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今月の野菜

産地紹介:沖縄県 JAおきなわ南部地区
~沖縄の太陽を浴びた夏野菜ゴーヤーの生産~

沖縄県農業協同組合南部地区営農振興センター  農産部野菜果実課 新垣 かおる


1 産地の概要

沖縄県は東西1000キロメートル、南北400キロメートルの海域に散在する大小160の島々からなり、総面積は2281.1平方キロメートルで、日本では4番目に小さな県である。気候は、わが国唯一の亜熱帯海洋性気候と称される地理的、自然的特有を有しており、年平均気温は23.9度と1年を通じて温暖である。また、年間降水量は平均2638ミリと全国と比べ降水量の多い地域である。

沖縄県では、亜熱帯地域としての特性を生かしサトウキビ・野菜・花き・果樹・家畜などの生産が多様に展開されている。野菜については農業産出額が年々増加傾向となっており、冬春期のさやいんげんやゴーヤーを中心とした野菜の県内外消費地への供給産地となっている。特にゴーヤーについては本県の野菜生産における主要品目であり、那覇市・ぐすく市・いとまん市・町・なんじょう市・ばる町・ばる町・じま町を管内とする沖縄県農業協同組合南部地区営農振興センター(以下「JAおきなわ南部地区」という)(図1)令和元年度の出荷量は979トンと、沖縄県全体(2296トン)の約4割を占めた。

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2 栽培の概要

ゴーヤーは、つる性のウリ科野菜で別名「ツルレイシ」と呼ばれ、地方野菜として親しまれ、呼び方もさまざまだが、近年では沖縄県をはじめ全国的に「ゴーヤー」の呼び方が一般的になっている。

ゴーヤーは東インドまたは熱帯アジア原産といわれおり、日本には江戸時代に中国大陸から導入された。また沖縄県には1424年に中国から導入され、栽培が始まったとされている。

ゴーヤーの栽培は施設栽培が中心で、台風の発生にもよるが9月ごろから植え付けが徐々に始まる。JAおきなわ南部地区管内の主な作型として、促成栽培と半促成栽培がある。しゅは、促成栽培の場合は月から11月にかけて、半促成栽培の場合はさやいんげんの後作にゴーヤーを植え付けることがあるため、月から月にかけて行い、どちらも約60日前後で収穫が開始となる。温暖な気候の下、さまざまな作型を組み合わせることにより、周年収穫することができ5月から7月ごろが出荷のピークとなっている(図)。作型によって異なるが、播種1カ月前ごろから土くりが始まり、播種後1週間でじょうに定植する。定植40日後に交配が始まり、定植50日後から収穫が始まる(図)。

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施設栽培のゴーヤーは、施設内の温度管理が重要であり、特に日中はハウス内の温度が急激に上がると病害虫の発生や奇形果・変形果の発生原因となるため、徹底した温度管理や水分管理を行っている。

平成27年度以降のJAおきなわ南部地区管内出荷者数および出荷数量を見ると、ともに減少傾向で推移しており、令和元年度の出荷者数は550名、出荷数量は前述の通り979トンとなっている(表)。の減少の背景には、植え付け時期や収穫時期に発生する台風の襲来、また、作物転換がる。

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3 主な品種と出荷

植え付け時期によって品種が異なり、春から夏(1月~7月)に向けて施設栽培に適している『むるぶし』や『なつさかり』、秋から冬(8月~12月)しおかぜ』、『てぃだみどり』など、品種の特徴を活かし栽培を行っている(写真1)。

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JAおきなわ南部地区管内の出荷には、共同選別(以下「共選」という)と個別選別(以下「個選」という)がある。共選の場合は収穫後、生産者がJAの各支店集荷場へ搬入すると、JAの担当者が共選場へ搬入し、そこで選別から箱詰め作業を行い出荷される(写真2、3)。個選で出荷の場合は、生産者が選別から箱詰め作業を行いJA各支店集荷場に持ちこむ。

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出荷規格は、表2の通りで県外市場出荷の場合は3キログラムの荷姿重量、県内市場出荷の場合は5キログラムの荷姿重量となり、またサイズによって箱詰め本数が異なる。

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共選場は糸満市かねぐすくに所在し、集出荷場・貯蔵施設も設置しており、JAおきなわ南部地区管内のゴーヤーを共同選別することで、一定品質のゴーヤーの出荷に取り組んでいる。約20人のパート職員が選果作業を行っており、共選ピーク時の5月~7月には日量約1トンから約3トン、年間の平均日量は約300キログラムの出荷となり、また個選も含むピーク時の日量は4トンから7トン、年間平均日量は約3トンのゴーヤーが出荷されている。

4 主な出荷先

出荷先は7~8割が県内市場であり、本県で生産しているゴーヤーは県内消費がほとんどである。沖縄県産のゴーヤーは県民に人気があり、JAファーマーズマーケットには生産者が直接搬入出荷した県産のゴーヤーが棚いっぱいに並べられ、多くの県民が来店しゴーヤーを買い求めている(写真4)。

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一言アピール

ゴーヤーには、ビタミンCが他の野菜と比べ多く含まれ、150グラム食べると1日の必要推奨量のビタミンCを摂取することができ、苦味成分には健胃と鎮静作用があり、機能性・健康野菜として全国的に消費拡大しています。ゴーヤーチャンプルーでの消費がよく知られていますが、天ぷらやジュース、サラダなどにも利用され、特に暑い夏場は夏バテ防止に効果的です。ぜひ店頭で沖縄県産ゴーヤーを見かけたら、ご賞味ください。

お問い合わせ先

担当部署:沖縄県農業協同組合 南部地区営農振興センター
 住  所:沖縄県島尻郡八重瀬町字伊覇290-1-2F
 電話番号:098-840-7800


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