鶴岡市農業協同組合(以下「JA鶴岡」という)は、山形県の庄内地方に位置し、市町村合併前の旧鶴岡市を管内としている(図1)。庄内地方の日本海側には、庄内砂丘と呼ばれる日本有数の砂丘地帯があり、内陸部には、米づくりに適した庄内平野が広がっている。東側に月山を中心とした出羽丘陵、北に
鳥海山、南に朝日山地と、三方を山に囲まれており、これらの山々の雪解け水が良質な地下水を形成し、豊かな作物を生み出している。対馬暖流の影響を受ける庄内地方は、県内陸部より温暖で降雪量も少ないものの、年間を通じて風の強い地域で、特に冬は北西の季節風による地吹雪と呼ばれる風雪が発生する。
JA鶴岡管内では、稲作を基盤に、砂丘地ではメロン、平野部ではだだちゃ豆を中心とした生産が行われており、その他にもミニトマト、さやいんげん、ねぎ、花きなどが盛んに生産されている。
JA鶴岡の令和6年度の総販売額は約98億6041万円であり、その内訳は米穀約61億7333万円、園芸35億5584万円、畜産1億3124万円となっている。園芸の主体は、メロン(約11.6億円)、だだちゃ豆(約6.2億円)、花き(約6.1億円)、ミニトマト(約6.2億円)である。
なお、鶴岡市は、平成26年12月1日、地域が守り育ててきた食の多彩な文化の承継発展や、生産から加工、流通、観光、飲食、食器など、視野の広い食関係産業の活性化に取り組んできたことが評価され、ユネスコ創造都市ネットワーク
(注)の食文化部門で、日本初のユネスコ創造都市に加盟が認定された。
(注)ユネスコ創造都市ネットワークは、加盟する都市が国際ネットワークの中で連携して、創造的な地域産業を振興し、文化の多様性保護と世界の持続的発展に貢献することを目的とし、ユネスコが2004(平成16)年に創設した制度。