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農林水産省から


野菜の新構造改革対策の推進
─平成18年度予算案の概要─

農林水産省 生産局 野菜課


1 構造改革対策
 輸入野菜にシェアを奪われている加工・業務用需要を中心に、国産野菜のシェア奪回を図るため、一層の低コスト化、高付加価値化等を通じて、輸入野菜との品質・価格競争に打ち勝つ力強い生産供給体制を確立する野菜の構造改革対策を実施。

 特に、モデル的な地区において数値目標を設定して革新的な営農システムを実証・確立する「成果重視事業」及び加工・業務用需要に的確に対応した生産から流通に至る一貫した供給システムの整備を重点的に支援。

○平成18年度予算額
 ◆低コスト植物工場成果重視事業
171百万円
 ◆強い農業づくり交付金
47,506百万円の内数
 ◆広域連携産地競争力強化支援事業
5,829百万円の内数
 ◆にっぽん食育推進事業
3,945百万円の内数

食育の取組と一体的に野菜の摂取拡大に向けた取組を推進


2 野菜価格安定制度
 野菜の構造改革を円滑に進める観点から、セーフティネットとしての野菜価格安定制度の効率的かつ効果的な運営を推進。

○平成18年度予算額 9,531百万円


3 構造改革対策の概要
◆低コスト植物工場成果重視事業
 季節や天候の制約を受けず安定的な野菜生産が可能な植物工場について、設置・運営コストを含めた農業経営費を大幅に低減するため、革新的技術を活用した低コスト植物工場技術を生産現場レベルで実証・確立。

1 ポイント
(1) 低コスト植物工場技術の実証・確立
 光、温度、水分等の環境をきめ細かく制御することにより、季節や天候の制約を受けず、計画的かつ効率的に野菜の生産を行うことができる植物工場について、設置・運営コストを大幅に低減するため、
(1) 革新的な工法により大幅な低コスト化を実現した超低コストハウスの接合部を補強することにより、新たに台風等に対しても十分な耐候性を実現する「超低コスト耐候性ハウス」、
(2) 現行の中央制御型の環境制御を天窓等の温度調整部位、遮光カーテン等の光調整部位に分散することにより大幅な低コスト化が可能な「自律分散協調型環境制御」、
(3) 夏季の高温を低コストかつ安定的に抑制し、周年栽培を可能とすることにより収量の増大を図る「連続型細霧冷房」、
(4) 授粉作業が不要で、省力化に資する「単為結果性品種」、収量の増大と作業性の改善を図る「低段密植栽培」、トウモロコシの分解液等の有機質養液を用いて高付加価値化を図る「有機質利用養液栽培」
といった革新的技術を総合的に活用することにより、モデルとなる地区において数値目標を設定し、低コスト植物工場技術を実証・確立する。

(2) 成果目標(平成20年度)
(1) 事業実施地区における収穫量1kg当たりの農業経営費を20%低減。
(2) 低コスト植物工場の設置コストを10a当たり2,000万円まで低減。

2 事業実施主体
 農業者団体、民間団体等

3 補助率 1/2以内、定額
◆強い農業づくり交付金
 消費者・実需者等の多様なニ-ズに対応し、一層の低コスト化、高付加価値化等に向けた、担い手を中心とする「攻め」の取組を推進し、国産野菜の競争力強化に向けた力強い生産供給体制を確立するため、地方の自主性・裁量性を高めた「交付金」により、産地の取組を支援。

1 輸入急増野菜(*)を中心とした産地構造改革の推進
○ 加工・業務用需要に的確に対応した野菜の生産・供給の推進
(1) 産地において皮むき、カット等の一次加工やパッケージングを行うための処理加工施設、
(2) 定時・定量供給体制の構築に向けた集出荷貯蔵施設
等の整備を支援。

○ 生産・流通コストの一層の低減
(1) 施設栽培における初期コストを低減するための低コスト耐候性ハウス、流通の合理化に向けた集出荷施設、
(2) 露地栽培における労働時間の短縮を進めるための共同利用機械、ねぎ調製施設
 等の整備を支援。

○ 高品質で付加価値の高い野菜の生産・供給の推進
 高品質野菜の選別や鮮度保持等のための選別・予冷施設等の整備を支援。

2 事業実施主体
 都道府県、市町村、農業者団体 等

3 補助率 定額(事業費の1/2以内等)
◆広域連携産地競争力強化支援事業
 全国的な課題や地域共通に存在している課題を効率的・効果的に解決し、政策の実現を進めるため、全国的なモデルとなる取組を「直接採択」の仕組みにより支援。

1 輸入急増野菜(*)を中心とした広域的・先進的な取組等の推進
 輸入野菜との品質・価格競争に打ち勝つ力強い生産供給体制を構築するため、以下のようなモデル的取組を「直接採択」の仕組みによりスピード感を持って推進。

(1) 野菜産地が全国的に連携したリレー出荷体制の確立、特定の実需者と連携した原料供給・産地一次加工等、広域連携により量販店や外食産業等の需要に対応するための取組(産地間広域連携型、産地・消費サイド広域連携型)
 〔例:定時定量供給を行うための流通拠点施設、実需者と連携した一次加工施設の整備〕

(2) 自動車産業や住宅産業で利用されている新鋼材、新施工方法を園芸用ハウスへ応用するなど、生産方式を大胆に変更する先進技術と一体となった取組(高モデル性・先進性型)
 〔例:施設園芸における大幅なコスト低減を図る超低コストハウスの整備〕

(3) 野菜産地が抱える生産上の共通課題を解決するための取組(地域共通課題解決型)や大規模な投資を必要とする取組(大規模モデル型)
 〔例:均質な苗の生産施設や全自動定植機・収穫機、予冷・貯蔵施設等、生産から流通まで一貫した加工・業務用野菜の供給体制の整備〕

2 事業実施主体    農業者団体 等

3 補助率       1/2以内 等

(*)輸入急増野菜:ねぎ、トマト、ピーマン、たまねぎ、にんにく、なす、にんじん、はくさい、ほうれんそう、さといも及びこれらの品目からの転換品目



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