急事態宣言中まで対前年比で15%前後減少している。特に、卸売業者(市場内)、仲卸業者の減少率は20%前後となっており、問屋・商社やカット野菜加工業者の減少率よりも大きくなっている。
また、野菜全体および加工・業務用野菜の仕入金額について、「増加」「横ばい」「減少」した企業の割合をみると、野菜全体よりも加工・業務用野菜の方が、仕入金額が減少した企業の割合が高い。
(3)野菜全体の仕入数量のうち、契約取引による調達数量の変化
(新型コロナ禍前後の増減率の変化)
野菜全体の仕入数量のうち、契約取引による野菜の仕入数量の占める割合について、1回目の緊急事態宣言前から緊急事態宣言後にどのように変化したかを集計した。全体では宣言前後で「変化なし」が71%を占めているが、「増加」が6%、「減少」が21%となっており、契約取引による調達割合が、「減少した」企業が2割程度を占めている。
(4)野菜の販売で新型コロナ禍の影響が最も大きかった時期
野菜の販売について最も影響の大きかった時期は、「1回目の緊急事態宣言期間中」と回答した中間事業者が約4割(4月30%、5月11%)を占めており最も多い。2回目の宣言期間の11%と比較して大きい。
(5)新型コロナ禍における野菜の販売金額(前年同期比)
野菜の販売先別で、販売金額が前年同期と比べてどうだったかを尋ねたところ、営業自粛・時短営業などの要請を受けた外食事業者向けの販売額の減少率が4~5割程度と最も大きかった。中食・給食・加工食品製造業者向けの減少率も1~4割程度と大きかったが、1回目の宣言解除以降の減少率は外食向けより小さい。