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産地紹介 野菜情報 2026年11月号

産地紹介:山口県 JA山口県   山口県の2つのねぎ産地をご紹介

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山口県農業協同組合

はじめに

 日本のねぎ生産高は、世界第2位の座にある。ねぎは、「葉ねぎ(青ねぎ)」と「根深ねぎ(白ねぎ)」の大きく2種類に分けられ、昔から西日本では葉ねぎ、北~東日本では根深ねぎを中心に栽培されている。本稿では、山口県で栽培される青ねぎについて、下関統括本部管内の下関市安岡地区と宇部統括本部管内の山陽小野田市高泊地区の二つのねぎ産地を紹介する(図)。



~伝統ある下関産極細ネギを全国の皆様へ~
 

山口県農業協同組合 下関統括本部 営農経済部 指導販売課 白瀬 智章

1 下関市安岡地区の概要

 山口県農業協同組合(以下「JA山口県」という)下関統括本部管内の安岡地区は、山口県の西端に位置する響灘(ひびきなだ)に面した地区である(図1)。当地では、狭い土地でも高い収益性の得られる葉物野菜(極細ねぎ、木の芽、セリ)などの栽培が明治時代から始まった。

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 加えて、明治21(1888)年、下関でフグ食が解禁された。この時、薬味として重宝され、フグ料理とともに進化・発展してきたのが、当地で栽培されていたねぎであり、後に「安岡ねぎ」として全国に広く知られる極細ねぎの発祥となった。
 全国には太さが5ミリ以上の青ねぎの産地は数多あるが、このような歴史的背景から、下関市安岡地区は、全国でも珍しい太さが3ミリ程度の極細ねぎの栽培が盛んな地域として現在に至る(写真1)。
 
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2 下関ねぎ部会の概要

(1)下関ねぎ部会について
 歴史ある安岡ねぎの栽培技術を守りながら、さらに発展していくため、平成25年にJA山口県下関ねぎ生産出荷協議会(以下「下関ねぎ部会」という)が発足し、現在に至る。現在の部会員は約30人、作付面積は3.9ヘクタールとなっている。部会での令和7年度の販売金額は、7958万円となっている。下関ねぎ部会の特徴・特色として、次の4点が挙げられる。
ア 若手生産者が主力
 現在の下関ねぎ部会の部員数は約30人であるが、その主力は、親世代から基盤を引き継いだ40代が中心となっており、極めてスムーズに若手生産者への事業承継が行われている部会と言える。
イ 異業種からの新規就農者の存在
 一方で、全くの異分野から新規就農した若手部会員も2人おり、部会の主力として成長している。これは部会員のみならず、JA山口県や県の農林事務所などの関係機関が力を合わせ、技術指導やメンタル面でのサポートを実施してきた成果と言える。
ウ 円滑な技術伝承
 安岡ねぎの特徴である「葉色の良さ」、「食味の良さ」、「日持ちの良さ」、「香りの良さ」を満たすための潅水(かんすい)技術や施肥設計などについて、月に1回開催している部会活動の中で、ベテランから若手に対し技術伝承を行っている。その経験を基に若手が独自の工夫を加え、さらに品質向上を図る取り組みを実施している。
エ 経営者意識を強く持った部会運営
 下関ねぎ部会では、単価アップや販路拡大を事業戦略として、品質の高さや使い勝手の良さを伝える営業活動を生産者自らが活発に行っている。そのため、全国各地の市場を年に複数回訪問し、交渉の実施や市況のヒアリングを行うなどの情報収集を積極的に行っている。実のある市場訪問となるよう、活発な意見交換も実施している(写真2)。

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(2)下関ねぎ部会の主力商品について
 下関ねぎは、写真3のように、手選別で丁寧に選果している。
 下関ねぎ部会では、安岡ねぎにルーツを持つ極細ねぎを、二つの荷姿で周年で出荷している(表)。一つはトキワガヤで束ねる昔ながらの安岡ねぎの荷姿である福ねぎ「平束」(写真4)、もう一つが「福ねぎ(袋入)」というフィルム包装した荷姿である(写真5)。それぞれの商品の特徴を表に示した。

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 また、令和5年度~7年度の平束および福ねぎの出荷数量・出荷金額の推移を図2、3に示した。福ねぎ(平束)は、出荷金額は右肩上がりとなっており、7年度は3379万円と前年を約2割上回った。出荷束数は、6年度に落ち込んだものの、7年度はV字回復となった。また、福ねぎ(袋入)は、令和7年度の出荷金額は3944万円と、前年を2割程度上回ったが、出荷束数は、5年度から6年度は減少し、7年度は横ばいとなった。出荷数量が減少しても、出荷金額が維持できていることは、価格交渉により単価の向上が実現できていることを示している。
 しかしながら、産地の維持には出荷数量を増やしていくことが必須であることから、この単価を維持したまま、出荷数量も増やしていくことを今後の重要な経営課題と認識し、既存の取引市場への安定出荷を続けながら、新規市場の開拓に取り組んでいる。




3 下関ねぎ部会の出荷戦略

(1)国内新市場の開拓へ向けた取り組み
 新規市場として、海外からの旅行客を含め根強い観光需要が期待できる北海道、特に札幌および旭川市場への売り込みを行っている。北海道は、農産物・海産物を問わず食材の宝庫であり、どのような食材・料理に対しても、細身でクセの少ない福ねぎはピッタリ合うということを、生産者が自ら作成したPR資料(図4)などを用いながら、地域の仲卸業者に対し、サンプルを定期的に送付するなど、販売促進に取り組んでいる。しかしながら、顧客に対し一般的な青ねぎと福ねぎの価格差以上の価値(葉色の良さ、日持ちの良さなど)を十分に伝えきれているとは言えず、販路や需要拡大に向けた取り組みは継続中である。
 また、寿司に対しての福ねぎのニーズがあるが、適量を届けることができていないという事実が市場調査で明らかになった。このため、少量規格を広く展開することで、ニーズのある場所へ届けられるよう販路の見直しも実施している。
 
(2)海外市場開拓へ向けた取り組み
 食品商社を介し、福ねぎの海外輸出へ向けた取り組みも実施している。その一例として、サンプルをマレーシアに送り、現地での販売を行った。こちらについても、(1)で述べたように、現地顧客に対し、青ねぎと福ねぎの価格差以上の価値を伝えることに苦慮している。 
 国内・海外を問わず、新規市場の開拓は一朝一夕に達成できるものではなく、いつか花開くことを信じて、今後も継続して販売促進活動を実施していく。

4 おすすめの食べ方

 下関ねぎ部会のホームページに、おすすめの食べ方レシピをたくさん掲載しています(図5)。
こちらの二次元コードを読み取り、ぜひご覧ください。  
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◆一言アピール◆

 「葉色良し!風味良し!日持ち良し!」の福ねぎは和食だけでなく、イタリアンやフレンチなどさまざまな料理を引き立てる食材です。シャキシャキ食感のねぎを是非食べてください!

◆お問い合わせ先◆

担当部署:山口県農業協同組合 下関統括本部
住  所 :〒751-0876 山口県下関市秋根北町4-1
電話番号:083-256-2246
H  P   :https://negiiii.com/




~葉ねぎ生産の自動化~
 

山口県農業協同組合 宇部統括本部 営農経済部 指導販売課
 

1 産地の概要

 JA山口県宇部統括本部の管内にある山陽小野田市南高泊地区は、干拓農地の産地として位置づけられており、日当たりが良く、水はけのよい圃場(ほじょう)でねぎの生産に適している。

2 生産の概要

 南高泊地区では、平成6年に設立された有限会社グリーンハウス(以下「グリーンハウス」という)が生産を担い、JA山口県が販売を担っている。グリーンハウスは、山口県内の農業大学校などを卒業した若い世代を積極的に雇用している。栽培面積は、ビニールハウスが約5ヘクタール、露地が約2ヘクタールで、令和7年度のねぎの生産量は年間275トンで、うち加工向けは33トンであった。また、同年度の販売金額は2億4700万で、うち加工向けは2100万円であった。同社では、ねぎを「おのだネギ三昧」というブランド名で周年出荷しており、春~秋は播種(はしゅ)から約60日後に収穫し、冬は同じく100日後に収穫する(写真1)。
 品種は冬彦、みやび姫、ふくいちなどを栽培しており、干拓地の塩分ストレスと灌かん水すい制限により、鍛えられた濃厚な味と豊かな風味が特徴となっている。

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3 栽培における取り組みと出荷の工夫

 グリーンハウスでは、平成26年にJGAPの認証を受け、生産工程管理を徹底し、圃場ごとの栽培管理について記録し、これをマニュアル化して各担当者間の連携を図っている。また、苗の定植技術を確立し、冬場の需要期に向けた増産を目指している。また、加工向けのねぎについては、地元の量販店とタッグを組み、カットねぎ(生鮮)の販売に取り組んでいる。サイズや容量は、ボードン(注)(100グラム)、S、M、L、2L、3L、1キログラム束で出荷している。
 同社では、平成29年に集出荷施設を整備するとともに、産地パワーアップ事業(農林水産省補助事業)を活用して包装センターを整備した。これにより軽量包装作業を機械化し、1日の処理量が1.5倍に向上した(写真2~4)。包装されたねぎは、上述したサイズ・容量に応じたそれぞれの荷姿で出荷される(写真5)。出荷場から各市場までの物流は、保冷車を活用し、コールドチェーンを整備している。主な販売先は、県内7市場のほか、広島や大阪、東京などの計10市場である。
(注)表面に特殊な曇り止め加工を施した防曇袋をいう。

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4 販売戦略

 グリーンハウスは、2で述べたように、生産するねぎを「おのだネギ三昧」とネーミングしてブランド化を図り、山口県内での認知は十分にある。地産地消の強みを生かし、鮮度や棚持ちの良さなどの品質については、実需者から高い評価を得ている。一方、県外市場に向けては、JGAP認証を受け、生産工程管理を徹底していることなどを伝え、市場での試食宣伝などを積極的に行うなどPRに努めている。
 グリーンハウスとJA山口県宇部統括本部は、今後も連携して周年で安定的に品質の良い商品を作り続け、実需者に信頼される産地として、県内はもとより、県外においても市場シェアを高めていきたいと考えている。また、産地全体として、農業に従事している若者がさらに夢を持って働けるように取り組みを続けていきたい。

◆一言アピール◆

おのだネギ三昧は、ねぎ焼きやねぎサラダがおすすめです。
<おすすめの食べ方>
ねぎ焼き、ねぎサラダ

◆お問い合わせ先◆

担当部署 :JA山口県 宇部統括本部 営農経済部 指導販売課
住  所  :宇部市大字川上字小羽山74番地
電話番号 :0836-31-7168
FAX番号:0836-31-4252