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産地紹介 野菜情報 2026年7月号

高知県 JA高知県 日本一のにら産地 百年先も天下一

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高知県農業協同組合 香美地区 香美営農経済センター 営農指導課 課長 宮本 剛人
タイトル横 野菜写真

1 香美地区の概要

 高知県農業協同組合(以下「JA高知県」という)の香美地区は、高知県中央東部に位置し、香美市・香南市の2市で構成される緑に囲まれた自然豊かな地区である。
 北は、徳島県との県境を成す標高1000~1800メートルの高峰を有する四国山地に囲まれ、南は恵み多き太平洋に面している。四国山地を源流とする物部川、香宗川、夜須川が流れるなど、豊かな水と緑に包まれ、温暖な気候に恵まれた香美地区は、森林資源の形成や農産物の育成に適した地域である。
 主な特産品は、同県が生産量日本一を誇るにらをはじめ、物部のゆず、全国的にも知名度の高いやっこねぎ(小ねぎ)や山北みかんなどがあり、高知県下でも有数な園芸地域である。北部では水稲を中心に、にら、やっこねぎ、しゅんぎく、青ねぎ、オクラなど野菜の施設栽培および露地栽培、また、中山間地域でのゆず栽培など地域の特性を活かした農業が盛んである。南部では温暖な気候を利用して、古くから、施設を利用したにら、すいか、メロン、トマトなどの促成栽培に加え、山北みかんをはじめとした果樹栽培も盛んで、多様な品目を生産する園芸地帯である(図1)。

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2 にら産地の概要

 高知県のにら出荷量は全国1位で、全国の約31%を占めている(令和6年産農林水産省作物統計より)。JA高知県香美地区にら部会(以下「にら部会」という)の出荷量は、県の半数を占めており、令和7園芸年度(令和6年9月~令和7年8月)の実績は、部会員数182人、栽培面積99.3ヘクタール(露地:14.9ヘクタール、施設:84.4ヘクタール)、出荷量5264トン、販売金額39億6000万円である(表)。

タイトル: p036c
 
 この地区におけるにら栽培の歴史は古く、昭和33年に当時の香美郡野市町(現:香南市野市町)において試作したのが始まりである。当時、稲作農家の所得向上のため、新しい品目を探していた(旧)野市町農協は、この試作の成功を受けて、昭和36年に10人の生産者を選び、種子の無料配布を行って本格的な栽培が始まった。
 平成6年の(旧)JA土佐香美発足以降、平成16年からは旧6町村のにら部会組織を一本化し、一つの部会として力を合わせて生産している。また、管内のにら栽培は平野部を中心に拡大してきたが、平成25年には徳島県境に近い標高400メートルの香美市物部町神池でも栽培が始まり、露地栽培、施設栽培を組み合わせることによって周年出荷を行っている(図2)。

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3 栽培への独自の取り組みやこだわりなど

(1)1年1作長期取り栽培
 作型は、4月上・中旬に定植を行い、7月中・下旬から10月下旬まで収穫を行う露地栽培と、5月から8月まで定植時期をずらし、8月中旬から翌年7月上旬まで収穫を行う施設栽培がある(写真1、2)。収穫回数は、露地栽培は3~4回、施設栽培は6~7回となっており、このように1年中、連続で収穫をしていくことから、収量、品質の低下を避けるため1年で新たな株に更新を行う。また、定植時期から逆算して播種(はしゅ)を行い、育苗期間は約120~130日程度かけてしっかりした苗を作っている。

タイトル: p037b
 
(2)土づくり
 本()には、堆肥、有機物の施用はもちろん、保水性や透水性、また、保肥力の改善につながる資材も積極的に施用した「土づくり」を行っている。
 
(3)こまめなかん水管理
 マルチ下に点滴かん水チューブ(写真3)を設置することによって、収穫間際までこまめなかん水管理を行い、高品質・高収量のにらを生産している。

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4 出荷の取組みやこだわりなど

(1)出荷の概要
 出荷形態は5キログラム段ボール(100グラム×50束)である。
 (2)で後述するが、従来の出荷は、生産者が収穫(写真4)、調整(そぐり)作業(写真5)から箱詰め(写真6)まで行って、香美地区集出荷場(物部、香北、土佐山田、野市、吉川、夜須、香我美)まで搬入を行っていた。
 搬入後は、各集出荷場で1日予冷を行った後(写真7)、翌日には土佐山田集出荷場へ横持ちされ、1箱ずつ検品された後(写真8)小袋包装され、取引市場(名古屋、大阪、東京、中四国)に出荷される。

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(2)近年の取り組み~品質・鮮度保持~
 収穫したにらは、各生産者が箱詰めまで行うが、高知県は取引市場からの距離があるため、収穫したにらが量販店などに並ぶまで2~3日経過してしまう。そのため、「そぐり」と呼ばれる、傷みやすい葉を除去する調整作業にも細心の注意を払って行い結束する。にらは収穫から出荷までに、1)収穫、2)そぐり、3)計量・結束、4)包装-の工程があるが、この中で、作業負荷の最も大きいものが、2)そぐりと3)計量・結束であり、この工程が作業の7割を占めている。
 近年、このそぐりを行う担い手の確保が困難な状況となっている。労働力不足を補うため、特定技能制度などを活用し外国人を雇用する農家も増加しているが、そぐりの担い手が十分に確保できないと、収穫後の作業ができないため、生産者も出荷ができなくなり、産地としても出荷量が落ちることが、大きな課題として浮かび上がっていた。
 このような農業者が抱える課題解決に応える地域連携型ソリューションビジネスの展開を目的として、清水建設株式会社と農林中央金庫が「シミズ・アグリプラス株式会社」を設立した。同社では、関係者から要望が最も多かったにらの出荷調製作業を事業化することとし、令和2年4月から香美地区野市集出荷場内に「そぐりセンター」を開設し、出荷調整事業を開始した(写真9)。
 このそぐりセンターの事業化において、従来の「そぐり」作業の工程における難点や無駄を洗い出し、機械化・システム化を図るなどの実証試験を行いながら、産地の課題が解決されるようなビジネスモデルが構築された。このセンターの設立により、生産者は、収穫したにらを持ち込むだけでよくなり、同センターがそぐりから出荷までの作業を担ってくれることとなり、大幅な作業の省力化が実現した。その結果、栽培管理に専念できる時間が増え、栽培面積を拡大しようとする生産者も増加している。
 
タイトル: p039

 また、鮮度保持についても、高知県が平成13年に開発した「パーシャルシール包装」を取り入れている(写真10)。このパーシャルシール包装の袋内は、低酸素・高二酸化炭素状態になるため、にらの呼吸による消耗が抑制され、鮮度が保持される。
 
 このように、JA高知県では、生産者とともに、各市場や消費者に信頼されるにら産地を目指して、日々技術開発や栽培方法などの改善に取り組んでいる。

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5 おすすめの食べ方

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◆一言アピール◆

 高知県は、日本一の「にら」産地です。
 豊かな水と緑に包まれた自然がいっぱいの温かい地域で栽培した「にら」は柔らかく風味があり、品質にも自信があります。
 愛情たっぷり、栄養たっぷりの立派な「にら」を安心して食べてください!!

◆お問い合わせ先◆

担当部署:高知県農業協同組合 香美地区 香美営農経済センター
住  所:〒781-5233 高知県香南市野市町大谷26
電話番号:0887-56-2372
FAX番号 :0887-56-1853