(1)栽培について
『豆王』を栽培するにあたり、当部会では健康な土作りを意識し、ミネラル・有機質肥料に重点を置いた減化学肥料栽培(ミネラル栽培)を実施。施肥基準を設けることで、部会内品質の統一を図っている。また、トレーサビリティシステム(農薬使用履歴管理システム)を用いて農薬の適正使用を徹底している。
えだまめの生育は
播種から収穫まで約90日かかる。利根沼田地域の気候では、3月上旬から始まる定植は4月いっぱいまで小トンネルを掛けて、降霜などの低温対策をしながら栽培を行っている(写真2)。この時期は、
圃場によっては直接播種することはせず、事前にハウスなどで育苗した苗を定植することでスムーズな生育を促している。
5月以降は、トンネル栽培の必要がなく、マルチを張った圃場に直接播種することで十分に栽培が可能である。10アール当たりおおよそ6000粒の種(苗)を用意する。品種によっては2粒播きをすることにより、増収を見込める品種もある。
生育期間中は定期的に病虫害防除を行って栽培管理をする。えだまめはカメムシによる被害が特に多く、さやに口針を刺すことで栄養を吸われてしまう。カメムシに吸われたえだまめは成長不良を起こし、健全なえだまめにならないため、カメムシ発生前からの防除がポイントになる。また、開花期には葉面散布材などの追肥を行うことで、収量の増加、品質の向上に期待できる。
当部会では10アール当たり約1000キログラムある収穫量に対し、750キログラムの出荷量を見込んでいる。
(2)収穫・出荷について
食味を保つために鮮度保持を意識した収穫・出荷方法を取り入れている。
ア 収穫時間
直射日光が当たる日中の時間帯を避けて、早朝か夕方の収穫作業を行う。
イ 荷作り作業
(ア)収穫~袋詰め
収穫後から時間を置かずに豆落とし・粗選別・洗浄・乾燥・選別・袋詰めと迅速に作業を進める(写真3、4)。袋詰めまでの作業が済んだえだまめは翌日の出荷に備えて、保冷庫で保管(5度前後)する。出荷袋には鮮度保持フィルムを使用することで品質の低下を抑止している。また、『豆王』には赤色袋(青豆系統)と金色袋(茶豆系統)の2種類があり、食味のテイストが異なる品種毎に袋を使い分けている(写真5)。
(イ)梱包
出荷当日、保冷しておいたえだまめを畜冷材入りの発泡スチロールへ入れて梱包を行う。1箱当たり20袋入り (1袋250グラム)。
ウ 出荷
JA検査員による無作為抽出での検品を行う。検査は当部会が定める出荷規格要領に沿って行われる。
○主な検査項目
形状・熟度・色見・量目・
小莢・傷み・病害・異物混入など
前述の方法で栽培し、検査を通過した物が『豆王』として商品化される。出荷先は京浜市場を中心に、群馬県内や関西方面など多方面に出荷している。
◆一言アピール◆
『美味しいえだまめを消費者に届けたい』という生産者の強い思いから『豆王』が生まれ、約25年間研究を重ねながら栽培に取り組んできました。今後も品質を第一に考え、安心・安全で高品質なえだまめの出荷を行ってまいります。例年、7月になると出荷が本格化し、食味の良いえだまめが続々と出荷されます。スーパーなどで見かけた際は、ぜひとも手に取っていただき、生産者自慢のえだまめ『豆王』をご賞味ください。
◆お問い合わせ先◆
担当部署:利根沼田農業協同組合 指導販売部 指導販売課
住 所:群馬県利根郡昭和村森下2809-1
電話番号:0278-50-6112 FAX番号:0278-24-7485
ホームページ:http//www.jatone.or.jp