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産地紹介 野菜情報 2022年5月号

鹿児島県 JAいぶすき 全国トップクラスのグリーンピース産地 ~食感が柔らかく、甘みが強い「まめこぞう」を栽培~

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いぶすき農業協同組合 本所 販売課 田代 国吉
まめこぞう

1 産地概要

 鹿児島県のいぶすき農業協同組合(以下「JAいぶすき」という)は、薩摩半島の最南端に位置し、鹿児島市喜入(きいれ)地区、指宿(いぶすき)市全域(指宿地区、山川地区、開聞(かいもん)地区)、南九州市頴娃(えい)地区の3つの市にまたがっている(図1)。年間平均気温は暖流の影響で約18度と、温暖な気候である。一帯は、砂蒸し温泉やそうめん流しなどが有名で、多くの観光客でにぎわっている。

図1 JAいぶすきの位置図

 指宿市では、そらまめ、スナップえんどう、オクラの栽培が盛んで、日本一の生産量を誇る産地である。夏場はオクラ、さつまいも、すいか、スイートコーンなどを栽培し、冬場はそらまめ、グリーンピース(実えんどう)、スナップえんどう、キャベツなどを栽培している。山川地区・開聞地区においては、開聞岳の噴火の影響で土壌が礫(れき)土壌となっており、水はけが非常によい畑が多く、栽培に適した環境である。
 JAいぶすきにおける野菜の令和3年度主要品目取扱実績は、次の表、図2の通りである。その中で、グリーンピースの生産量は172トン、販売額は約1億1900万円となっている。

表 令和3年度JAいぶすき主要品目取扱実績


図2 令和3年度JAいぶすき主要品目数量の割合
 

2 品種の特色

 JAいぶすきでは、温暖な気候を生かし、冬でも露地栽培によりグリーンピースを生産している。管内のグリーンピースは主に、「まめこぞう」と「スーパーグリーン」の2品種をメインに栽培している。「まめこぞう」は、鹿児島県の育成品種であり、平成25年からの試験栽培に参加した地元指宿市の山川高校の生徒が命名した(写真1、2、3)。名前は、「ま」んまるで、「め」っちゃあまい、「こ」どももだいすき、うまい「ぞう」―の言葉から考案されている。「まめこぞう」は、従来の品種より食感が柔らかく、甘みが強くて豆臭さがないのが特徴で、子供でも喜んで食べることができる品種である。

写真1 試験栽培に参加した地元の山川高校の生徒と生産者


写真2 生産者から収穫の指導を受ける山川高校の生徒


写真3 「まめこぞう」の圃場

3 収穫・出荷

 冬から春にかけて生産されるグリーンピースは出荷シーズンが長く、10月下旬から始まり4月下旬まで続く(図3)。収穫後は、生産者がコンテナで選果場に持ち込む。選果場では職員の手作業により選果・選別され、2キログラム段ボールにより出荷される(写真4)。

図3 JAいぶすき グリーンピース(実えんどう)の出荷時期


写真4 選果場で箱詰めされたグリーンピース

4 販売戦略

 販売戦略では、早期多収の「まめこぞう」と晩期多収の「スーパーグリーン」を使い分けながら、できるだけ長く出荷できるように品種リレーを行っている。
 栽培では、登録農薬のローテーション散布や散布機の洗浄の徹底など、生産部会全員で基本をきちんと行うことで食の安全・安心に取り組んでおり、その品質は市場関係者や消費者などに高く評価されている。また、生産量も全国トップクラスであることから、管内で生産されるグリーンピースは県を代表する農畜産物に与えられる「かごしまブランド」にも選ばれている。

◆一言アピール◆
 JAいぶすきは、全国でも有数の豆類の産地であることから、消費者の皆様に安全・安心なグリーンピースを届けられるように、これからもさまざまな取り組みをしていきたいと考えています。お近くの量販店で見かけた際はぜひご賞味ください。
 また、JAが経営する直売所「あっど!いぶすきみのり館」ではJAいぶすき管内の旬の農産物を販売しているので、近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

◆お問い合わせ先◆
 担当部署:いぶすき農業協同組合 本所 農産部 販売課
 住  所:〒891-0514 鹿児島県指宿市山川大山3332
 電話番号:0993-35-3414   FAX番号:0993-35-3419
 ホームページ:http://ja-ibusuki.or.jp/