愛知県 JA愛知みなみ
~やわらかな食感とまろやかな味わいのメロン イエローキング~
愛知みなみ農業協同組合 青果農産部 田原集荷センター
調査役 藤城 佑基
愛知みなみ農業協同組合(以下「JA愛知みなみ」という)は、愛知県の南部、渥美半島に位置し、田原市全域を管内として、東は豊橋市に隣接し、南は太平洋を臨み、西は伊良湖水道を経て伊勢志摩に対し、北は三河湾に面したJAである(図1)。
太平洋に面しているため、暖流の影響で冬季でも比較的暖かく、積雪は極めて少ない。年間を通して温暖で「常春」な気候が、さまざまな品目の栽培に適している。また、恵まれた気候に加え、昭和43年に豊川用水が通水したことにより、市内全域で用水型畑作と施設園芸が行われ、米、野菜、花き、果樹、畜産と多岐にわたり、特色ある農畜産物を供給している。
JA愛知みなみの令和元年度の総販売高は419億円であり、そのうち青果物に関しては、キャベツ、ブロッコリー、トマト類を中心に約144億円の販売高がある。
その中でも、イエローキングを中心とした露地メロンを栽培する田原露地メロン部会には、約30年の歴史があり、62人の生産者が在籍している(令和2年度現在)。約30ヘクタールの作付面積から、年間20万ケースを超える出荷があり、販売高は約3億2000万円である。主な出荷先は中京から関西方面であるが、近年は関東圏への出荷も増加している。
露地メロンには、タカミメロンなどのネット系メロンや、ルピアレッドなどの赤肉系メロンなどのさまざまな品種があるが、田原露地メロン部会で最も多く栽培されているのが、果皮が黄色くネットのない、イエローキングという品種である(写真1、2)。
この品種は全国でも栽培している産地が少なく、大きな特徴は追熟がいらず、収穫したその日から食べられることである。ほかの多くのメロン品種と違い、圃場で熟してから収穫し、収穫後は追熟しにくいという特性がある。そのため、購入してから食べ頃になるまで日を置くことがないのである。
JA愛知みなみのイエローキングは、約65%が露地、約35%がハウスで栽培されている。ハウス栽培では着果から登熟(出荷)までの期間が、ネット系メロンと比較すると短いため、管内で栽培しているメロンの中で一番始めに収穫される。
栽培体系は1月からハウス内で播種・育苗が始まり、4月下旬からハウス栽培の収穫が始まる(図2、写真3)。5月下旬からは、露地トンネル栽培のイエローキングの収穫が始まるため、シーズンを通して切れ目なく安定的に出荷が可能となる。
4月下旬から7月末までの出荷期間は、朝、生産者が収穫したメロンは、夕方までにJAの集荷場へ搬入され、翌朝、卸売市場へ配送している。出荷規格は箱満杯詰で、階級は5Lから2Sとし、等級は秀品、○秀品、優品の3つである(表1)。秀品は、形状、色沢などの品質特性を備え、病害虫のない熟度適切なものとしてる。また、生産者がJAの集荷場へ搬入する際は、毎回必ず1玉を無作為に糖度検査し、部会の基準を満たしていることをJA職員が確認することになっている(写真4)。
各部会員は、花が咲いて交配した日を記帳し、そこから計算した収穫予定日と、圃場面積から推測される収穫ケース数量をJAに報告している。JAは、そのデータを基に出荷計画を作り、市場などの販売先と情報共有することで、売り易い環境作りに努めている。
計画出荷に加えて、定期的な目揃会の開催による適期収穫、一元集荷による検査体制の構築により品質の均一化と品質向上が可能となり、有利な販売を目指している。さらに、消費拡大につながるよう量販店などでの試食・対面販売を行い、販売強化にも努めている(写真5)。
◆一言アピール◆
イエローキングは、独特の歯触りがあり、爽やかな食感が楽しめるメロンです。さっぱりとした甘さが年代を問わず人気があります。購入してからの日持ちも良く、ご家庭で食べるだけでなく、贈答用としてもお喜びいただけます。
6月末頃までの期間限定ではありますが、JAあいち経済連の「JAタウン」を通じて、全
国への配送も行っておりますので、是非「お取り寄せ」してみて下さい。
◆お問い合わせ先◆
担当部署:愛知みなみ農業協同組合 青果農産部 青果販売課
住 所:441-3613 愛知県田原市古田町岡ノ越6番地4
電話番号:0531-34-0040
FAX番号:0531-34-0044
ホームページ:http://www.ja-aichiminami.or.jp/