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今月の野菜

秋田県 JAあきた白神
~香りとみずみずしさが特徴の白神みょうが~

あきた白神農業協同組合 営農部販売課 小林 剛


1 地域の概要

あきた白神農業協同組合(以下「JAあきた白神」という)は、秋田県北西部に位置するしろ市・ふじさと町の2市町を管内とし、世界自然遺産として名高い「白神山地」を背に、東西に伸びる地形となっており、その面積は、708.73平方キロメートルで秋田県全体の約6パーセントを占めている(図1)。地形的には米代川下流の平野部と北東部の山岳丘陵地帯、日本海沿岸部などからなり、土壌分布も黒ボク・グライ・砂質土壌と変化があり、農家経営内容は米を主体とした複合経営が中心である。

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JAあきた白神の平成29年度の販売額は、米36億9830万円(全体の62.3%)、農林産品19億880万円(同32.2%)、畜産2億970万円(同3.5%)、大豆・雑穀1億1760万円(同2.0%)となっている。

複合作物としては、ねぎ、みょうが、キャベツなどの土地利用型野菜のほか、秋田県・能代市・藤里町の支援のもと りんどう栽培やトマト・ちんげんさいなどのハウス栽培も積極的に行っている。また冬期間の収入を目的とした促成アスパラガス、山うどなどの作目導入も進めており、周年的な農業の振興を図っている。

2 みょうがの栽培について

JAあきた白神では、管内で栽培されるみょうを白神ブランドとして商標登録し、「白神みょうが」と称している。

白神みょうがは、JAあきた白神を代表とする青果物で、全国有数の産地であり、昭和57年からは販売金額1億円以上を見込む青果物となった。部会員は、現在137人、平成29年の出荷量は、112トンである。

20年前後から高齢化により生産者や作付面積の減少、根茎腐敗病の発生などにより、出荷量は大きく減少した。しかし、最近は白神ブランドとして有利販売することができ、販売単価が安定したこともあり、28年度の販売金額は億1611万円、29年度は億2994万円となり、増加傾向で推移している。

3 みょうがの栽培暦

作型としては、普通栽培と早取り栽培(被覆資材利用によるべたがけ)がある(図2)。普通栽培、早取り栽培ともに、4月に植え付けを行い、その後、敷きわらを行う、敷きわらは、雑草の抑制や乾燥防止、夏期の地温上昇抑制のために行う。1年目は、ほとんど収穫しないため、施肥後、敷きわらの厚さはセンチ程度と厚めに行う。4月中旬に、じょう10アール当たり、水田30アール分の稲わらを敷く。

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早どり栽培では、収穫を早めるため、4月上旬に敷きわらの上にパスライト(注1)や、古ビニールなどを被覆し保湿するべたがけを行う。4月下旬以降は高温になりやすいのでビニール資材使用時は注意する。畑の所々に芽がでてきたら、資材の除去をする。

なお、みょうがは、多年草のため、一度植え付けをすると年目以降はそのまま栽培を継続することができる。

香りとみずみずしさが特徴の白神みょうがであるが、安全・安心な農産物であるための証明である生産履歴用紙の記入の徹底はもちろんのこと、月間の作業をチェックできる栽培履歴管理カレンダーを生産者へ配布し、栽培方法や敷きわらの時期などを周知し、消費者からの問い合わせなどに迅速に答えられる体制を整備している。

注1:農業用不織布資材

4  白神みょうがの出荷について

白神みょうがは、7月下旬から10月上旬が出荷時期で、主に関東、東北の各市場へ出荷している(写真1、2)。

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出荷規格は、50グラムパックA・B等級、500グラムFG(注2)B・C等級が主要規格となっている(表)。調製・選別作業は、各農家が個別に行い、集荷場に持ち込んでいる。

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労働力に関しては、JAではJAあきた白神無料職業紹介所(以下「無料職業紹介所」という)を開設し、高齢化や農業者の減少により生産農家に、管内外から農作業を支援できる求職者を紹介している。無料職業紹介所は、労働力不足に悩む生産者の、求人を依頼する作物や作業内容、雇用期間、賃金形態などをシステムに登録する一方、求職者からも申し込みを受け付け、JA担当者が希望条件に合うよう仲介・あっせんすることで、各農家への労働力不足を補っている。

注2:穴の空いた袋で、防曇性と透明性に優れた野菜用袋。

5 白神ブランドの確立

JAあきた白神では、白神みょうがの他に管内で栽培される米、ねぎ、キャベツをそれぞれ白神ブランドとして、「あきた白神米」、「白神ねぎ」、「白神きゃべつ」をそれぞれ商標登録し、ブランド化を図っている。また、「白神山うど」、「比内地鶏」も地域団体商標登録を行っており、有利販売を図っている。

みょうがは、ショウガ科ショウガ属に属し、しょうがの仲間で香味野菜として、古くから親しまれている。さわやかな芳香とさっぱりとした辛みがあり、主に料理のつま物、薬味として、また吸物用、漬物用として利用され、地元では生のまま味噌をつけて食べたり、おひたしとしても多く食べられる。

栄養価は特に高くはないが、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維などを含み、熱を冷まし、解毒効果があり、夏バテ予防に効果があるといわれている。

また、みょうがのマークを入れた白神みょうがポロシャツを作り、量販店などでの販売促進に生かしている(写真3)。

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一言アピール

当地では、安全安心でおいしい白神みょうがを生産しております。露地みょうがの日本一の産地としてこれからもがんばっていきます。夏バテ防止にさわやかな香り、露地みょうが特有の柔らかさとシャキシャキとした食感を、ぜひ、ご賞味ください。

お問い合わせ先

 担当部署:JAあきた白神 営農部 販売課
 住  所:〒016-0003 秋田県能代市荷八田字石森台49番地75
 
電話番号:0185-55-0778
 FAX番号:0185-89-6300
 ホームページ:http://akita-shirakami.jp


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