農林水産省生産局農産部園芸作物課
平成28年度の予算概算および平成27年度補正予算が決定しましたので、ここでは、野菜関係の予算について概要を紹介します。
野菜価格安定対策事業を円滑に推進し、野菜の生産・出荷の安定と消費者への安定的な供給を図ります。
野菜の生産・出荷の安定と消費者への安定供給を図るため、平成27年度における生産者補給金等の交付額の再造成経費を確保することにより、野菜価格安定対策を的確かつ円滑に実施します。
産地の情勢変化に即して、指定産地における共同出荷要件の特例措置(共同出荷割合2/3を1/2とする)の指標を共同出荷量から作柄変動による影響の少ない作付面積に見直します。
【交付先:(独)農畜産業振興機構】
【補助率:定額、65/100、60/100、50/100】
実需者ニーズに対応した野菜の安定生産・安定供給を実現するため、生産者・実需者・行政等が連携して取り組む野菜団地の形成を支援するとともに、加工・業務用野菜の安定生産・安定供給に必要な土壌・土層改良、物流業界との連携による新たな輸送システムの導入実証等を支援します。
輸入野菜からのシェア奪還に向け、加工・業務用野菜への転換を推進する団地を対象に、加工・業務用野菜の安定生産・安定供給に必要な土壌・土層改良、被覆資材の使用等の作柄安定技術を導入する際に3年間支援する対策を実施します。
(対象品目:キャベツ、たまねぎ、にんじん、ねぎ、ほうれんそう、かぼちゃ、レタス、スイートコーン※、えだまめ※)
※平成28年度から追加
(支援額:7万円/10a(1年目)、5万円/10a(2年目)、3万円/10a(3年目))
【交付先:(独)農畜産業振興機構】
【事業実施主体:農業者団体等】
【補助率:定額】
生産者、流通事業者、実需者等が連携し、トラック輸送から鉄道・船舶輸送への切替え等によって流通の合理化・効率化を図る際に必要な技術実証や、新たな技術を活用した低温輸送システムの構築等を支援します。
【事業実施主体:生産者・物流事業者・実需者等からなるコンソーシアム、民間団体】
【補助率:定額、1/3以内】
多様なニーズに対応した安定的な供給連鎖(サプライチェーン)の構築を支援します。また、加工・業務用に適した品種の導入に必要な種苗や、機械化一貫体系の導入に取り組むための自動収穫機の導入等に向けた取組を支援します。
【交付先:協議会(農業者、中間事業者等で構成)】
【補助率:定額、1/3以内】
次世代施設園芸拠点で得られた知見を活用し、次世代施設園芸を各地域に展開するため、拠点の成果に関するセミナー等の情報発信、拠点における実践的な研修等の人材育成を支援するとともに、次世代型大規模園芸施設の整備を支援します。
次世代施設園芸拠点の成果に関するセミナー等の情報発信、次世代施設園芸拠点等を活用した研修等の人材育成、取組意向のある地域における計画策定等を支援します。
継続地区の次世代施設園芸拠点について、中核施設となる高度な環境制御を行う温室等の整備、生産コスト縮減のための新技術実証等を支援します。
【事業実施主体:民間企業・生産者・地方自治体等から構成されるコンソーシアム等】
【補助率:定額、1/2】
次世代施設園芸拠点における取組を参考に、地域エネルギーと先端技術を活用した大規模な高度環境制御型栽培施設や集出荷貯蔵施設等の整備について、優先枠を設置することにより、積極的に支援します。
【事業実施主体:都道府県、市町村、農業者団体等】
【交付率:都道府県への交付率は定額(事業実施主体へは事業費の1/2以内等)】
燃油価格の高騰の影響を受けにくい経営構造への転換を進めるため、省エネルギー化に取り組む産地に対し、セーフティネットの構築を支援します。
施設園芸等セーフティネット構築事業は、燃油価格が高い水準で推移している状況を踏まえ、事業期限を平成28年度まで延長します。
具体的には、省エネルギー推進計画を策定し、燃油使用量の15%以上削減に取り組む施設園芸等の産地に対し、農業者と国の拠出により、施設園芸及び茶加工用の燃油価格が一定以上に上昇した場合に補填金を交付するセーフティネットの構築を支援します。
【事業実施主体:民間団体等】
【補助率:定額】
園芸作物の安定供給体制を確保するため、園芸産地において、販売価格の向上、販売量の増大及び生産流通コストの低減を戦略的に推進し、収益力を向上させる取組や次世代施設園芸の地域展開に必要な共同利用施設の整備等を支援します。
園芸産地の体質強化に向けて、消費者・実需者の需要に的確に対応した特色ある園芸産地を構築するために必要な集出荷貯蔵施設、処理加工施設、低コスト耐候性ハウス、高度環境制御栽培施設等の共同利用施設の整備等について、都道府県への交付金により支援します。
また、気象災害等産地を弱体化させるリスクの軽減を図る取組に必要な被害防止施設等の整備を支援します。
さらに、「攻めの農業」の実現に向け、新品種・新技術等を活用した「強み」のある園芸産地の形成、集出荷・処理加工施設の再編合理化及び次世代施設園芸の地域展開について、優先枠を設置することにより積極的に支援します。
【事業実施主体:都道府県、市町村、農業者団体等】
【補助率:都道府県への交付率は定額(事業実施主体へは事業費の1/2以内等】
産地が営農戦略として定めた「産地パワーアップ計画」に基づき、意欲のある農業者等が高収益な作物・栽培体系への転換を図るための取組を支援します。
地域一丸となって収益力強化に計画的に取り組む産地に対し、計画策定経費、計画の実現に必要な農業機械のリース導入や、集出荷施設の整備に係る経費等を総合的に支援します。
また、基金を造成し、複数年度の事業実施を可能とするなど弾力的な運用を行います。
【基金管理団体:民間団体】
【支援対象者:地域農業再生協議会で作成する「産地パワーアップ計画」に位置づけられている農業者、農業者団体等】
【補助率:基金管理団体へは定額(支援対象者へは、施設整備は事業費の1/2以内、農業機械のリース導入は本体価格の1/2以内等)】
高品質な我が国農林水産物の一層の輸出拡大のため、品目ごとの輸出拡大のための各種取組等を支援します。
青果物の輸出を拡大するため、輸出先国の植物検疫条件を満たすのに必要な殺菌処理機材の整備や、輸出先国の残留農薬基準に合致した品目別農薬使用マニュアル(防除暦等)の作成等により国内生産・出荷体制の構築を支援するとともに、低温貯蔵・輸送技術の実証等により輸出先国におけるコールドチェーンの確立等を支援します。
【事業実施主体:民間団体】
【補助率:定額、1/2以内】
国産農林水産物の需要フロンティアの開拓を図るため、産地と外食産業等の連携により、国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を支援します。
国産農林水産物を活用した新商品の開発やそれに必要な技術開発等を推進するため、生産者等と、外食・中食・加工業者とを結び付けるマッチング会の開催、2による新商品やそれに必要な機械の開発等に当たっての技術指導の取組等を支援します。
国産農林水産物を活用した新商品の開発のためのニーズ調査、新商品の開発に必要な試作費等を支援します。
国産農林水産物を活用した新商品の開発等に必要な機械等の開発・改良等を支援します。
国産農林水産物を活用した新商品の試食会等のプロモーションイベントの開催を支援します。
国産農林水産物を活用した新商品に対する効果的な原料原産地表示の検討等を支援します。
【事業実施主体:民間団体等】
【補助率:定額、1/2以内】