松江市は、島根県の東部に位置し、国宝の松江城や明治時代の文豪として知られ、現在NHKの朝ドラ「ばけばけ」のモデルとなっている小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)のゆかりの地として有名なほか、
宍道湖と
中海という
斐伊川からの淡水と日本海からの海水が混じり合った豊かな連結汽水湖があるなど、昔から水との関わりが深く、水の都とも呼ばれている。
松江市内でも特にキャベツの栽培が盛んなのが、中海に面している中海干拓
揖屋地区(以下「中海干拓地」という)であり、JAしまねが出荷するキャベツの約5割がこの産地で栽培されている。中海干拓地は、昭和38年より国営事業として中海の一部を堤防で締め切って造成され、農地(畑)が造られた。当初は米を増産するために計画されていたが、食生活の欧米化など時代とともに米の需要が減ってきたため、栽培品目を野菜などに変更し、平成元年の事業完了とともに営農が開始された。中海干拓地は中海の一部を干し上げて(堤防を先に造り中の水を抜く)造られたため、
圃場に貝殻が存在するなど、土壌にミネラルが豊富であることが特徴で、その土壌で栽培されるキャベツは適度な歯ごたえがあり、みずみずしさと甘みのあるものが出来上がる。
この中海干拓地は、JAしまねくにびき地区本部の管内にあり、くにびきキャベツ部会が中心となってキャベツ生産を行っている(写真1、2)。部会員数は47人、平均年齢は58歳となっており、若い生産者も多く、活気ある活動をしている。秋冬から春にかけて出荷があり、生産の主体となる秋冬キャベツは、出荷時期をずらすため8品種以上作付けしており、早い品種では10月から出荷が始まり、翌年の4月末まで長期間にわたり作業が続いていく(表、写真3)。
