野菜需給部需給業務課
農畜産業振興機構においては、平成25年4月から、主要9都市における野菜小売価格動向調査を行っており、6月までの3カ月の動向について見てみました。
最多販売単位の小売価格※1は、トマト以外の野菜は、おおむね100~200円の範囲内にありました。野菜は、調理の素材として利用されることが多いため、値頃感がおおむね100円台に設定されていることがわかります。一方、トマトは、200円台で販売されており、他の野菜よりも高く販売されていました(図1)。
主要9都市のキログラム当たりの小売価格※2を全国平均と比較すると、名古屋、広島、高松、福岡等が全国より低い品目が多い傾向が見られましたが、この時期の産地が東海や西日本に多いことも一因ではないかと考えられます(図2)。
キログラム当たりの小売価格を同時期の卸売価格※3で除して比較すると、この3カ月間では、はくさいが一番倍率が高く、次いで、にんじん、ばれいしょの順となっています。一方、なすやほうれんそうは、低くなっています。また、変動が大きいのは、はくさい、レタス、キャベツ等の葉茎菜類で、なす、ピーマン等の果菜類、ばれいしょ、にんじん等は変動が小さい状況が見られます。
これは、販売単位ごとの小売価格を値頃感のある範囲に納める必要がある中で、どちらかというと葉茎菜類は販売単位の変更がしにくいものの、果菜類等は販売単位の変更がしやすいことも影響しているものと考えられます(図3、4)。
野菜の小売価格については、今後も引き続き調査し、結果については随時ホームページ上で公表しますので、いろいろな場面でご活用いただければと思います。
なお、野菜小売価格動向調査の詳細については、「機構から」野菜小売価格動向調査のリニューアルについて(本誌P. 46~P. 49)をご覧ください。
※1. 「最多販売単位の小売価格」は、品目ごとに1店舗につき一番販売面積が広いと報告された販売単位の小売価格。図1は品目ごとの平均値をグラフにした。
※2. 「キログラム当たりの小売価格」は、1店舗につき1つ報告されたキログラム当たりの価格の平均値。
※3. 図3で使用した「卸売価格」は、全国の主要な中央卸売市場(10市場)の卸売価格の平均値で、図4の「卸売価格」は、調査都市にある中央卸売市場の調査日が属する旬の卸売価格。
※4. 図4は、はくさいおよびなすの9都市の小売価格および卸売価格のバラツキをグラフにした。