生産局 種苗課
企画班 橋本 泰治
2 種苗法の一部を改正する法律案について
農林水産省では検討会報告に加え、登録件数が年々増加していること、育成者権の侵害が急増し現行制度では侵害に対する抑止力が十分に働かず、また損害回復が進まない状況にあることを踏まえて、第166通常国会に「種苗法の一部を改正する法律案」を提出したところであり、具体的には以下のとおりです。
(1) 権利侵害に対する訴訟上の救済を円滑化するための規定の整備
特許法等の知的財産権法にならって、以下の規定を整備します。
(1) 侵害物品の譲渡数量に、正規品の単位当たり利益の額を乗じた額を損害額とすることができることとします。
(2) 侵害の事実を否認する被告は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならないこととします。
(3) その他、当事者による鑑定人への説明、裁判所による相当な損害額の認定、営業秘密についての秘密保持命令等の規定を整備します。
(2) 罰則の引上げ
特許法等他の知的財産権法にならって、以下の罰則の引上げ等を行います。
(1) 権利侵害に対する罰則の引上げ
懲役 3年以下 10年以下
又は → 又は/併科
罰金 300万円以下(法人は1億円以下) 1000万円以下
(法人は3億円以下)
(2) 詐欺行為で品種登録を受けた者に対する罰則の引上げ
懲役 1年以下 3年以下
又は → 又は
罰金 100万円以下(法人は100万円以下) 300万円以下
(法人は1億円以下)
(3) 秘密保持命令違反に対する罰則の整備(新設)
懲役5年以下 又は/併科
罰金500万円以下(法人は3億円以下)
(3) 表示の適正化等
(1) 登録品種でない種苗について登録品種である旨の表示又はこれと紛らわしい表示を付すことを禁止します(新設)。
懲役3年以下 又は
罰金300万円以下(法人は1億円以下)
(2) 登録品種の種苗を業として譲渡する者は、当該種苗に登録品種である旨の表示を付すよう努めなければならないこととします。
(3) 登録品種の名称について、利害関係人の申立てにより変更を命ずることができるようにします。