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産地紹介 野菜情報 2026年6月号

大分県 JAおおいた 大分県におけるピーマン 産地の形成と持続的発展への取り組み

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大分県農業協同組合 本店園芸販売部園芸課 渡邉 雪枝
タイトル横 野菜写真

1 産地の概要

 大分県は九州の東部に位置し、温暖な気候と豊かな水資源に恵まれた農業生産が盛んな地域である。県内各地で園芸作物の生産が行われており、ピーマンは主要な野菜品目の一つとして位置付けられている。
 大分県農業協同組合(以下「JAおおいた」という)におけるピーマンの生産は、主に4~11月にかけて出荷され、夏秋期における安定供給を担い、西日本有数の夏秋ピーマン産地として確立している。
 大分県内には、臼杵(うすき)市、豊後(ぶんご)大野市、大分市、竹田市、玖珠(くす)郡、日田市、中津市、佐伯市といった複数の産地が存在し、それぞれ標高や気象条件が異なる。このため、定植時期は、3~5月にかけて分散しており、地域ごとに異なる作型が形成されている。
 また、JAおおいたピーマン生産部会(以下「部会」という)は、県域部会として組織され、各産地に六つの支部が設置されている(図1)。各産地においては、ピーマンファーム(就農希望者にJAおおいたが実践的な研修を2年間実施)などを活用した新規就農者の受け入れ体制を構築しているほか、県内3カ所に広域選果場を整備するなど、産地の基盤強化を図っている。これらの一体的な運営などの取り組みにより、高品質なピーマンの安定生産と産地の維持・発展を進めている。
 
タイトル: p034b

2 生産の概要

 大分県内でのピーマンの生産は、当初は露地栽培で始まった。昭和50年頃から病害対策として雨よけ栽培を導入したことにより生産が安定し、産地の拡大につながった。
 現在、部会は、生産者約370人を有し、栽培面積は約56ヘクタール、年間生産量は約4000トン、販売額は約19億円となっており、西日本有数の規模を誇る。
 栽培方法は、施設栽培を主体としつつ、一部で露地栽培も行われており、地域特性や経営形態に応じた生産を行っている。主力品種は、施設栽培・露地栽培ともに「さらら」であり、濃い緑色と苦みの少なさが特徴である(写真1)。また、産地全体で栽培技術の共有や指導体制の充実を図ることにより、品質の均一化と安定生産に取り組んでいる。
 
タイトル: p035a

3 栽培上の特色

 当産地では、地域ごとの気象条件に応じた施設整備と栽培管理により、安定した生産を実現している(図2)。ハウスの間口は、1.8メートル、3メートル、6メートルなど複数の規格が導入されており、生産者の経営規模や地域条件に応じた栽培を行っている(写真2、3)。これにより、作業効率や管理のしやすさを確保しながら、生産性の向上を図っている。
 令和6年度には、猛暑の影響により出荷量が大きく減少したことを受け、部会青年部を中心に、高温対策への取り組みを強化している。部会としては「高温に耐え得る樹づくり」を目標に掲げ、初期生育の管理徹底や強勢台木の導入を進めている。また、地温抑制技術の実証や遮光ネットによる障害果軽減の実証にも取り組んでおり、青年部が中心となって産地巡回を行い、得られた知見の検証と情報共有を図っている(写真4)。これにより、産地全体で技術の底上げと安定生産の確立を進めている。
 
タイトル: p035b
 
 

4 出荷の工夫

 当産地では、県内3カ所に拠点となる広域選果場を整備し(写真5)、一元分荷体制を構築している。これにより、「おおいたピーマン」として統一した規格・品質での出荷が可能となり、関西および九州を中心とした市場へ安定供給を行っている。広域選果場には、自動計量包装機が導入されており、150グラムの袋詰めを行い、4.5キログラム箱で出荷することで、規格の統一と作業の効率化を図っている。
 また、一元分荷体制の確立により、生産者は収穫後、一次選別のみで出荷できるようになり、従来行っていた調整作業が大幅に削減され、作業時間は約3分の1に短縮された。これらの取り組みは、生産者の負担軽減とともに産地の維持・拡大にも寄与している。
 
タイトル: p036

5 販売戦略

 当産地では、「おおいたピーマン」として一元分荷体制を活かし、県域での契約販売に取り組んでいる。これにより、安定した供給体制を確立するとともに、計画的な販売を行っている。また、安定した品質確保に向け、広域目揃え会の実施や全戸を対象とした障害果調査を行い、産地全体で品質の均一化に取り組んでいる(写真6)。
 5月下旬には、地元市場における「旬入り宣言」を皮切りに、出荷ピーク前には、近畿、中国、九州の主要取引市場を巡回し、部会役員による販促PR活動を実施している(写真7)。これらの取り組みにより、「おおいたピーマン」の認知度向上と販売拡大を図っている。今後も、安定供給と品質向上を両立しながら、産地としての競争力強化とブランド力の向上に取り組んでいく。
 
タイトル: p037a

◆一言アピール◆

 「おおいたピーマン」は、肉厚でやわらかく、濃い緑色が特徴である。
 ピーマンは、ビタミンCを豊富に含むが、果肉組織がしっかりしているため、加熱しても壊れにくいことから、夏場の栄養補給にも適した食材である。生産者自慢の「おおいたピーマン」をぜひを手に取り、旬のおいしさを味わっていただきたい。
 
タイトル: p037b

◆お問い合わせ先◆

担当部署:大分県農業協同組合 本店園芸販売部園芸課 担当 渡邉
住  所:大分県大分市花園3丁目2番10号
電話番号:097-544-0310
FAX 番号:097-544-0340
ホームページ:https://jaoita.or.jp/