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調査・報告(野菜情報 2016年11月号)


かんしょの需要変化と品種の動向

一般財団法人 いも類振興会 理事長 狩谷 昭男

要約

 10年前ごろから焼きいも、干しいもなどを中心に、食用かんしょの静かなブームが続いている。その主な要因は、従来のほくほく系品種に代わっておいしいしっとり・ねっとり系品種への移行という、こう変化への的確な対応があった。また、かんしょの優れた自然食品・健康食品としての特性が、健康ブームの追い風もあり消費者に理解されたことだ。今後も消費者のニーズに応えて、品種育成や消費拡大への創意工夫が求められている。

 はじめに

2003年ごろから焼きいも、干しいも、スイーツなど、かんしょの加工食品を中心に人気が高まり消費が伸びている。こうしたかんしょの静かなブームは、自然発生的なものではなく、ブームを支える各要因が戦略的かつ相乗的に効果を発揮した結果と言える。特に、「軟らかい」、「甘い」、「カラフル」のつのキーワードに代表されるかんしょの嗜好変化を、的確に捉え対応してきたことが重要ポイントとなった。中でも、ほくほく系品種に代わって、しっとり・ねっとり系品種の果たした役割は大きかった。

かんしょは、日本へ伝来した1605年から戦後の1950年までの間、救荒作物として多くの人びとの命を救ってきた。にもかかわらず、長くマイナスイメージが付きまとった。平成期に入ってからは、マイナスからプラスのイメージに好転しつつあり、国民の健康志向の高まりという追い風にも恵まれ、優れた自然食品・健康食品として脚光を浴びている。

本稿では、最近における加工食品用および青果用を含む食用かんしょ(アルコール用、でん粉用、飼料用、種子用を除く)の新たな需要変化と品種の動向を紹介したい。

 かんしょの生産の推移と需要変化

かんしょの作付面積、収穫量は、1970年には、12万8700ヘクタール、256万トンであったが、2015年には、万6600ヘクタール、81万4200トンとなり、作付面積、収穫量ともに減少傾向に推移している(図)。

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かんしょの用途別消費量の1970年からの推移を見ると、でん粉用が大幅に減少、青果用もかなり減少する中、いも焼酎などのアルコール用と並んで加工食品用が順調に伸びている。加工食品用は、特に平成期に入って消費拡大の傾向にあり、生いも換算で年間8〜10万トンが消費されている(図)。

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加工食品用を品目別でみると、干しいも用(蒸切干・煮切干)、いもけんぴやスイーツなどの菓子用、焼きいも用、大学いも用は、いずれも増加傾向を示している。一方、菓子や飲料の着色料として使用される色素用は、横ばい傾向にある。これを2013年度の数字で見ると、干しいも用万5600トン、菓子用万4000トン、焼きいも用6800トン、大学いも用1800トン、色素用1600トン、総菜用700トンとなっている(表)。農林水産省が「かんしょの用途別消費調査」の中で、加工食品用仕向量について調査対象にしたのは1993年度からで、農林水産省は都道府県からの報告をもとに仕向量を取りまとめたものである。都道府県報告の数字は概数的なもので、市場流通・消費段階での実態把握が難しく不十分で、実態を十分反映した数字になっていない点も見受けられる。従って、近年、急激な変化をみせているかんしょ加工食品仕向量の実態とこの調査数字との間には相当かいしている点もみられる。

そこで、一般財団法人いも類振興会では、かんしょの加工食品を取り扱う企業などの関係者からの聞き取りなどを加味しておおまかな推計を試みた。それによると加工食品の品目別生いも仕向量は、おおむね次の通りである。干しいも用約万トン、菓子用約4000トン(うち、いもけんぴ用約4000トン、菓子用のペースト・いもようかんなど約万トン)、焼きいも用約万トンないしはそれ以上、大学いも用約2000トン、色素用約1600トン、総菜用約5000トン、合計でおおむね18万トンである。つまり、かんしょの加工食品用では、農林水産省調べの倍程度の消費量が実際にはあると推測される。

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 かんしょブームの主な要因

現在進行中の加工食品用を中心とするかんしょブームには、どのような要因や時代背景があるのであろうか。それを整理すれば、次の点に集約されよう。

(1)優れた健康食品

人間が健康な生活を送るためには、炭水化物、たんばく質、脂質、ミネラル、ビタミン類の五大栄養素に食物繊維を加えた六大栄養素が必要である。食生活におけるかんしょは、「おかず」、「嗜好品」で、エネルギー源とミネラル、ビタミン類摂取の役割を果たしている。

かんしょはもともと、①栄養価、機能成分からみても、「準完全栄養食品」であること、②食物繊維を多く含み、便秘解消など腸内環境の改善に効果があること、③ビタミンのほか、カリウム、カルシウム、リンなどのミネラルを多く含み、健康の保持・増進に寄与していること、など優れた特徴を有している。

かんしょは概して病害虫の抵抗性が強く、農薬の使用量も比較的少なくて済む。また、かんしょを家庭で消費する場合はもちろん、焼きいも、干しいもなどに加工された商品でも添加物を使用せず、かんしょ自体が有する素材の味を十分生かせることが自然な健康食品としての魅力となっている。そして現在、高齢化社会を迎え国民の最大の関心事は、健康だ。それゆえ、かんしょは高い健康志向という時代の大きな潮流に乗り、おいしいことに加え健康の保持・増進にも寄与する優れた食品として、老若男女から人気を博している。

(2)甘いしっとり・ねっとり系品種の育成

わが国でかんしょと言えば、江戸後期から2002年ごろまでの長い期間、圧倒的に肉質が締まった硬いほくほく系のいもに人気があり、べちゃっとした水分を多く含んだ軟らかいいもは不人気であった。

ところが2003年ごろを境に、甘くておいしいしっとり・ねっとり系の鹿児島県種子島産「安納紅」(注)(写真)を主体とする通称“安納いも”が、若い人たちを中心に注目され普及していった。この“安納いも”の優れた点にいち早く着目し、消費市場に広めた仕掛人は、白ハト食品工業株式会社(以下「白ハト食品工業」という)(大阪府)社長である。

その後、2007年に育成され甘くておいしいしっとり・ねっとり系の代表品種となった「べにはるか」(写真)は、2011年ごろから急速に全国へ普及し始め、日本農業新聞調べの「2015年野菜売れ筋期待ランキング」では、人気ナンバーワン品種に躍り出た。品種の動向については、で後述する。

注:当コーナーでは、登録された品種は、「○○」、また通称、商標登録された品種などは、“○○”としている。

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(3)いもの周年供給と新加工技術の開発

キュアリング貯蔵技術の確立によって、かんしょの周年供給がほぼ可能になったのは1974年であった。キュアリング貯蔵技術のさらなる進歩と定温貯蔵施設の整備促進によって、実践的な周年供給体制が整ったのは21世紀に入ってからである。これらの技術進歩によってかんしょは、かっての冬季の食べ物というイメージから、夏でもかんしょ(焼きいも)の時代へと様変わりした。

一方、加工技術の開発をみても、焼きいもでは電気式自動焼きいも機の開発のほか、家庭でも焼きいもを簡単に作れる汎用性オーブントースターまでも普及し始めている。また、干しいも製造では、従来の天日干しの自然乾燥から機械乾燥が急速に普及しつつある。このように、新しい加工技術の開発が、かんしょ加工食品産業の発展を支える大きな要因の一つとなっている。

(4)マーケティング・イメージアップ戦略の展開

かんしょを取り扱っている業者は中小企業が多く、昭和期までは目立ったマーケティング活動はほとんどなかった。平成に入った19942003年ごろから企業・農協は積極的にマーケティング活動にも挑戦していった。例えば、焼きいもではスーパーマーケットなどに電気式自動焼きいも機を設置し、何時でも何処でも購入できる体制を整備してきた。干しいもでは、新たにコンビニエンスストアやドラッグストアにも売場を確保しつつある。

同時に、かんしょが長く背負ってきたマイナスのイメージをプラスに変えるイメージアップ作戦も進められた。例えば、1994年から有限会社フェスティバロ(以下「フェスティバロ」という)鹿児島県は空港でおしゃれなかんしょのレアケーキを販売し、客室乗務員・観光客から大好評を得た。2004年には白ハト食品工業が、東京・銀座の三越で焼きいも専門店を開設し、焼きいものイメージアップに大きく貢献したのである。

 食用かんしょ品種の新たな潮流

食用かんしょについては、戦後、おおむね20年ごとに主力となる新品種が登場し、市場をリードしてきた。1945年に「高系14号」(写真)が育成され、その後この品種から選抜された派生系統の“なると金時”、“五郎島金時”、“紅さつま”などが活躍している。1966年には「コガネセンガン」という万能品種が育成された(写真)。この品種は当初でん粉用であったが、その後焼酎用の主力品種となったほか、いもけんぴ用や菓子用のペーストとしても多く利用されている。1984年には、ほくほく系の代表品種「ベニアズマ」が育成された(写真)。2007年には、おいしいしっとり・ねっとり系の代表品種「べにはるか」が育成され今日に至る。「高系14号」、「コガネセンガン」、「ベニアズマ」はともに、今も現役の主力品種として活躍中の優れた長寿品種である。

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)でも示した通り食用かんしょの品種をめぐっては、2003年ごろを転換点に、以下の三つの大きな変化が進行している。

(1)ほくほく系からしっとり・ねっとり系の品種へ

肉質と食感からみた加工食品用を含む食用かんしょの品種は、表の通り種類に分類できる。

“安納いも”が2003年から注目され始める以前までは、硬いほくほく系の品種一色であった。2007年に「べにはるか」が育成され、その後の普及拡大によってほくほく系から軟らかいしっとり・ねっとり系の品種へ急速に代わっていった。ただ、この種類の分類はおおまかなものであり、以下の二つの留意点がある。

一つは肉質の中間質を食感ではしっとり系と位置づけているが、しっとり系とねっとり系の区分基準に明確なものがないので、そのしゅんべつは難しい。従って、食感からみた分類は、ほくほく系としっとり・ねっとり系の分類の方がより実態に即していると言えよう。

二つは、粉質のほくほく系品種や中間質のしっとり系品種であっても、貯蔵条件によって糖化(熟成)が進み、甘くておいしいねっとり系に近づいていく。このため、食感はその品種が元来備えている肉質の特性だけでみるのではなく、貯蔵条件などをも加味した総合的な見地からの判断が大切である。

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(2)嗜好が甘みの強い品種へ

2002年以前までは、「ベニアズマ」、「高系14号」のように、ほどほどの甘みを持つ品種が主流であった。2003年以降は、“安納いも”、「べにはるか」のようにしっとり・ねっとり系でしかも甘みの強い品種が人気を呼び、消費拡大をけん引している。

現状における食用かんしょ品種の潮流は、硬いほくほく系から甘みが強くておいしい軟らかいしっとり・ねっとり系への移行である。

このような品種動向には、若干の課題も残る。例えば、かんしょに対する嗜好性や健康食品に対する消費者の意向が多様化しており、焼きいもの場合は甘みの強いしっとり・ねっとり系品種よりも、甘みをやや抑えた風味のあるほくほく系品種を好む者も依然として多い。干しいもでは、甘すぎず淡白で、独特の上品な風味を持つ「タマユタカ」(写真)の根強いファンもいる。

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また、いもようかんを製造している企業では、ほくほく系の「ベニアズマ」などが加工に適しており、これらの品種の安定供給を望む声が強い。こうした事情を総合的に考慮すれば、かんしょの生産が今人気の「べにはるか」へ極端に集中していくことなく、加工食品におけるそれぞれの品目に応じた適品種をバランス良く安定的に供給していくための生産・出荷体制の整備が重要となっている。

(3)色調に富む多彩な品種へ

かんしょの表皮や肉質の色について世界の状況をみると、多彩な色調を有するカラフルな品種が数多く存在する。日本では明治後期以降から昭和期までの間、消費者からは表皮が赤色系、肉質は白色系が好まれてきた。主として平成初期以降からは、カロテン(黄色系)やアントシアニン(紫色系)を含む多様な色調を持つ、表に例示するカラフルな品種が登場してきた。

このように、多彩な色調を持つカラフルなかんしょ品種が、消費用途に応じて普及する時代に入った。消費者が青果用や加工食品用のかんしょを購入する際の判断材料として、従来のおいしさを構成する食感・甘さ・香り(風味)などの基本要素に加え、新たに目で楽しむカラフルな色調も重要な要素となる新たな時代を迎えている。

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 青果用かんしょの主産県と栽培品種

市場販売と農家自家消費を含む青果(生食)用かんしょは、前述した通り減少傾向にある。農林水産省調べによるかんしょの用途別消費量の2013年産を見ると、青果用かんしょ42万1000トンのうち、農家自家消費を除いた市場販売用青果かんしょ(35万3023トン)について、主産県の状況をみると表の通りである。

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茨城県11万9162トン(総市場販売量に占めるシェア33.8)の販売量が最多で、次いで千葉県、鹿児島県、徳島県、熊本県、宮崎県が続いており、これら上位県で全体の85.6のシェアを占めている。近年では特に、茨城県、千葉県の取り組みが積極的で、市場への影響が大きくなりつつある。

青果用かんしょの主要な栽培品種は、これまで東日本では「ベニアズマ」、西日本では「高系14号」とその派生系統の“なると金時”、“紅さつま”などが、それぞれの地域で長く高い人気を得てきた。近年では、全国的に「べにはるか」の普及が急速に進んでいる。

 加工食品用かんしょの品目別動向と使用品種

(1)焼きいも

焼きいも文化は、日本を中心とする東アジア特有のものである。日本の焼きいも商いの歴史は300年間で、この間回の焼きいもブームが起こった。2003年の電気式自動焼きいも機の開発をきっかけに、第次の平成焼きいもブームが今も続き、年間約万トン以上のかんしょが消費されているとみられている。

焼きいも用に使用されている品種は、十数年前までの東日本では「ベニアズマ」など、西日本では「高系14号」とその派生系統などであった。近年では、甘くてしっとり・ねっとり系の「べにはるか」の普及が全国各地で顕著となっている。

(2)干しいも

干しいもの発祥地は、静岡県の御前崎で1824年に栗林庄藏が煮切干の製造に成功した。1892年ごろには、静岡県の大庭林蔵・稲垣甚七が蒸切干の干しいも製法を考案して実用化する。1908年ごろには、干しいもの製法が静岡県から茨城県那珂湊(現・ひたちなか市)に伝わる。

干しいもの主産地であった静岡県は、江戸後期から1954年代までの間、東日本を中心に市場を開拓していった。1955年には干しいも生産量で茨城県が静岡県を抜き首位に立ち、現在では茨城県が干しいも総生産量の約90を占めている。近年における干しいもの特徴は、乾燥を軽くし、軟らかくて食べやすい甘い製品が多くなっていることだ。形状も平干しが主流であるものの、丸干し、角干し、焼き干しいもなど製品が多様化し、消費者の選択肢が広がっている。

干しいも用品種の主流はこれまで「タマユタカ」であったが、近年、「べにはるか」が急速に普及し首位となった。このほかの使用品種に、「泉13号」、「ヒタチレッド」、「タマオトメ」、「ほしキラリ」、「ほしこがね」がある。

(3)いもけんぴ

かんしょを短冊状に切って植物油で揚げ、砂糖を絡めて作ったスナック系の和菓子を高知県では「いもけんぴ」と呼んできた。高知県には平安時代から伝わる郷土菓子の一つに、小麦粉を練って作った「けんぴ」(けん)という細長く棒状に焼いたがある。「いもけんぴ」という名前の由来は、この「けんぴ」とは主原料も製法も全く異なるものの、形状や硬いところがよく似ていることから、この名前が付いたと言われている。なお、鹿児島県などではかりんとうに似ていることから、「芋かりんとう」と呼ばれている。

いもけんぴの生産量における澁谷食品株式会社(高知県)の全国シェアは、約50である。いもけんぴ用かんしょの年間使用量は、約2万4000トンと見込まれている。いもけんぴに使用されている品種は、「コガネセンガン」がほとんどを占める。このほか、「ベニコマチ」、「クリマサリ」、“安納いも”、紫系かんしょが若干使われている。

(4)スイーツ

かんしょで作られた甘い菓子である「さつまいもスイーツ」は、その概念が広い。例えば、2010年10月16日付け日本経済新聞が取り上げた「何でもランキング」欄での「さつまいもスイーツ」の種類分けは、大学いも、いもようかん、いもけんぴ、洋風菓子、和風菓子と多彩であった。

さつまいもスイーツは、1985年前後から消費が伸び始め、新たな時代を築きつつある。スイーツ商品は、規格品の大量生産・大量消費型ではなく、個性的なものが多い。つまり、スイーツ製造企業における創意工夫で新商品が生まれ、販売量も増加している。

スイーツ用に供されている品種はさまざまである。例えば、株式会社舟和本店(東京)の「芋ようかん」は「ベニアズマ」、有限会社栗尾商店(徳島県)の季節限定品「鳴門うず芋」は“なると金時”、フェスティバロのレアケーキは「コガネセンガン」、株式会社御菓子御殿(沖縄県)の紅いも商品は「ちゅら恋紅」が、それぞれ主体となっている。

(5)大学いも

大学いもとは、食用油で揚げたかんしょに糖蜜を絡めた菓子である。大学いもが市場流通し始めた時期は、19251934年ごろとみられている。ちなみに、大学いもの「大学」の名称由来は、東京大学である。

大学いもの生産量は、白ハト食品工業が約80をを占めていると言われている。このほか老舗甘藷問屋の川小商店株式会社(以下「川小商店」という)(東京)などが特色のある大学いもを販売している。大学いも用に仕向けられているかんしょは、約万2000トンである。また、主な使用品種は、白ハト食品工業では紫色系と黄色系の品種、川小商店では10月までが“紅さつま”で、11月からは「ベニコマチ」に代わる。

(6)総菜

かんしょの総菜利用と言えば、てんぷらや煮物が思い浮かぶ。近年における世界的な和食ブームもあって、和風駅弁にもかんしょの煮物が一切れ添えられていることが多い。また、ファミリレストランやうどん店などのトッピングの一品として、かんしょのてんぷらが常置されているほか、野菜サラダの材料の一つとして皮付きかんしょが使用されていることが多くなった。家庭の食生活でも料理レシピの中で、健康増進のための食材の一つとして、かんしょが更に多く使用され食卓を賑わしてほしい。

総菜用の使用品種は、東日本では「ベニアズマ」、西日本では「高系14号」とその派生系統が多い。その使用量は約5000トンとみられている。総菜用は、スイーツのように甘さがそれほど重要ではなく、むしろ甘さ控えめで、食感、風味の良さが求められている。

(7)色素

現在流通しているアントシアニン系着色料の中で、国産原料から抽出して製品化されている色素の一つに、紫かんしょの色素がある。2013年度に色素用に使用されたかんしょは1600トンであった。かんしょの色素は、主に菓子用ゼリーや飲料の着色料として利用されている。

 結びに

食用かんしょの需要は加工食品用を中心に、かんしょに携わる企業、農協、生産者、研究者、行政機関などの創意工夫やチャレンジ精神によって、輸出をはじめ新たな需要分野を開拓し、量的にも拡大を続けている。その結果、総じて研究熱心な産地や企業・団体の営業成績は良好である。逆に、いわゆる殿様商法に安住している産地などでは、生産・営業活動に停滞傾向がみられる。

かんしょの加工食品で起業化を図るには、小資本でも立ち上げやすく、地方創生における次産業化の実践にも比較的なじみやすい。従って、かんしょ加工食品産業の創出に向けて、全国各地から果敢なる挑戦が続いていくことを期待したい。



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