ホーム > 野菜 > 野菜の情報 > 国際果実野菜年2021特集コーナー~四季の野菜と健康 トマトとにんじん~
野菜振興部
“赤くて、かたくて、おいしいトマトづくり”を目指して― 愛知県JA豊橋トマト部会 ―
~水分を控えて甘さを引き出した4種類のブランドトマト“麗
3 リコピンとペクチンが豊富な高糖度 トマトを食べて健康と免疫力向上を!
赤系トマトは、ガンや動脈硬化の予防効果が期待できる抗酸化作用をもつリコピンや、血中コレステロールを下げる働きがあるペクチンを豊富に含んでいる。リコピンは熱に強いため、加工しても効用が損なわれにくい特徴がある。また、トマトは、丸かじりもできるため、簡単に摂取しやすい。JA豊橋のブランドトマトは、栄養分をしっかり吸収して、“赤くて、かたくて、おいしい”が特徴であり、9月~7月に出荷され、スライス、サラダ、グリル、パスタ、スープなどさまざまな料理で楽しめる。新型コロナ禍でJA豊橋のブランドトマトをおいしくいただいて、健康と免疫力を維持しましょう。
日本一の産地・徳島の甘くて柔らかい春にんじん
~β-カロテン豊富なにんじんを食べて健康と免疫力向上を~
1 徳島県は日本一の春夏にんじん産地
にんじんは、生育適温18~20度と比較的低温を好み、春夏にんじん(出荷期間3月中旬~7月)、秋にんじん(同8月~11月)、冬にんじん(同11月~翌3月)に区分される。徳島県は全国出荷量の3割を占める日本一の春夏にんじんの産地であり、にんじん全体の出荷量でも北海道、千葉県に次ぐ第3位である。春夏にんじんは、四国三郎・吉野川の下流の肥沃な大地と豊かな水に恵まれた徳島県板野郡板野町と藍住町を中心に栽培されており、市町村別の出荷量は板野町が1位、藍住町が2位を誇っている(図1、表1)。
2 独自の大型トンネル栽培で甘くて柔らかいにんじんを生産
徳島県での春にんじんの生産は、昭和30年代後半に独自の「穴あきトンネル栽培」を開発したことで広まった。全国のにんじんの最盛期は10~12月頃であるが、ビニールで覆った大型のトンネル栽培で土の中の温度を上げることで収穫時期を早め、以前は貯蔵ものが多かった春の時期に、にんじんを生産・出荷できるようになった。
春にんじんの生産は、10月中旬から翌1月下旬に播種、3月中旬から6月上旬に収穫し、4月上旬から5月中旬が出荷最盛期となっている(写真1)。農家は、種子の発芽と初期生育の条件を整えるため、耕転、畦立て、播種、除草剤の散布、大型トンネルの被覆までの作業を機械化一貫体系により1日でこなすことで土壌水分を保持し、最も気温が低い厳冬期に適度な温度・乾燥状態の中で生育し、徳島産の特徴である“甘くて柔らかい”にんじんがつくられる。トンネル内の温度の最適化と換気のためトンネル被覆材に穴を開けている。収穫期は気温が上昇するため、とり遅れによる品質低下を招かないよう大型トンネルを除去してから、乗用収穫機で収穫作業を一気に行っている(写真2、3)。なお、主力品種は朱みが美しく甘みの強い「彩誉」である。
JA板野郡人参連絡協議会の浜憲明会長(写真4)は、「JA板野郡は、春にんじん生産量全国1位です。出荷も始まり、徳島の春にんじんをお届けしています。春にんじんを栽培するのにここの土地は相性がいいんです。徳島の誇る「吉野川」、その中下流域北岸に位置している板野郡は、豊かな水と肥沃な土壌、そして徳島の温暖な気候も相まって絶品の春にんじんが栽培されているんです。もちろん栽培にも気を配っています。雨に当たらないよう大型トンネルハウスで、余分な水分を与えないように育てています。温度にも気を遣って、冬から春にかけて温度調整のために、ビニールの穴を増やしてトンネル内の温度調整をしています。こうやって育てたにんじんは、“柔らかく・甘く・みずみずしい”のが特徴です。食べ方はいろいろありますが、食材を生かしたスティックサラダや、ジューサーで絞った100%にんじんジュースなど、丹精込めて作った春にんじんをぜひ味わってみてほしいですね。」と話す。
3 「とくしま安2(あんあん)GAP農産物」認証を取得
JA板野郡藍園人参部会では、消費者に顔が見えて、消費者や実需者から指名される産地づくりと安全・安心なブランドづくりに取り組んでいる。平成23年に、JA板野郡藍園人参部会、JA美馬洋人参部会、海部特別栽培協議会などが徳島県の農産物生産、品質管理体制検査・認定制度である「とくしま安2(あんあん)GAP農産物」認証を取得し、堆肥等の粗大有機物投入による土づくりと減化学肥料栽培、耕種的防除の徹底による減農薬栽培の励行による環境と安全性に配慮した生産を実践している(図2)。
4 4月12日は“徳島県にんじんの日”
徳島県にんじん振興協議会は、平成25年、春夏にんじんの出荷ピークが4月であるため、4月12日を「徳島県よ(4)い(1)に(2)んじんの日」に選定し、出荷量日本一、独自の大型トンネル栽培で生産された“甘くて柔らかい”春夏にんじんのPR活動を行っている。徳島県としては、徳島県にんじん振興協議会を中心に関係JAが、東京都中央卸売市場などの取引先にトップセールスを行っている。JA板野郡としては顔の見える産地として、出荷最盛期直前の4月に関東、東海、関西などで、量販店でにんじんの選び方や食べ方の提案などの販売促進活動を行っている。新型コロナ禍の令和3年度は、イベントやマスコミを通じた宣伝広告のほか、インフルエンサーやSNSを活用したメニュー提案や情報発信などの非接触型の消費宣伝を併用し、首都圏でのPR活動を強化する。また、JA板野郡女性部や人参部会が地元の消費者を対象に収穫体験や料理教室を行い、徳島が春夏にんじんの全国一の産地であることを知ってもらい、地元のにんじんの地産地消に取り組んでいる(写真5、6)。
5 β-カロテン豊富なにんじんを食べて健康と免疫力向上を!
オレンジ色や黄色のにんじんには、βーカロテンが豊富に含まれ、1回の食事で摂取できる量は野菜の中で最も多い。βーカロテンは体内でビタミンAに変換され、粘膜を丈夫にし、目、皮膚、髪、歯茎の健康を維持し、風邪などの感染症から守るほか、体内の過剰な活性酸素を除去し免疫機能を高める働きがある。日本一の出荷量を誇る徳島の春にんじんは、主に3月から5月に出荷されるが、厳冬期に独自の大型トンネル被覆材の中で適度な温度・乾燥状態で生育し、“甘くて柔らかい”という特徴がある。徳島の春にんじんは、カレー、シチュー、煮物、スティックサラダ、生ジュースのほか、きんぴら、スープ、ソテー、かきあげなど和洋中を問わずさまざまな料理で楽しめる。新型コロナ禍で徳島の春にんじんをおいしくいただいて、健康と免疫力を維持しましょう。
「トマトの丸ごと炊き込みご飯」
(ポイント)
炊飯器の場合はトマトの水分量を考慮し、1合の目盛りより少し少なめにし、普通モードで炊きます。
「にんじんのチヂミ」
おつまみに、おかずに、おやつにと便利な韓国のお好み焼きチヂミを、にんじんだけで作ります。粉類は2種類合わせるとモチモチとしておいしいですが、どちらか片方だけでもOKです。じっくり焼くのでにんじんの甘みが出ます。年間手に入りやすいにんじんですが、旬の時期の物を使うと香りも良く格別です。
(野菜重量:150グラム)
■作り方
1.にんじんはよく洗って細く切る。Bを合わせてたれを作っておく。
2.ボウルに1のにんじん、Aの材料を加えてよく混ぜる。
3.フライパンにサラダ油大さじ1を引き、中火にかける。フライパンが温まったら2の生地を薄く広げる。
4.3分ほど焼き、焼き色がついたらひっくり返す。ごま油小さじ1を足し、フライ返しで少々押しつけ、両面カリッとするまで焼く。
5.食べやすい大きさに切り皿に盛る。1のたれにつけていただく。
(ポイント)
・にんじんは皮ごと使いましょう。
・多めの油で焼き、カリカリ、もちもちに仕上げましょう。大きく焼くとひっくり返しにくいときは10cm程度のサイズにつくっても良いでしょう。
レシピ作成者:中山 晴奈