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産地紹介 野菜情報 2024年5月号

新潟県 JA新潟かがやき~初夏の訪れを楽しむ野菜!JA新潟かがやきの「そらまめ」~

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新潟かがやき農業協同組合 黒埼園芸センター 桜井 健一
ソラマメ

1 産地の概要

 新潟かがやき農業協同組合(以下「JA新潟かがやき」という)は令和4年4月1日にJA北蒲みなみ、JAささかみ、JA新津さつき、JA新潟みらい、JA越後中央の5JAが合併して誕生した県内最大規模の農協である(図1)。
 管内は、穀倉地帯である新潟平野を有し、西は美しい日本海に面する。また、霊峰弥彦山(やひこやま)(かく)()(やま)を抱き、広い平野と山あり川ありの豊かな自然に恵まれた立地を生かし、さまざまな農業が営まれている。
 
タイトル: p037b

 令和4年度の農産物販売金額は米203億8000万円、果実54億3000万円、野菜45億5000万円、花き・花木19億7000万円、畜産8億4000万円、雑穀8億1000万円、全体で339億8000万円となっている(図2)。
 農業者の高齢化と、就農人口の減少が続く中、JA新潟かがやきでは、指導・販売事業が一体となって営農指導、産地育成、地産地消などを推し進めており、持続的な地域農業のために、農業振興に取り組んでいる。また、「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」につながる事業展開を進めるため、営農指導体制の強化による「農畜産物の有利販売」「生産コストの低減」を基軸とした戦略にも取り組んでいる。

タイトル: p038a

2 黒埼園芸センター管内の栽培状況

 旧JA越後中央内にある黒埼園芸センター管内では、えだまめ、ブロッコリー、そらまめなどの栽培が盛んであり(表1)、新潟県内でも上位の作付面積および出荷量を誇る。

タイトル: p038b
 
 そらまめは連作障害が発生しやすいため、栽培する圃場(ほじょう)を休ませたり、ブロッコリーやカリフラワーなどと組み合わせた輪作の1品目として栽培している。
 農業者の高齢化と就農人口の減少により、生産者は減少傾向にあるものの、JAからの園芸作物への生産奨励や市場からの出荷量増加の要請などもあり、出荷量はここ2年間は横ばいで推移しており、令和5年の出荷者数は85人となっている(表2)。

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3 生産の概要

 管内でのそらまめの主な作型は、10月上旬に播種(はしゅ)し、5月中旬から6月上旬に収穫する初夏採りが主流である(図3、写真1、2)。
 品種は、3(りゅう)さや以上の着さやに優れた一寸タイプの「打越(うちこし)一寸(いっすん)」が9割を占めるが、L品率を増やすべく、より3粒さや以上の着さやが見込める「唐比(からこ)の春」も使用している。
 雪や晩霜の影響を避け、安定した収量を確保するため、11月下旬から4月上旬にかけて、トンネル被覆を行っており、保温効果の異なる2種類のトンネル資材(有孔ポリエチレンを使用したポリトンネル、割繊維不織布を使用したトンネル)を活用することで、収穫時期に若干の差がつくよう栽培している。
 また、そらまめはアブラムシが発生しやすいため、特に、トンネル被覆前の防除を徹底するなどの管理を行っている。

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4 収穫作業

 そらまめの収穫適期は、さやの背筋が黒褐色になり、濃い緑色の光沢が出始めて、さやが下を向いた頃である。さやを指で軽く押して、実の入り具合を確認するとともに、2~3さやを試しもぎし、収穫適期のしるしである中の豆のお歯黒部分に薄く線が入っているのを確認してから、手作業による収穫作業を開始している(写真3)。

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5 出荷の概要

 そらまめは収穫後の鮮度劣化が早いため、収穫は涼しい午前中に行っている。生産者による収穫後、JAの出荷規格基準(表3)に基づき、規格ごとに選別・箱詰めしている。出荷比率は、M品が1番多く(50%)、次いでL品およびS品が約25%ずつとなっている。
 JAに出荷されたそらまめは、品質低下を防ぐため、30分程度真空予冷した後(写真4)、主に関東市場や県内市場へ出荷している。収穫期間が短いため、短期集中出荷になるが、出荷規格の遵守を徹底しているほか、消費者の手元に届くときにおいしい状態のそらまめを届けられるよう未熟さやで収穫していることから、市場からも高い評価を得ている。

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6 販売戦略

 当産地では、毎年作付け前に農業普及指導センターと連携して栽培指導会を行っている。前年度の生育調査結果の周知や栽培暦・病害虫防除指針を作成し、今年度の栽培対策などを行っており、その中で生産者同士でも情報交換を行いながら、好事例を参考に栽培し、品質向上に努めている。
 また、出荷前には今年度の生育状況と出荷規格の確認を行うため出荷説明会(目合わせ)を開催し、選別の徹底を図り、産地全体で統一した良い品物を出荷できるように取り組んでいる。
 高齢化などにより生産者は減少しているが、L品率が上がる品種の導入や栽培の工夫を行い、安定した収量と収入が確保できるよう取り組んでいきたいと考えている。

◆一言アピール◆

 そらまめは1粒が約1寸(3センチ)ほどの大きさのものが主流で、これらは「一寸(いっすん)そらまめ」とも呼ばれます。さやが空に向かって成長することから、「空豆(そらまめ)」。蚕が繭を作る時期に食べるから、繭の形に似ていることから、「蚕豆(そらまめ)」。そらまめにはさまざまないわれがあります。
 新潟のそらまめは、出回り期間が短く、5月中旬~6月上旬の約1カ月間程度しか出荷されません。特にその中でも5月の終わり頃から6月上旬の1週間程度が出荷のピークで、あっという間に出荷が終わってしまいます。
 塩ゆでしてそのままでもおいしく、クリームやマヨネーズとも相性の良い食材です。新潟では夏になるとえだまめをたくさん食べる習慣がありますが、えだまめのシーズン前に旬の短い新潟のそらまめのタイミングを逃さずぜひご賞味ください。

◆お問い合わせ先◆

担当部署:新潟かがやき農業協同組合 黒埼園芸センター
住  所:〒950-1122 新潟県新潟市西区木場53
電話番号:025-377-2811
FAX番号:025-377-0456