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新潟県新潟市北区木崎(なす)
~新潟県はなすの作付面積 日本一~
美しい水で育ったなすをお届けします
豊栄農業協同組合
ふれあい課 木崎ほっとコーナー
窪田 和也
砂丘地を活かした、野菜栽培
豊栄農業協同組合(以下「JA豊栄」)は、新潟県の北部に位置し、平成2年2月に旧豊栄市の木崎、葛塚、長浦、岡方の4地区の農協が合併し誕生した農協です。旧豊栄市は現在、平成17年の市町村合併により新潟市北区となりました。
北部には、日本海最大の拠点「新潟東港」を有し、南東には稀少水生植物オニバスの北限の自生地「福島潟」があります。また、全国で初めて「水の駅」を整備し、自然文化の情報発信に努め「水の郷百選」に認定されているほか、「日本の音風景100選」にも選ばれている新しい活気と自然に恵まれたところです。
豊栄地域は越後平野の中に位置し、西には阿賀野川が流れ、大半が標高0-4メートルと低く中心市街に近づくほど低くなっております。昔はよく水害に苦しめられましたが、現在では河川等の整備も行われ南部では水田地帯、北部では園芸地帯となっております。この北部の園芸地帯は砂丘地となっており、その砂地を活かし、露地野菜ではにんじん、だいこん、キャベツ、なす、ねぎ、スイートコーン、施設野菜ではトマト、ミニトマト、きゅうり、他に、葉タバコなどが栽培されています。
多品目の農産物を生産~野菜は、全体の27%~
JA豊栄の平成18年度の農業生産物取扱高金額は、米20億円、野菜8億5千万円、果樹6千万円、花卉・球根1億1千万円、畜産7千万円、葉タバコ1億7千万円と全体で約32億円となっており、野菜は全体の27%を占めています。
平成18年度の主な農産物の出荷実績は、米8,100t、トマト1,052t、きゅうり128t、なす280t、スイートコーン35t、梨170t、ぶどう2t、メロン55t、にんじん900t、ねぎ225t、だいこん180t、キャベツ67t、その他野菜270t、花卉・球根35,350ケース、葉タバコ95t、肉牛170頭と多品目の農産物を生産しています。
丸なすの中でも最大級の「早生大丸」
門外不出の「やきなす」
豊栄のジャンボなす2品種「丸なす」と「やきなす」
今回紹介する「なす」はJA豊栄の北部に位置する木崎地区で生産されております。生産部会として昭和63年に「木崎なす生産組合」が創設され、現在、この生産組合では14名の農家が2品種のなすを栽培しています。
ひとつは「丸なす」というなすで品種名は「早生大丸」です。この丸なすは丸型のなすの中でも最大級の大きさで木崎なす生産組合では14名の農家の内7名の農家で約2haの面積で栽培しています。大きさは野球ボールとソフトボールとの中間ぐらいの大きさで栄養価はあまり多くありませんがポリフェノールやソラニン(強心、消炎、溶血、がん細胞抑制、鎮静効果等)を含有しています。とても実がしまっており一般的には「油炒め」や「お味噌汁」の具材に調理されることが多く、また、揚げ物や漬物にも適し、和食・中華・フレンチなど、他の食材のいろいろなうまみを吸収して味を引き出します。
もう一品種は、「やきなす」という品種で丸なす生産者以外の7名の農家でこれも約2haの面積で栽培しています。「やきなす」は、JA豊栄で品種選抜して作られたなすで、全国でもここでしか生産されていないため、とても希少価値の高いなすです。大きさは最大級のものですと約30cmくらいの大きさになり、重さは一つ当たり約300gにもなります。「やきなす」は5月下旬から10月上旬ぐらいまで新潟県内を中心に流通しています。旬は5月下旬から7月の中旬ぐらいまでで実に種が入っていない時期が一番おいしいといわれています。
出荷量と販売金額の推移
(単位:kg、円)
※丸なす、焼きなすとも5kgのダンボールで出荷
門外不出の地場特産品「やきなす」の歴史
豊栄の「やきなす」は、昭和30年代に豊栄で「えんぴつなす」の種を自家採取によって大きいものだけを残し、その種で栽培したなすを焼いてたべたらおいしかったということから「やきなす」と命名され、焼いたり、蒸して食べるのに最適です。「やきなす」は病気に弱く、また強い風が吹くとやわらかい実に傷がついてしまうので細心の注意が必要です。現在は豊栄の木崎地区で栽培され、地元で採った種をまいて栽培する門外不出の地場特産物です。平成18年の2月には市の園芸名産品にも指定されました。
豊栄なすの栽培概要 最盛期は6月中旬から8月下旬
丸なすの栽培は播種から、やきなすは自家採種から始まります。
丸なす・やきなす共に播種はすべてJA豊栄の青果物予令センターの中にある育苗センターで行われ、播種後約20日間で生産者の皆さんのところへ届けられます。
その後、育苗管理や接木を各生産者で行い、5月の連休前後にマルチとトンネルの張られた畑へ定植を行います。マルチ張り、トンネル張りは全て手作業で行われています。また、元肥では一発肥料やロングタイプの肥料を使用し、化学肥料の低減にも努めております。
定植後1ヶ月ほどするとワラ敷きを行います。このワラを敷くことにより除草効果や土壌中の菌からなすを守り、除草剤や殺菌剤の使用回数を減らすことができるなどの効果があります。
収穫は5月の下旬から開始し、各品種2班制で行い各生産者が一日ごとに収穫していきます。朝早くから9時~10時くらいまで収穫作業を行い、朝食後箱詰め作業に移ります。箱詰め作業では一本一本タオルで丁寧に拭きながらA品・B品・個選と選別をし、丸なすは2L・L・M・S、やきなすは3L・2L・L・Mの規格で箱詰めをして出荷しています。いちばん多く出回るサイズは丸なすでL(約250g/個)、やきなすで2L(約333g/個)となっています。
最盛期は6月の中旬から8月の下旬くらいまでで、台風や自然災害の影響が無ければ10月まで出荷します。
また、木崎なす生産組合では組合員全員がエコファーマーに登録しています。元肥やワラ敷きの他にもBT剤などなすに害をおよぼす菌の天敵となる菌を使った薬剤(人間には無害)を使用したり、なすの圃場の周りにソルゴーを栽培し、風や害虫などからなすを守る障壁栽培やフェロモントラップを各圃場に設置し害虫の発生状況を確認しながら適期適用の薬剤を使用し農薬の使用回数を軽減するなどして消費者の皆様が安全・安心に豊栄のなすを食べて頂けるよう努力しております。
なす規格表(5kg詰め)
JA豊栄・なす作型表
フェロモントラップを設置し、薬剤使用を 軽減
ソルゴーを使った障壁栽培で害虫からなす を守る
地域限定販売・幻の豊栄なす
JA豊栄のなすは、ほとんどが県内の2つの市場へ出荷しています。
市場へは収穫・箱詰めしたものを生産者が各自で持ち込みします。県外の市場への出荷は輸送中の鮮度低下の問題から出荷しておりません。県内市場以外では「やきなす」を加工業者に出荷しているほか、全農新潟県本部からの出荷依頼、JA豊栄で独自に行っている宅配システムやJA加入の直売所数件で販売しております。
なすの食文化は新潟にあり ~新潟県は、なすの作付面積日本一~
自家消費されることが多いので、市場に出まわる量はほんの一部にすぎません。また、そのほとんどが露地栽培であるため、作柄が天候に大きく左右されます。
新潟のなすは種類がとても豊富です。新潟特有の品種としては「十全なす」、「梨なす」、「丸なす(越の丸なす)」、「巾着なす」、「やきなす」、「鉛筆なす」など特色のあるものが多くあります。
これらの多様な品種を新潟県民は料理によって使い分けています。
漬け物には「十全なす」、「梨なす」、「巾着なす」、「鉛筆なす」などの小ぶりのものを使い、1個丸ごとかぶりついて食べるのが“新潟流”です。
ライスランドとよさか
米をはじめ各種農産物を他品目生産している豊栄地区では「観光協会とよさか21」というサイト内に「ライスランドとよさか」というコーナーを設け、全国への宅配の受注を行っています。
特になすについては、レシピもついており好評を得ています。
「観光協会とよさか21」URL参照
http://www.toyosaka21.com/index.shtml
一言アピール
JA豊栄は、たくさんの自然に恵まれ、とても水のきれいなところです。
きれいな水で育った、実の引き締まった水分たっぷりのおいしい豊栄のなすは和・洋・中のどの料理にしてもおいしくお召し上がりいただけます。
JA豊栄管内では、なす以外にも多品目の野菜が栽培され、1年中その時期の旬のものを飲食店などで目にすることができます。
新潟県の豊栄地域にいらっしゃる際は是非、JA豊栄の野菜をご賞味下さい。
お問い合せ先
〒950-3304
新潟県新潟市北区木崎88
豊栄農業協同組合 木崎ほっとコーナー
TEL 025-384-7150
FAX 025-384-7083
今月の野菜
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