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産地紹介:宮城県 JA名取岩沼 ~津波被害を乗り越え栽培されるちんげんさい~

名取岩沼農業協同組合 総務部企画管理課 松尾 紗知


 産地の概要

宮城県にある名取岩沼農業協同組合(以下「JA名取岩沼」という)は、平成14年4月1日に仙台市に隣接する名取市内のJA名取市JA増田と岩沼市内のJA千貫JA玉浦JA玉浦中央の2市5JAが合併し、誕生した(図1)。

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交通ネットワークの面では、高速自動車道および東北新幹線が管内を縦走しており、さらに仙台空港もあることから、県内をはじめ首都圏などへのアクセスも良好である。販売物流面で恵まれた環境にあることから、これらを生かした地域農業の振興・確立を進めている。

都市近郊型のJAでありながら、青果物の栽培が盛んに行われており、「仙台せり」「ちんげんさい」「こまつな」「ゆきな(ちぢみゆきな)」「みょうがたけ」の5品目を「特産野菜」とし、レシピの開発や量販店での試食宣伝、情報発信などによりPRを行うなど、ブランド化に取り組んでいる。

 JA名取岩沼のちんげんさい

(1)栽培状況について

管内では昭和60年頃から栽培が始まったちんげんさいは、砂地が適するため、名取市東部沿岸部にあたるしもます地区とゆりあげ地区が主産地となっている。

年間400トン以上の出荷が続いていたが、平成23年3月、東日本大震災でちんげんさいの主産地のハウスが津波により流失し、壊滅的な被害を受けた。しかし、がれきの撤去や除塩作業などの復興活動が迅速に行われたほか、全農事業・国庫事業による両地区でのハウス再建などにより、24年春作から徐々に営農を再開。生産量を拡大しながら令和元年度には、震災前の約7割程度にまで回復した。(図2、表1)

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(2)周年出荷と出荷体制について

ビニールハウスでの栽培が中心のため、1年間を通じ9割以上を仙台市場へ出荷している。定植から夏場は1カ月ほど、冬場は1カ月半~2カ月ほどで収穫が可能である(写真1)。

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収穫の際は下葉、枯葉を取り除くほか、切り口は茎基部をきれいに切り取り、乾いた布で土などを拭きとるなどして、選別・調整している。

出荷規格は宮城県の標準規格表2に準じるが、JA名取岩沼では袋に隙間が出来ないよう満杯詰め(250グラム入りの出荷としている。

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箱詰めしたものは、鮮度を保つため生産者がJAの予冷庫内に持ち込み、その後、運送業者により市場へ運搬される(写真2、3)。

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(3)安全・安心に向けた取り組み

JA名取岩沼では、消費者に安全で安心できる農産物を提供するため、各生産者に栽培協定書と栽培履歴記録簿の記帳・提出を義務付けるとともに、ちんげんさいの袋には生産者名を印字しており、トレーサビリティー(生産履歴が追求できる仕組み)を徹底している(写真4)。問い合わせやクレームなど、万一の事態に迅速に対応できる体制も整っている。

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(4)販売促進活動

JA名取岩沼が主催し、JAの紹介や新鮮野菜の販売などをメインに開催する「やっパリ市」など、各種イベントなどに出品し、ちんげんさいの販売促進活動を行っている。レシピ作成も行い、イベントで配布するほか、当JAホームページにて掲載している(写真5)。

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一言アピール

ちんげんさいは柔らかく歯切れが良い肉厚の茎が特徴で、カロテンとミネラルが豊富で、疲労回復、胸やけにも効果的です。煮崩れしないため、炒め物、スープや煮込み料理にも最適で、中華風、和風など、どんな料理にも応用できる万能な食材です。ポリエチレンの袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存すれば、2週間程度は保存可能となります。当JAホームページには詳しいレシピも記載しているので、是非、ちんげんさい料理の参考にしてください。

お問い合わせ先

担当部署:名取岩沼農業協同組合 営農部 営農支援課
 住  所:宮城県名取市植松字入生354-3
 電話番号:022-384-2158
 ホームページ:http://www.ja-natoriiwanuma.or.jp/


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