(1)下関ねぎ部会について
歴史ある安岡ねぎの栽培技術を守りながら、さらに発展していくため、平成25年にJA山口県下関ねぎ生産出荷協議会(以下「下関ねぎ部会」という)が発足し、現在に至る。現在の部会員は約30人、作付面積は3.9ヘクタールとなっている。部会での令和7年度の販売金額は、7958万円となっている。下関ねぎ部会の特徴・特色として、次の4点が挙げられる。
ア 若手生産者が主力
現在の下関ねぎ部会の部員数は約30人であるが、その主力は、親世代から基盤を引き継いだ40代が中心となっており、極めてスムーズに若手生産者への事業承継が行われている部会と言える。
イ 異業種からの新規就農者の存在
一方で、全くの異分野から新規就農した若手部会員も2人おり、部会の主力として成長している。これは部会員のみならず、JA山口県や県の農林事務所などの関係機関が力を合わせ、技術指導やメンタル面でのサポートを実施してきた成果と言える。
ウ 円滑な技術伝承
安岡ねぎの特徴である「葉色の良さ」、「食味の良さ」、「日持ちの良さ」、「香りの良さ」を満たすための
潅水技術や施肥設計などについて、月に1回開催している部会活動の中で、ベテランから若手に対し技術伝承を行っている。その経験を基に若手が独自の工夫を加え、さらに品質向上を図る取り組みを実施している。
エ 経営者意識を強く持った部会運営
下関ねぎ部会では、単価アップや販路拡大を事業戦略として、品質の高さや使い勝手の良さを伝える営業活動を生産者自らが活発に行っている。そのため、全国各地の市場を年に複数回訪問し、交渉の実施や市況のヒアリングを行うなどの情報収集を積極的に行っている。実のある市場訪問となるよう、活発な意見交換も実施している(写真2)。
(2)下関ねぎ部会の主力商品について
下関ねぎは、写真3のように、手選別で丁寧に選果している。
下関ねぎ部会では、安岡ねぎにルーツを持つ極細ねぎを、二つの荷姿で周年で出荷している(表)。一つはトキワガヤで束ねる昔ながらの安岡ねぎの荷姿である福ねぎ「平束」(写真4)、もう一つが「福ねぎ(袋入)」というフィルム包装した荷姿である(写真5)。それぞれの商品の特徴を表に示した。
また、令和5年度~7年度の平束および福ねぎの出荷数量・出荷金額の推移を図2、3に示した。福ねぎ(平束)は、出荷金額は右肩上がりとなっており、7年度は3379万円と前年を約2割上回った。出荷束数は、6年度に落ち込んだものの、7年度はV字回復となった。また、福ねぎ(袋入)は、令和7年度の出荷金額は3944万円と、前年を2割程度上回ったが、出荷束数は、5年度から6年度は減少し、7年度は横ばいとなった。出荷数量が減少しても、出荷金額が維持できていることは、価格交渉により単価の向上が実現できていることを示している。
しかしながら、産地の維持には出荷数量を増やしていくことが必須であることから、この単価を維持したまま、出荷数量も増やしていくことを今後の重要な経営課題と認識し、既存の取引市場への安定出荷を続けながら、新規市場の開拓に取り組んでいる。