(1)出荷の概要
出荷形態は5キログラム段ボール(100グラム×50束)である。
(2)で後述するが、従来の出荷は、生産者が収穫(写真4)、調整(そぐり)作業(写真5)から箱詰め(写真6)まで行って、香美地区集出荷場(物部、香北、土佐山田、野市、吉川、夜須、香我美)まで搬入を行っていた。
搬入後は、各集出荷場で1日予冷を行った後(写真7)、翌日には土佐山田集出荷場へ横持ちされ、1箱ずつ検品された後(写真8)小袋包装され、取引市場(名古屋、大阪、東京、中四国)に出荷される。
(2)近年の取り組み~品質・鮮度保持~
収穫したにらは、各生産者が箱詰めまで行うが、高知県は取引市場からの距離があるため、収穫したにらが量販店などに並ぶまで2~3日経過してしまう。そのため、「そぐり」と呼ばれる、傷みやすい葉を除去する調整作業にも細心の注意を払って行い結束する。にらは収穫から出荷までに、1)収穫、2)そぐり、3)計量・結束、4)包装-の工程があるが、この中で、作業負荷の最も大きいものが、2)そぐりと3)計量・結束であり、この工程が作業の7割を占めている。
近年、このそぐりを行う担い手の確保が困難な状況となっている。労働力不足を補うため、特定技能制度などを活用し外国人を雇用する農家も増加しているが、そぐりの担い手が十分に確保できないと、収穫後の作業ができないため、生産者も出荷ができなくなり、産地としても出荷量が落ちることが、大きな課題として浮かび上がっていた。
このような農業者が抱える課題解決に応える地域連携型ソリューションビジネスの展開を目的として、清水建設株式会社と農林中央金庫が「シミズ・アグリプラス株式会社」を設立した。同社では、関係者から要望が最も多かったにらの出荷調製作業を事業化することとし、令和2年4月から香美地区野市集出荷場内に「そぐりセンター」を開設し、出荷調整事業を開始した(写真9)。
このそぐりセンターの事業化において、従来の「そぐり」作業の工程における難点や無駄を洗い出し、機械化・システム化を図るなどの実証試験を行いながら、産地の課題が解決されるようなビジネスモデルが構築された。このセンターの設立により、生産者は、収穫したにらを持ち込むだけでよくなり、同センターがそぐりから出荷までの作業を担ってくれることとなり、大幅な作業の省力化が実現した。その結果、栽培管理に専念できる時間が増え、栽培面積を拡大しようとする生産者も増加している。
また、鮮度保持についても、高知県が平成13年に開発した「パーシャルシール包装」を取り入れている(写真10)。このパーシャルシール包装の袋内は、低酸素・高二酸化炭素状態になるため、にらの呼吸による消耗が抑制され、鮮度が保持される。
このように、JA高知県では、生産者とともに、各市場や消費者に信頼されるにら産地を目指して、日々技術開発や栽培方法などの改善に取り組んでいる。