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産地紹介 野菜情報 2021年6月号

青森県 JA八戸 ~生産者が繋ぐ持続可能なピーマンの 産地形成を目指して~

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八戸農業協同組合 営農部 販売課 副調査役 髙橋 一男
ピーマン
 

1 産地の概要

 八戸農業協同組合(以下「JA八戸」という)は、平成21年4月に旧JA八戸広域、旧JAしんせい五戸、旧JAまべち、旧JA田子の4農協が合併した農協である。青森県の南東部に位置し、東側に太平洋に面する八戸市があり、西側は秋田県、南側は岩手県に隣接しており、中山間地域から沿岸都市部までの7市町村を管内としている(図1)。

図1
 
 気候の特色は、太平洋側から吹く偏東風「やませ」の影響により夏季は沿岸部を中心に低温が続く場合があり、冷害の原因となる。中山間部においては昼夜の寒暖差が大きく冬季の降雪量は青森県内では少ない地域である。このため管内では耕作地域の気候や地形などの特色に合わせ、ながいも、にんにくなどの畑作を中心に水稲、園芸、果樹、花き、畜産・酪農との組み合わせによる複合経営が盛んである。正組合員数は1万947人で出荷農家にて構成される野菜総合部会は1478戸、11専門部を構成する。その中のピーマン専門部員数は343人である(令和2年度実績)。
 令和2年度のJA八戸農畜産物販売金額は92億9900万円であり、うち野菜販売金額は61億5000万円、その中のピーマンの販売額は6億5800万円で野菜販売金額の10.7%となる。
 管内特産品には青森県が生産の中心となるながいも、にんにくのほか倉石牛・田子牛、紅玉(りんご)、ゼネラル・レクラーク(洋梨)、ジュノハート(おうとう)、食用菊など全国的に希少な品目がある。

2 栽培概要

 JA八戸管内では、ながいも、にんにく、ごぼうなどの重量野菜を中心に生産しているが、生産者の高齢化が進む中、重量野菜からの転換品目として、ピーマンの生産に着目し、特に女性生産者中心に軽量夏秋野菜振興作物として力を入れてきた。女性生産者の作付け意欲の高さや管理・選果作業の丁寧さから市場評価も高まる中、平成22年には指定産地となり、24年には葉たばこからの転換により作付面積、生産者数が増加している。その後、市況単価が低迷する中で作付面積は減少傾向となったが、販売単価が安定している近年では重量野菜からの転換だけではなく、初期投資が少なく管理・収穫・選果がしやすい品目として新規就農者の作付品目の柱となっているほか、休耕地を借り受け作付規模拡大をはかる生産者も増加し産地維持の一助となっている。
 作型としては、自家苗および種苗会社からの購入苗を使用した不織布被覆による促成・半促成露地栽培が主体で、フラワーネット誘引による倒伏防止、整枝による栽培管理、肥培管理と規格内収穫の徹底により樹勢の維持に努め、夏秋ピーマンとして平均単収6トンを目標としている(図2、3、写真1~8)。

図2

図3

写1-8

3 産地維持拡大に向けた取り組み

 JA八戸では振興作物の中の一つとしてピーマンの新規作付け募集に力を入れ、まずは「産地化」に重点を置いた。その中で新規作付や土づくりに欠かせない土壌診断への助成を行っている。この助成は、新規で取り組みやすい環境を整えることを目的とし、具体的には、新規作付者を対象とした栽培講習会を開催し、作付準備段階からの指導をきめ細やかに行うことで、作付初年度からの高品質・安定生産を実現している。さらに、定植後には、JA、県普及振興室、種苗メーカーなどと協力し圃場(ほじょう)での現地栽培講習会を開催することにより、栽培年度の肥培管理や病害虫防除管理をより的確に指導できるよう体制を整えている。
 部会組織の編成に関しては地区営農センターごとにピーマン専門部地区支部を組織し、各地区の代表者をもってピーマン専門部本部組織を構成している。このことにより栽培情報の共有や発信、各地区の状況に適した栽培講習会が迅速に開催できるほか、生産者同士の一体感や栽培に対する熱量を高めることに繋がっている。
 長期的視点では八戸市農業振興センターの協力による品種比較試験や資材比較試験の収集データを基に、作付地域の気候などにより適した品種への栽培誘導を行い、栽培技術の統一を図ることで、高品質・安定生産へ寄与している(写真9~12)。

写9-12

4 出荷体制

 出荷形態は、4キログラム段ボール(バラ詰め)と7.5キログラム段ボール(150グラム袋詰め)の2種類である。選果基準は、等級でA、B、階級でL、M、Sとし生産者が個々に収穫および選別を行う個人選別(以下「個選」という)と生産者が収穫したものを農協で預かり選別を行う共同選別(以下「共選」という)である機械共選を併用した出荷体制となっている(図4)。

図4

5 販売戦略

 JA八戸では合併当初、旧JA単位で出荷拠点が設置され、拠点別出荷体制となっていたため、旧JAでの取引を継承した出荷となっていた。そのため生産量に比べ取引市場が多く、出荷量が不安定となり、販売単価が伸びない要因となっていた。このことから取引市場あたりの販売ロット拡大のため、出荷地域と取引市場の集約化と各拠点に配置した販売担当を一本化し、日々の荷受け数量を合算し分荷することで、各取引市場での販売シェアの確保と継続安定出荷の確立を図った。
 一方では面積拡大を推進しながら生産者選果作業負担の低減と高単価販売を実現するため、自動小袋(150グラム)選果機を追加導入し、3機体制で共選を行っている。また、下位等級品についてはバラ詰め無印(4キログラム)と大袋(400グラム)を新たに設定し、農家所得の向上に繫げている。このことにより、個選中心のバラ詰め(4キログラム)と共選中心の小袋(150グラム)を販売需要に迅速に対応して継続出荷することが可能となり、有利販売に繋がっている(写真13)。

しゃ13

◆一言アピール◆
 生産の主役は地域の女性たち。JA八戸では栽培技術向上のための講習会や出荷規格統一のための目揃い会などを定期的に開催し、収量や品質向上の後押しをしますが、そこには常に多くの参加者があり、熱心に良品多収生産に向けて技術を磨く女性生産者たちの姿があります。
 JA八戸の勤勉な生産者が作る色鮮やかで食味の良いピーマンをぜひご賞味ください。

写一言

◆お問い合わせ先◆
担当部署:八戸農業協同組合 営農経済本部 営農部 販売課
住  所:〒039-1702 青森県三戸郡五戸町大字倉石中市字上ミ平19番地1
電話番号:0178-61-6333  FAX:0178-77-2959
ホームページ:http://www.ja-hachinohe.or.jp/
E-mail:kouhou@ja-hachinohe.or.jp

 



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