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今月の野菜

産地紹介:鹿児島県 JA種子屋久たねやく
~しっとりとした食感とクリーミーな甘さの「 種子島産安納あんのういも」~

種子屋久農業協同組合 企画管理部 管理課 鮫島 友平


1 産地の概要

種子屋久農業協同組合(以下「JA種子屋久」という)は、鹿児島県の南に位置する種子島、屋久島、およびくちのえじまを管内としており、年間を通して温暖な気候に恵まれているものの台風の常襲地域でもある(図1)。

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種子島では、本場の安納いもをはじめ基幹作物のサトウキビ、日本一早い早期米、ブーケや花束の添え葉として広く利用されているレザーリーフファン、スナップえんどうなどの豆類の栽培が盛んで、屋久島では、タンカン、ポンカンの栽培が盛んな地域である。

種子島の安納いもは種子島全域で栽培されており、安納いも産地の本場として、栽培・品質管理の徹底を図り、高品質の安納いもを出荷している。

現在は、生産者の高齢化が進んでいるが、326戸、栽培面積244ヘクタール、生産量約5400トンと、全国でも有数の産地となっている。貯蔵ができ、加工品(冷凍焼き芋)としても出荷できることから地域の主要の農産物となっている。

種子島の青果用かんしょは、「安納紅」、「安納こがね」、「種子島ゴールド(紫芋)」の品種を栽培している。種子島の土壌は、潮風から運ばれたミネラル分が長い年月をかけて土壌中に蓄積されているため、安納いも栽培に適した豊富なミネラル分により甘い芋ができると言われている。

2 安納いものルーツと歴史

安納いものルーツは、第2次世界大戦後に、スマトラ島北部のセルダンという地域から兵隊が持ち帰った1個の芋を島内で栽培しはじめたのが始まりだと言われている。その芋は糖度が高く、食味が良かったことから、西之表市の安納地域から島内全域に栽培が拡大した。そのため、安納地域の名称を取って「安納いも」と呼ばれるようになった。

消費者のかんしょの甘さに対する評価が高まるに伴い、かんしょの競合産地が味に特化した取り組みを進め、高糖度品種の登場により本場安納いも産地も正念場を迎えた。在来の安納いもは、個体間差が発することがあり商品性に乏しかったことから、島内で作られていたさまざまな安納いもを収集し、平成元年から優良品種の選抜育成に取りかかり、平成10年に「安納紅」(写真1)と「安納こがね」(写真2)を品種として登録し、翌年の平成11年には「種子島ゴールド」(紫いも)(写真3)の品種登録をした。

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また、安全・安心でおいしい安納いもをお届けするため、22年に種子島の3市町(西之表市、中種子町、南種子町)と鹿児島県、当JAによる「安納いもブランド推進本部」を設立し、栽培技術の向上はもとより、品質基準を島内で統一して生産管理・出荷する取り組みも行っている。

3 栽培の概要~安全・安心で品質へのこだわり~

安納いもは、4~6月定植、8~11月収穫の作型で生産が行われている。種芋で維持・増殖を続けたかんしょは、ウィルスや病気に侵され、品質や生産力が低下するため、ウィルスフリー苗(バイオ苗)を用いている。

栽培については、当JA管内のすべての生産者は、鹿児島県の農林水産物認証制度(K-GAP)を取得し、統一された肥料・農薬を使用し、安全・安心な安納いも栽培に取り組んでいる(写真4)。また、一部の部会員は、より高度なJGAPも取得している。

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なお、収穫後には、毎年安納いも品評会を行っており、色・味・形の優れたものを選抜し、栽培技術と品質の高位平準化を図っている(写真5)。

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4 出荷の工夫

収穫は、マルチ栽培は定植後120日、露地栽培は定植後140日を目安として晴天日に堀取り作業を行っている。堀取り作業は、主に収穫機で行っている。同じ圃場、同じ定植日でも、収穫時の土の水分状態が糖度に影響する。

安納いもは、1カ月程度貯蔵することで糖が安定して甘くおいしくなることから、温度が13~15度、湿度が90%以上の貯蔵条件のJAの集荷場において、1カ月程度の貯蔵品質管理後に、出荷を行っている。また、出荷の際は生産履歴簿に使用農薬などの記入・提出を徹底し、安全・安心な出荷を心懸けている。

5 販売戦略

種子島産こだわりのかんしょの消費拡大と顧客の確保を図るとともに、消費者との心の通った販売を構築するため販売促進も行っている。

また、お客様に直接お届けするゆうパック・ふるさと便なども行い安納いもの知名度拡大を図っており、青果用に加え、加工品(冷凍焼き芋)の販売も行うことで年間通して供給できるよう取り組んでいる(写真6)。

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一言アピール

種子島の土壌は、潮風から運ばれたミネラル分が長い年月をかけて土壌中に蓄積されているため、安納いもの栽培に適しており、しっとりとした食感とクリーミーな甘さが特徴の芋ができる。食物繊維やビタミンC、カロテンなど、健康に良いと言われる栄養素と成分が多く含まれているので、見かけたらぜひ、ご賞味ください。

お問い合わせ先

 担当部署:種子屋久農業協同組合 本所 経済部 営農販売課
 住  所:891-3604 鹿児島県熊毛郡中種子町野間5281番地
 電話番号:0997-27-1218 FAX番号:0997-27-0359
 ホームページ:https://www.ja-taneyaku.or.jp/


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