[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

調査・報告(野菜情報 2016年7月号)


惣菜の消費動向調査の概要

野菜需給部

要約

 野菜を使用している惣菜は、9割がスーパーマーケット・生協などで購入されている。
 毎週購入する者の割合が4割を超え、忙しいときや、手ごろな惣菜があるときなどに購入されている。購入の際、価格や味を重視する割合が7割を超え、購入時に確認する表示としては、消費期限・賞味期限が7割、次いで、原料、添加物などとなっている。
 また、今後購入したいタイプとしては、野菜が多く含まれた惣菜とする者が6割と最も多くなっている。

 はじめに

「惣菜白書」((一社)日本惣菜協会)によれば、惣菜の販売額は増加傾向にあり、平成27年は、兆5881億円(対前年比3.5増)と見込まれている当機構では、このように近年需要が増加している惣菜のうち、野菜を使用したものについて、28年月に惣菜の消費動向調査実施したので、その結果概要を報告する。

 調査の方法

調査は、web調査により、野菜を使用している惣菜を購入している2070歳の男女(計1500サンプル)を抽出し、表のとおり年代ごとに①独身者・単身者、②共働き世帯、③専業主婦のつに属性区分して実施した。



 調査結果の概要

(1)購入場所、種類

惣菜を購入する場所は、「スーパーマーケット・生協等」が92.5と最も高く、次いで「コンビニエンスストア」が33.7、「百貨店・デパート」が33.3、「弁当屋・惣菜専門店」が27.3となっている(図)。



属性区分別にみると、「スーパーマーケット・生協等」で購入する割合は、独身か否か、男女を問わず全ての区分において割を超えている。「コンビニエンスストア」は、独身者・単身者(男性)が割を超え、比較的高くなっている。また、女性の場合、「コンビニエンスストア」よりも「百貨店・デパート」の割合が高くなっている。

購入されている惣菜の種類をみると、「スーパーマーケット・生協等」では、調理パンが52.5と最も高く、野菜のコロッケ、野菜サラダ、弁当も40を超えている。「コンビニエンスストア」では、調理パンが64.0を占め最も高く、また、どの購入場所よりも高くなっている。次いで弁当が50.6、野菜サラダが44.9となっている。「百貨店・デパート」は、調理パン、野菜サラダが40を超えている。「弁当屋・惣菜専門店」は、弁当が55.6と過半を占め、他の種類は30未満と比較的低くなっている(図)。



(2)購入理由

ア 惣菜を購入する理由

惣菜の購入理由をみると、「忙しいとき」が63.4と最も高く、次いで「手ごろな惣菜があるとき」が53.2、「好きな惣菜があるとき」が38.7、「食事の品数を増やしたいとき」が34.0となっている(図)。



属性区分別にみると、「忙しいとき」は、女性が高く、特に共働き世帯(女性)、専業主婦は割を占めている。「手ごろな惣菜があるとき」および「好きな惣菜があるとき」は、男女の独身者・単身者が高く、「食事の品数を増やしたいとき」は、専業主婦が高くなっている。

イ 購入場所別の購入理由

購入場所別に購入理由を見ると、「スーパーマーケット・生協等」では、「自宅(職場)に近い」が69.1、「価格が安い」が56.1と過半を占めて高く、次いで「他の商品の買い物のついでに買える」が35.7となっている(図)。「コンビニエンスストア」では、「自宅(職場)に近い」が72.3と突出して高く、次いで「深夜や早朝でも営業している」が42.1、「おいしい」が32.4となっている。「百貨店・デパート」では、「おいしい」が65.7と最も高く、次いで「種類が豊富」が54.3、「好きな惣菜がある」が42.5となっている。「弁当屋・惣菜専門店」では、「自宅(職場)に近い」が46.3、「おいしい」が45.9となっている。「生協等の宅配」では、「量がちょうどいい」が33.3、「おいしい」と「製造日時等の表示がしっかりしている」が31.4となっている。「ネットスーパー」は、サンプル数が少ないことに留意が必要だが、「おいしい」が35.0と最も高く、「他の商品の買い物のついでに買える」が27.5となっている。



(3)購入頻度

購入頻度は、「週1~2回程度」が35.5と最も高く、これに「ほとんど毎日」と「週3~4回程度」を合わせた「毎週購入する」は、割を超えている(図)。



属性区分別にみると、「毎週購入する」は、男性の割合が高く割を超え、独身者・単身者(男性)は、約割を占めている。女性は男性に比べて低く、特に専業主婦の購入頻度は約割となっている。

(4)購入価格

一品当たりの購入価格は、個から購入できる「野菜のコロッケ」や「野菜のかき揚げ」は、比較的単価の安い200円未満が約8割、「野菜の煮物」、「野菜の炒め物」は、200円以上が約割を占めている(図)。一方、「弁当」は、ごはんや複数の惣菜も入っている商品もあることから単価はやや高くなっており、400円以上が約割を占めている。



(5)購入品目数

一回当たりの平均購入品目数は、「品目」が42.1と最も高く、次いで「品目」が30.9、「3品目」が19.8となっている(図)。



属性区分別にみると、男性に比べて女性の購入品目数は少なく、特に独身者・単身者(女性)は、「品目」が約割と高くなっている。男性は「品目以上」の割合が高く、独身者・単身者、共働き世帯は、いずれも割を超えている。

(6)惣菜を食べる時間・場所

惣菜を食べる時間・場所は、「夕食(自宅)」が77.8と突出して高く、次いで「昼食(自宅)」が35.7、「昼食(職場、屋外)」が18.9、「朝食(自宅)」が9.9となっている(図)。



属性区分別にみると、「夕食(自宅)」は、どの属性区分でも突出して高く、7~8割を占めている。次いで、共働き世帯(女性)を除くすべての属性区分で「昼食(自宅)」が高くなっており、特に専業主婦が約割を占めて高くなっている。共働き世帯(女性)では、「夕食(自宅)」に次いで、「昼食(職場、屋外)」が26.4、「昼食(自宅)」が23.6となっている。

(7)購入時に重視する点

惣菜を購入する時に重視する点は、「価格」が78.9と最も高く、次いで「味」が74.7と、この点が突出しており、「栄養のバランス」が36.5、「消費期限・賞味期限」が24.1と続き、「国産、外国産の別」は19.7となっている(図)。



属性区分別にみると、「価格」は、どの属性区分も割を超えて高く、特に男女の独身者・単身者、専業主婦は割を超えている。「味」は、共働き世帯(男性)が割を超え、それ以外の全ての属性区分で割を超えている。「栄養のバランス」は、3~4割程度となっているが、男性に比べ、女性の割合が高い傾向となっている。

(8)惣菜を購入する際の意識

ア 購入時に確認する表示

購入時に確認する表示は、「消費期限・賞味期限」が69.2と最も高く、次いで「原料」が39.7、「添加物」が23.7となっている(図10)。



属性区分別にみると、「消費期限・賞味期限」、「原料」とも、女性の割合が高くなっている。

イ 1年前との購入金額の比較

惣菜の年前との購入金額の比較は、「変わらない」と感じている者が55.7と過半を占め、「高くなっている」が42.7となっている(図11)。



属性区分別にみると、「変わらない」と感じているのは、女性よりも男性がやや高くなっている一方、「高くなっている」と感じているのは、男性よりも女性がやや高くなっている。

ウ 味のイメージ

家庭で調理する場合と比較した味のイメージは、「自分で作るものよりおいしい」が51.0と過半を占め、「自分で作るものと変わらない」が33.7、「自分で作るものよりおいしくない」が15.3となっている(図12)。



属性区分別にみると、「自分で作るものよりおいしい」は、どの属性区分でも割を超えて最も高くなっており、特に独身者・単身者は、男女とも約割と高く、専業主婦も割を超えている。

エ 今後購入したい惣菜のタイプ

今後の購入したい惣菜のタイプは、「野菜が多く含まれた惣菜」が60.5と最も高く、次いで「家庭では作りづらい惣菜」が54.1、「栄養バランスのとれた惣菜」が48.5、「国産の食材のみを使用した惣菜」が39.1となっている(図13)。



属性区分別にみると、「野菜が多く含まれた惣菜」、「家庭では作りづらい惣菜」、「国産の食材のみを使用した惣菜」は、いずれも女性の割合が高く、「栄養バランスのとれた惣菜」は、独身者・単身者(男性)、専業主婦が高くなっている。

 さいごに

野菜を使用した惣菜は、スーパーマーケット・生協などで主に購入され、忙しいときや手ごろな惣菜があるときなどに、価格や味などを重視して購入されている。

惣菜を毎週購入している者は、既に約割を超えており、惣菜の購入金額は、年前と比べ、「変わらない」が約割を占めているものの、「高くなっている」が約割を占めている。また、「自分で作るよりおいしい」と感じている者は割を超えている。こうした現状を見れば、今後ますます単身世帯や高齢者世帯の増加、核家族化、消費者の簡便化志向が進展していく中、手軽で便利な上に、おいしいと感じられている惣菜の需要は引き続き増加していくと考えられる。さらに今後購入したい惣菜のタイプとして、「野菜が多く含まれた惣菜」が約割と最も高くなっており、惣菜の需要の増加に伴い、惣菜用仕向け野菜の需要がますます増加すると考えられる。

平成27年度惣菜の消費動向調査の詳細な調査結果については、機構のホームページに掲載されているので、参考にしていただきたい(http://www.alic.go.jp/y-gyomu/yajukyu02_000176.html)。


元のページへ戻る


このページのトップへ