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産地紹介 野菜情報 2024年4月号

和歌山県 JA紀州~春の訪れを感じさせる爽やかな味わい! JА紀州の「きぬさやえんどう」~

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紀州農業協同組合 みなべ営農販売センター 営農指導員 萩野 翔大
さやえんどう花

1 産地の概要

 紀州農業協同組合(以下「JA紀州」という)は、平成26年にJAグリーン日高、JA紀州中央、JAみなべいなみの3JAが合併して誕生した組織である。
 JA紀州は和歌山県の中央に位置し(図1)、()(ぼう)市、日高郡6町、田辺市龍神(りゅうじん)村からなる県下一の農業地帯である。日高川をはじめ大小河川の豊かな水資源と緑あふれる山々など、美しい自然の恵みを受け、一年を通じてさまざまな農産物が生産されている。
 日本一の生産量を誇る「紀州みなべの(なん)(こう)(うめ)」「スターチス」「紀州うすい」のほか、野菜では高糖度ミニトマトの「赤糖房(あかとんぼ)」「優糖星(ゆうとうせい)」「王糖姫(おうとひめ)」や、きぬさやえんどう、西日本有数の生産量を誇る小玉スイカ「ひとりじめ」がある。また、果樹では(ごく)()()高糖度系みかんの「ゆら早生」、樹上越冬はっさくの「木成り八朔(はっさく)」「さつき八朔」などのブランド農作物を生産している。カスミソウの日本有数産地でもあり、野菜、果樹、花き生産の一大産地を形成している。
 JA紀州の令和4年度の総販売額は約107億円であり、その内訳は花きが約37億円(34%)、豆類を含む野菜が約36億円(33%)、果樹が約32億円(30%)である(図2)。うすいえんどう(グリンピース)やきぬさやえんどうなどの豆類は総販売額の13%(14億円)を占めている。

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2 きぬさやえんどう生産の概要

(1)生産地区
 管内では、印南(いなみ)町、御坊市、みなべ町、日高町、日高川町、美浜町、由良町と多くの市町できぬさやえんどうを栽培している。
 栽培は、1920年代に印南町(旧(きり)()(むら)(さき)(やま))で始まった。昭和30年末に品種「マストラ」(育成者:木下虎蔵、屋号桝屋(ますや)と名前の虎から付けられたといわれている)が育成され、戦後の食糧不足に貢献した「かんしょ」に代わって栽培が増加した。その後、当地で品種改良が行われ、温暖な気候や土質が適していたこともあり、生産者が増加していった。
 管内のさやえんどう(うすいえんどうを含む)の栽培面積は約80ヘクタールであり、全国有数の生産量を誇っている(写真1、2)。

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(2)作型
 きぬさやえんどうの栽培体系は、(1)8月上中旬に播種(はしゅ)し、9月下旬から12月に収穫する「抑制栽培」(2)10月に播種し、1月下旬から5月下旬まで収穫する「春取り栽培」(3)9月上旬に播種し、10月中旬から5月上旬まで収穫する「ハウス栽培」ーの3つの作型に分かれ、9月下旬から5月下旬まで長期間にわたり消費者に提供できる生産体制を構築している(図3)。
 現在、管内のきぬさやえんどうの栽培面積および農家戸数の内訳は、抑制栽培が10ヘクタール(148戸)、春取り栽培が3ヘクタール(52戸)、ハウス栽培が11ヘクタール(153戸)となっている。
 きぬさやえんどうは、連作障害による生育不良が発生するため、栽培終了後はビニールを()(じょう)にかぶせ、地温を上昇させて土壌病害を殺菌する太陽熱土壌消毒を中心に対策を講じている。また、昨今の温暖化に対応するため、発芽率が落ちないよう()(しゅ)時期をずらすなどの調整を行っている。

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(3)収穫・出荷作業
 当産地のきぬさやえんどうは、需要の高いL級を中心に、子実が大きくならないうちに適期収穫している。収穫時期を目視で確認する必要があることから機械化が難しく、はさみを用い、手作業で収穫作業を行っている。そのため、栽培面積が大きい生産者は、収穫繁忙期になると季節雇用者を導入して作業に当たっている。
 省力化や輸入品との判別の観点から、二つのさやがくっついた双莢(ふたさや)で収穫しており、ボリュームがあり、通気性に優れる「アベックさや」として流通し、市場関係者に知られている(写真3)。
 収穫後は、個々の農家が作業倉庫で等級(L級、A級、2L級、Ⓐ)を目視確認により選別した後、専用のコンテナでJAに搬出し、中京地区を中心に、京阪神、関東などの各市場に出荷している(写真4)。

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3 部会の取り組み・販売活動

 令和2年には、各地域にあった豆の生産者組織を統一したJA紀州豆部会(部会員数821人)を設立し、JA紀州ブランドとして生産販売対策に取り組んでいる。
 部会活動として、出荷ごとの品質検査や地区別目揃めぞろえ会を開催し、出荷物の統一化を図っているほか、定期的な現地検討会や勉強会の開催、JAの営農情報システムを活用して栽培管理や病害虫の発生状況などの情報提供を行うことで、品質向上を目指している。さらに、安全・安心な農産物を提供するため営農情報システムを用いて生産者個々の防除履歴を管理し、定期的に残留農薬検査も実施している。
 食育や消費宣伝活動にも力を入れており、食育では小・中学校や幼稚園・保育園、老人ホームなどへのさやえんどうの提供、消費宣伝活動においては、消費者や現地販売員の方々に産地にお越しいただいての収穫体験やテレビやラジオなどのメディアの取材対応を行っている。
 また、安定価格での販売による生産者の収入確保を目指し、市場との情報交換を密にし、需要期や出荷最盛期には、消費宣伝を積極的に行っている。
 高齢化などにより生産者は減少しているが、JAの無料職業紹介事業の活用や団塊ジュニア世代の方を対象とした栽培講習会などを開催し、現在の生産量を堅守できるよう取り組んでいきたいと考えている。

4 3月8日は「さや(きぬさやえんどう)の日」

 ひな祭りに需要が高まるきぬさやえんどうは、ハウス栽培の出荷最盛期と「3(さ)8(や)」の語呂合わせから、3月8日を「さやえんどうの日」として一般社団法人日本記念日協会に認定されている。
 きぬさやえんどうは春の訪れを感じさせる爽やかな味わいで栄養価も豊富であり、需要が伸びるよう今後もさまざまなPR活動に取り組んでいきたい。

5 さやえんどうの簡単でおいしい食べ方

~シャキシャキ きぬさやえんどうでヘルシーお好み焼き~
 
■材料(15センチの大きさ4枚分)
生地
 木綿豆腐・・・・・・1丁(400グラムほど)
 片栗粉・・・・・・・大さじ2
 だし汁・・・・・・・大さじ3
 塩・・・・・・・・・小さじ1
 卵・・・・・・・・・中サイズ1個
 しょうゆ・・・・・・小さじ2
 
具材(好みで調整してください)
 きぬさやえんどう・・40グラム(中サイズ15本ほど)
 にんじん・・・・・・きぬさやえんどうと同量くらい
 ツナ缶・・・・・・・70グラム(ミニ缶1個の油も入れる)
 プロセスチーズ・・・30グラム(今回は6ピース入りのチーズを2個使いました)
 すりごま・・・・・・大さじ2
 かつお節・・・・・・10グラム片手に軽く乗るくらい
 
■生地の作り方 
1 筋を取ったきぬさやえんどうは、食感を感じられるように少し大きめにカットする。チーズは小切り、にんじんは細切り、豆腐はキッチンペーパーに包み、水を切る。
2 木綿豆腐をまんべんなくつぶし、生地の材料を混ぜ合わせる。
3 生地に具材を合わせて全体をしっかり混ぜると、生地がまとまります。ごまはすりごまを、かつお節は手でもみほぐしながら入れる。
 
■焼き方
1 フライパンに生地を中央に高く盛るように入れて、周りだけを丸く整えて焼き目を付ける。
  注:生地をはじめに大きく広げ過ぎると返しにくいため、小さめに広げてください。
2 片面が焼けたらひっくり返して、優しくフライ返しで厚さを薄くし、ふたをして中まで火を通す。熱を加えても、きぬさやえんどうのシャキシャキとした食感が残っておいしいお好み焼きの完成です(写真5)。

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◆一言アピール◆

 春の訪れを告げるきぬさやえんどうは、その独特の甘みとシャキシャキとした食感が人々を魅了します。豊富な栄養価は、ビタミンやミネラルをたっぷり摂取できるだけでなく、美しい彩りと爽やかな風味を楽しむことができます。
 ひな祭りのちらし寿司に欠かせないほか、卵とじやソテーにするとおいしく、料理のメニューに華やかさを添えます。
 春を感じる特別なひとときを演出するきぬさやえんどうを、ぜひご賞味ください。

◆お問い合わせ先◆

担当部署:紀州農業協同組合 みなべ営農販売センター
住  所:〒645-0001 和歌山県日高郡みなべ町東吉田602-1
電話番号:0739-72-1174
FAX番号:0739-72-5299
ホームページ:http://ja-kisyuu.or.jp/