十和田おいらせ農業協同組合(以下「JA十和田おいらせ」という)は青森県の東部に位置し、主要都市の青森市へは60キロメートル、八戸市へは30キロメートル、空の玄関口三沢空港へは20キロメートルの位置にある。
平成20年に十和田市農業協同組合、ももいし農業協同組合、下田農業協同組合が合併してJA十和田おいらせが誕生した。さらに、22年4月には八甲田農業協同組合、横浜町農業協同組合、はまなす農業協同組合と合併し、2市5町3村に及ぶ広域JAとなった(図1)。JA十和田おいらせの組合員数は、令和4年4月現在1万1451人(うち正組合員6235人、準組合員5216人)である。
JA十和田おいらせの北部地域は、恐山や
釜臥山を代表する山間部が多く、南部地域は平たんな台地(海抜65メートル)で、西方に八甲田連峰がそびえ、十和田湖を源とする奥入瀬川が流れる自然豊かな環境を誇っている。
本店のある十和田市の気候は、年平均気温が10.2度、年間降水量が1060ミリメートルであり、冬は晴天の日が多く、県内では積雪量が少ない地域である。しかし、6月から7月にかけてはオホーツク海高気圧による「やませ(冷たく湿った東寄りの季節風)」が吹くことがしばしばで、気温が平年より5~6度も低い日が続き、農作物に大きな被害をもたらすこともある。
農業形態をみると、北部地域は酪農を中心とした畜産農家が多く、南部地域は稲作を中心に畑作、野菜、畜産などといった、気候や土壌などの環境条件に適合した多様な経営形態が形成されている。
JA十和田おいらせの令和3年度の販売金額は、米穀類38億6000万円、野菜65億1000万円、畜産41億4000万円などとなっている。野菜では、ながいも14億8000万円、にんにく15億4000万円、だいこん10億円が主力であり、この3品目で野菜全体の約6割、だいこんについては野菜全体の15%を占めている。