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産地紹介


群馬県富岡市・甘楽郡
(生しいたけ)

甘楽富岡農協 営農事業本部販売課長
黒沢 勇


1 概要
 JA甘楽富岡は、富岡市および甘楽郡下の4町村(甘楽町・下仁田町・妙義町・南牧村)からなり、総面積489km2のうち70%以上が山林で占める中山間地です。
 年間の平均気温が13~14度、降水量は1,200~1,400mmで、冬場は晴天が多く、県内では比較的温暖な地域であり、土性は粘土質で植壌土、地力は高く生産力に富んでいます。しかし、粘土質であるため畑地での作業効率の低下や、多雨により適期時の農作業に影響を及ぼすこともあり、昭和50年頃までは養蚕が盛んで、冬場の副業に生しいたけ栽培が多く行われてきました。
 上信越自動車道の開通から首都圏が一層近くなり、近年は露地野菜の栽培も盛んとなり、今では、生しいたけや多種類の野菜が毎朝首都圏のインショップ(販売店に専門の特設コーナーを設けてある)へと運ばれています。


JA甘楽富岡管内の位置

2 生産体制
 当管内では、生しいたけ・こんにゃく・下仁田ねぎが特産品として振興されており、中でも生しいたけの生産量は平成15年までは全国一でしたが、近年は生しいたけ栽培も菌床栽培が盛んになり、残念なことに一位の座を明け渡してしまいましたが、しかしながら、原木栽培では全国一の生産量を維持しています。


西友・練馬店における陳列の様子

 生しいたけ生産部は平成6年のJA合併時には250名を超える生産者がいて、生産組織を運営していましたが、高齢化や、輸入の増加等による価格低迷が影響し、現在は150名ほどとなり周年安定出荷を目指し日夜努力しています。
 生産現場ではGAP(安全な農産物を生産するための管理)に取り組み、ハウス内の禁煙は勿論、収穫作業時は着帽、手袋使用、加えて、生産履歴の記帳、出荷計画書の提出等々、安全への配慮を行っています。
 原木栽培は、原木(クヌギ・コナラ)の入荷状況によりますが、早い人で12月から植菌作業を始め、大方が4月中に終了し、その後一年以上かけ、仮伏せ・本伏せ等を行い、翌年から1本の原木を平均7~8回使い収穫作業を行っています。きのこが生えてくることを発生といいますが、発生させるときにはハウスの中にとりこみ栽培します。
 この原木栽培は、中山間地域(標高115~700m)を上手く利用して、原木の浸水に必要な水は、山からの湧水や井戸水を利用したり、自然の恵みを生かした栽培が行われています。
 また、菌床しいたけ栽培は、夏菌は12月頃から接種作業を始め、培養管理を行い、6月頃から10月頃まで収穫します。冬菌は4月頃から接種作業を始め培養管理を行い、9月頃から翌3月頃まで収穫をします。
 管内でも菌床栽培が多くなり、平成17年は生産量1,370トンを上回る生産量がありましたが、このうち約52%が菌床しいたけでした。
 一元集荷多元販売をモットーに、包装荷造り作業を可能な限り軽減し、生産者には、出来るだけ栽培品種の統一化と、増産に励んでいただけるようお願いしています。



発生している様子

栽培カレンダー

3 出荷体制
 生産者は前日の夕方から、当日の早朝に採取したしいたけを規格毎(A・B・C・S等)に選別し、コンテナにバラで入れて、各自自宅にて予冷庫にて保管をした後、コンテナに入れたまま朝8時半~9時半までの間に、きのこ流通センター(選果場)へ持ってきます。
 コンテナで運び込まれたしいたけを、各コンテナ毎に格付・検査・計量して受け入れし、その後規格・品種を分類された物をパレットに積み予冷庫に格納、その後に包装荷造りしています。
 各自のコンテナは、翌朝の出荷時に持ち帰り、その翌日の出荷に当てられます。
 1日当たりの出荷量は、冬場は3~5トン、夏場が2~3トンで一日当たり約2,600~2,700パックを包装します。包装・荷造り体制は、8時間稼働で1トンの包装が出来る自動包装機を4台設置し、販売先や価格等により各店舗向けに包装・仕分けされます。重量は100g・130g等とそれぞれ設定した単位でバラ詰めし、各商品ごとに予冷庫に格納したのち各市場、各店舗へと出荷となります。
 他に、トレー詰め作業も有ります。従業員は常時15名ほど(内パートさんが13名)の体制で行われていて、鮮度の保持もあり、冬場でも作業場内の温度は低く、作業従事者にとっては厳しい環境での労働と成っています。
 ここでも勿論GAPに取り組んでおり、出荷時着帽・禁煙等厳重に守って頂くよう指導・チェックしており、最近では生産者間でも喫煙者が減少してきております。
 作業場内はもちろん、機械の清掃は毎日行い、予冷庫の温度管理を始めすべてを記録台帳に記載し、管理しています。



きのこ流通センターの自動包装機全景(選果場)
自動包装機が生しいたけを入れると設定した重量ごとに分ける




自動包装機でバラ詰めされてでてくるしいたけ

4 販売戦略
 販売戦略としては、年間を通して生産販売が困難な時期や消費者ニーズの変化等もあることから難しい面もありますが周年を通した安定生産・販売を基本としています。
 販売価格や、販売先等は生産量を見越したなかで、市場を含め、生産者サイドの事情をご理解頂きながら、期間、シーズン、週間的な販売価格・商品アイテムの提案を行い、生産者・消費者・販売者が一体化した販売戦略を進めています。
 また産地見学会、しいたけ狩り等の体験も受け入れ、消費者交流会への参加・試食宣伝の実施等を行っています。

一言アピール 原木しいたけは自然の恵み肉厚・歯ごたえ良好な原木しいたけ美容と健康に是非甘楽富岡の原木しいたけをご正味ください。

問い合わせ先
住所 〒370-2333
群馬県富岡市中高瀬660番地
JA甘楽富岡営農事業本部 農産グループ
TEL 0274-64-2551
FAX 0274-64-3357
ホームページ 
http://www.jaka.tomi.com/
E-mail einou@kantomi.jagunma.net




今月の野菜
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