[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ

今月の野菜

JAいるま野~柔らかくシャキシャキとした食感が特徴の「JAいるま野みずな」~

いるま野農業協同組合 販売部 販売推進課 関 雅斗


1 産地概要

いるま野農業協同組合(以下「JAいるま野」という)は、埼玉県の南西部に位置し、都心から30~60キロメートルの首都圏にあり、総土地面積は6万9843ヘクタールと埼玉県内の約18.5%を占める地域を事業区域としている。この地域は、10市3町(川越市、所沢市、飯能市、狭山市、入間市、富士見市、坂戸市、鶴ヶ島市、日高市、ふじみ野市、三芳町、毛呂山町、越生町)からなっており、平成30年3月1日現在の総人口は160万8000人、世帯数は68万4000世帯となっている(図1)。

028b

管内を概観すると、西部は秩父山系に連なる山岳丘陵地帯で、ここを源として、越辺川、高麗川、入間川の河川が東流し荒川に合流しており、東部は、堆積された肥沃な水田地帯を形成しており、中部から南部にかけては、加治・狭山丘陵の入間洪積台地で畑地帯となっている。また、多くの遺跡、史跡、城下町の町並みや奥武蔵自然公園のような豊かな自然を有しており、埼玉県内はもとより首都圏の人々のオアシスとなっている。

また、管内の平成29年の農畜産物取扱販売金額を見ると、全体の販売額が106億円のうち、野菜が98億円と全体の90%を占め、野菜栽培が盛んな地域である(表1)。野菜の中では、さといもが最多で次いでほうれんそう、えだまめが続き、みずなは7位となっている。

029a

2 みずなの生産経過

みずなは20年前の平成10年ごろは、関東地方ではほとんど栽培されることはなく、高級食材として京都産の京みずなが、デパートや量販店などの青果売り場で少量が取り扱われる程度だった。

JA管内では、13年に埼玉県産のみずなが安定供給できないかと考え、3戸の生産者が作付けしたのがJAいるま野一元共販連絡協議会みず菜部会(以下「みず菜部会」という)のスタートとなった。もともと、施設でちんげんさいを栽培していたが、苗からの定植で生育期間を短くし畑の回転率を高めることで安定的な収穫が見込め、冬場でも需要があり価格も安定していること、また、他産地でもあまり栽培をしていない点からみずなの栽培を開始した(写真1、2)。

029b 029c

当時の販売について聞くと、関東では知名度も低く食べ方もわからない点や、京みずなの高級食材としてのイメージもあり、一般量販店ではほとんど取扱いはしてなかったが、他の作物にはない味やシャキシャキとした食感で、使用用途も広く新しい野菜ということで注目された。

その後、販売促進活動を重ねることにより、食べ方も少しずつ知られるようになってきた。さらに大手食品メーカーとの提携によりテレビコマーシャルにも取り上げられたことで、関東ではみずなの知名度が一気に上ることになり、需要が増えるとともに栽培面積や生産者数が増えた。

3 生産者数・栽培面積・出荷規格

管内のみず菜部会の生産者数(平成29年度)は47戸、栽培面積は42ヘクタールとなっている。

ハウスを利用した施設栽培が中心で、春から秋にかけ露地でも栽培されているため周年での供給をしている(図2)。ハウス栽培では、定植を行い、露地は、直き栽培を行っている。ハウスでは、年に4~5回栽培を行い、露地は、年に3回栽培を行っている。

030a

規格は、表2の通りである。いちばん多い規格は、AMで半数以上を占めている。 また、パッケージ袋(FG)には安全・安心をモットーに、生産者個々の氏名を掲示し顔の見える商品として出荷を行っている(写真3)。

030b

031a

また、主に市場向けに出荷しているが、ハウス栽培の一部のものは、菜・加工向けのバラ出荷も行っており安定供給が可能なため好評を頂いている。

市場向けの出荷は、主に地元埼玉県内や京浜市場への出荷が多い。

4 品質向上の取り組み

作柄状況の把握とデータ収集を行い、有利販売に活用している。また、みず部会では、今まで個々の生産者で栽培管理が違、品質にもバラツキがあったため、平成29年度より栽培基準表を作成し、しゅから栽培管理、収穫から出荷までの工程をまとめたものを部会員で共有し、生産技術の向上と品質の向上を図っている。また、出荷品確認会などを実施し、出荷品での生産者間のバラツキをなくすようにしている(写真4)。

031b

JAでは、首都圏近郊の一大野菜供給生産地として、消費者が安心して食べられる、安全な農産物の供給を行うため、市場向け野菜をはじめとして、生産者組織とJAが一丸となった「農産物の生産履歴記帳運動」を実施し、みずなについても生産履歴記帳を励行しているところである。また、定期的に自主残留農薬検査を実施し、安全・安心な野菜の供給に努めている。

一言アピール

JAいるま野のみずなは、柔らかくシャキシャキとした食感が特徴で、サラダや鍋、中華など幅広い料理に使え、緑色が料理を引きたたせます。ベータカロテンやビタミンCが豊富で、風邪の予防にも効果的なので、ぜひ一度JAいるま野のみずなをご賞味ください。

お問い合わせ先

 担当部署:いるま野農業協同組合 販売部 販売推進課
 住  所:350-1155 埼玉県川越市下赤坂1805-126
 電話番号:049-227-6154 FAX 049-257-6681
 ホームページ:http://www.ja-irumano.or.jp


今月の野菜
元のページへ戻る


このページのトップへ