富里地区では、春作としてすいか、ばれいしょ、スイートコーンなどを作付けし、その後作として秋冬にんじんを栽培している(表2)。
播種に始まり、土寄せ、防除、収穫、洗浄、選別に至るまでの機械化一貫体系が確立されており、1戸当たりの平均栽培面積は1.6ヘクタールとなっている。
秋冬にんじんは、7月中旬に土壌消毒などの
圃場準備を行い、7月下旬から8月中旬にかけて播種する。近年は、気候の温暖化に伴って播種時期が遅くなる傾向にあり、8月上旬から中旬にかけての播種が最も多くなっている。播種にはコート種子と播種機を使用し、間引きの省力化を図っている。コート種子は、発芽の際に十分な水分を必要とするため、降雨がない場合には、かん水チューブを用いてかん水を行い、発芽を均一にそろえることが重要となる。近年は、播種・発芽期が猛暑や干ばつの時期と重なることが多いため、発芽後も生育状況や土壌水分を確認しながら、適切にかん水を行う必要がある。
肥料には有機配合肥料を使用している。堆肥はすいかなどの前作時に施用するが、にんじん作付け直前には施用しない。これは、にんじんの作付け直前に未熟な堆肥や未分解の有機物を施用すると、岐根などの障害や品質低下につながる恐れがあるためである。
収穫は、にんじん収穫機(キャロベスタ)を用いて行う(写真1)。近年は、収穫作業の省力化を図るため、コンテナによる収穫からフレキシブルコンテナ(フレコン)による収穫へ移行する生産者が増えている。にんじん収穫機は、地上部の葉をつかんで引き抜いて収穫するため、年明け以降、寒さによって葉が枯れてしまうと、使用が難しくなり、葉が枯れていても収穫が可能な汎用収穫機などによる収穫が必要となる。このため、年明けに収穫する作型には「冬ちあき」(タキイ種苗)など、地上部の耐寒性に優れた品種を選定している。また、しみ腐症が発生すると、選別作業の負担が増加するため、「ベータ-441」(サカタのタネ)など、しみ腐症に強い品種を選定している。なお、JA富里市には大型の共同選果場がないため、収穫後の洗浄、選別、箱詰めは各生産者が行っている(写真2)。
秋冬にんじんのほか、12月下旬から翌2月にかけてハウスまたはトンネルに播種し、5月中旬から6月に収穫する春夏どりの作型も行われている。春夏どりの作付面積は、約20ヘクタールとなっている。