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産地紹介


白石地区農業協同組合
(佐賀県杵島郡白石町)

白石地区農業協同組合
園芸部 園芸振興課
課長 江 島 保 昌


1 産地概要

JA白石地区は海抜3m~6mの低平地で東部は有明海に面し、年平均気温15.7℃・年間降水量1,844mmと比較的温暖な地区である。また、当地区の大部分が干拓地であり、土質は海成沖積土の重粘土質で地力に富み、古くから食料生産供給基地として水稲はもとより、玉葱・レンコン・イチゴ等が定着し一大産地となっています。
 また、最近ではレタス・キャベツ・アスパラガス等新たな園芸品目の作付け拡大により、この肥沃な農地を活かした水稲・園芸の複合経営が特色となっています。
 この地区に初めて玉葱が導入されたのは、昭和37年20名の共同育苗により水田秋冬作野菜としてi6iha栽培されたのがその始まりであります。その後、生産の安定化・収益性の高さ等が認識され、年々飛躍的な作付け面積の拡大が図られ、昭和41年に国の野菜指定産地の指定を受け、昭和47年には早生種のマルチ栽培が普及したことから作型の広がりによる規模拡大に繋がり現在では府県産第一位の玉葱供給産地となりました。
 しかしながら、近年では兼業比率の増加等により生産力が低下し作付け面積が伸び悩む傾向にあり、また玉葱の収穫は堀取り・整列・葉切り・結束・運搬・貯蔵などの作業があり、重量野菜であることから重労力を必要とする作業であり、面積拡大を難しくしている要因の一つでありました。このため平成9年より、当地区に適した機械化一貫体系の確立に向けての取り組みを始め、最初に最も要望の強かった収穫機の実用試験から始めました。既に玉葱の収穫機は開発されていましたが、当地区の土質・栽培体系に併せて改良する必要があり歩行型2条収穫機を対象として選定し、佐賀県仕様にするため関係機関一体となって圃場試験を繰り返し、メ-カ-に改良要請を行いながら完成し、平成10年から県単事業等を活用し本格的な導入を行いました。また、平成13年度より2条歩行型半自動定植機の導入により主作業に於ける機械化一貫体系が確立しました。   
 これにより、作業の軽減と労働時間の短縮となり、規模拡大が進み作付け面積の拡大に弾みがついたところです。

玉葱生産の推移

2 生産体制

玉葱は結球開始の早晩によって極早生から晩生までに分類され、平成7年にはトンネル栽培、平成13年には冬どり栽培技術の確立により3月中旬出荷の早出し及び冬どり出荷が可能となり新たに作型として加わりました。早生種は比較的短い日長で肥大を開始し、晩生種は長い日長を要します。極早生・早生はマルチ栽培により早出しを目的とし、中生は貯蔵性が低いため8月までの出荷とします。晩生は貯蔵性が高く、吊り玉として各農家で貯蔵し11月まで出荷、または冷蔵により長期の出荷を行います。なお、作付けに当たっては、収穫労力等を考慮し、作型の組み合わせによる労力の分散と計画的な安定出荷に努めています。


マルチ玉葱の定植

露地玉葱の収穫

各農家で貯蔵される玉葱(晩生)

 栽培に於ける生産安定と高品質化を図るため、期間中全生産農家へ定期的に管理情報等の提供を行っており栽培技術の平準化に努めています。また、中晩生の露地栽培に於いては3月中旬以降、地上部(草丈・葉数)の生育量と収量(一球重)には高い正の相関が見られるため、定期的に生育指数表示法(GI)を用い目標値を定め次年度の反省検討資料として生産農家段階で活用を図っています。
GI=草丈(cm)×生葉数(枚)
 特に当地区は重粘土質で砕土性・圃場排水が悪いため、完熟堆肥や稲ワラ等の有機物施用や定植畝作り時には逆転ロ-タリ-等を利用し砕土の向上及び有材暗渠施工、生育時3回の土入れによる排水溝の設置等による表面排水の向上に努めています。

3 出荷体制

1)出荷規格


2)集出荷施設体制
 当地区の玉葱出荷は個人撰果と共同撰果(機械撰果)に大別され、共同撰果については3カ所の施設(強制風乾処理併設)で最大500トン/日の処理を行っており、特に近年ではこの共同撰果のウエイトが年々高まっています。


集出荷施設

年次別出荷形態

4 販売戦略

府県産玉葱の出荷販売は3月から9月まで計画的な平準化した出荷が必要であります。このため当地区では、玉葱部会を中心に作型の平準化推進と個人毎の作型別作付け面積調査後、収穫直前に各集落毎に坪堀など作柄調査を行い各農家毎に月別出荷予定量を積み上げ販売計画を策定し安定供給に努めています。また、昭和62年より各卸市場毎に1週間当たりの出荷数量を事前に取り決め、それに基づき特別計画出荷を全出荷量の10%程度実施しています。
 また、消費者からの信頼性向上のため栽培管理記録簿の記帳は勿論のこと、平成14年から佐賀県特別栽培認証制度の認定を受けトンネル栽培に取り組み「安心・安全」な春一番新玉葱の供給を行い「あまく・やわらかい」サラダ用に最適と消費者等から高い評価を得ています。 
 一方、平成14年からフレコン出荷による業務用契約出荷に取り組み、出荷調整労力と流通コストの削減による農家手取り単価の向上と安定を目指し、今後更なる取引数量の拡大を図る計画をしています。


5 問い合わせ

白石地区農業協同組合
園芸部 園芸振興課
〒849-1105
佐賀県杵島郡白石町大字遠ノ江183-1
TEL 0952-84-6800
FAX 0952-84-5598
Eメール engei@ja-shiroishi.com







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