宗像農業協同組合 営農振興部 園芸課
井上 豊継
1 地域の概要
JAむなかたは、宗像市、福津市の2市からなり、福岡市、北九州市の中間に位置しています。管内を国道3号線、国道495号線、JR鹿児島本線がとおり、福岡市へ車で50分、JRで40分という立地のため自然豊かなベットタウンとして栄えてきました。その一方、農業も盛んで総面積は3,654ヘクタール、耕地利用率は103.5%と、麦、大豆に加えカリフラワー、キャベツ、ブロッコリーの水田裏作の露地野菜の産地として知られています。気候は、年平均気温16.2℃、年間平均降水量1,715mmで温暖な環境です。
特に福津市の海岸線に近い地域は、めったに霜が降りない準無霜地帯という好条件を生かしてカリフラワーの産地として50年以上の歴史があります。
JAむなかた管内の位置図
2 カリフラワー栽培の概要
近年、全国的にカリフラワーからブロッコリーへと品目転換する中で、当管内では1989年以降、当地域の作付け面積33ha、部会員31名を維持してきました。それは、品種の試作を重ね、時期に適した品種を選択し栽培することで安定出荷を目指してきた結果です。
カリフラワーの魅力は、キャベツのように価格が激しく変動せず、安定していることです。その一方で調整作業はキャベツの5倍かかるといわれるほど手間がかかります。日が当たると花の部分が茶色に変色してしまうので、出蕾期になると葉を内側に折って遮光することで、光による変色を防ぎ、真っ白な花蕾に仕上げます。
カリフラワー畑
3 出荷体制
当地域では、11月から5月にかけて出荷を行い、主に8kgのダンボールで出荷しています。
出荷スタート時には、会員全員でその年の生育状況に合わせて出荷規格を統一しています。適期に収穫されたカリフラワーを朝8時から9時に荷受けし、雇い入れた専門検査員の目による厳しい検査を行い、規格の標準化を図っています。
その後、真空予冷をかけて花蕾がきめ細かく栄養価が高い状態を保ったまま各市場へ出荷しています。出荷先は、京浜市場を中心に、広島市場、県内市場では福岡市場へ出荷しています。
最近は、8kgダンボールを10万ケース、年平均800~900トン出荷しています。
4 販売体制
JAむなかたのカリフラワーは、若採りにこだわり、栄養価が高い状態で出荷しています。また光を遮光して栽培していることから、花蕾がまっ白できめが細く育ちます。そのことは市場からも高い評価を受けています。
また、平成15年より、生産履歴記帳に部会員全員で取り組み、農薬やほ場の肥培管理をどのように行ったかを記録し、安心、安全な野菜づくりに励んでいます。
問い合わせ先
住所 福岡県宗像市東郷4-3-1
JAむなかた 営農振興部 園芸課
TEL 0940-36-2119
FAX 0940-36-2197
URL http://www.ja-munakata.or.jp
E-mail info@ja-munakata.or.jp