野菜は国民の食生活に欠かせない食料品ですが、天候に生産が左右されやすく、日持ちしないものが多いため、価格が短期間に大きく変動するという特性を有しています。
このため、独立行政法人農畜産業振興機構では、野菜生産者の経営への影響を緩和するとともに、消費者への安定供給を図るため、指定野菜価格安定対策事業を実施しています。令和8年度は、近年消費量が増加しているブロッコリーが、昭和49年のばれいしょ以来、約半世紀ぶりに新たに追加されたことで、指定野菜が15品目となりました。本事業は、国、都道府県の区域を単位として設立された野菜価格安定法人、生産者の3者から拠出された負担金で資金を積み立て、指定野菜の市場価格が低落した場合に生産者が次年度以降も安定的に生産を継続できるよう、低落の幅に応じた価格差補給交付金等を生産者に交付するものです。
このたび、令和7年度事業の対象野菜の出荷期間(令和7年3月16日~令和8年4月30日)が終了しましたので、同年度の価格差補給交付金等の交付状況について報告します。
令和7年度の野菜の価格を概観すると、夏場の高温・少雨の影響により夏から秋にかけて高値で推移したものの、秋以降は天候被害が比較的少なく、全体的にはおおむね平年並みの価格水準で安定して推移しました。
こうした中で、令和7年度の指定野菜価格安定対策事業の価格差補給交付金等の交付額は26億7353万円(前年度比249.8%)、交付率(資金造成額に占める交付額の割合)は2.7%となりました(図1)。
品目別の交付状況は、レタスが16億2340万円で最も多く、次いでトマト(ミニトマトを含む)が2億9428万円、キャベツが2億5888万円と上位3品目で8割以上を占めました。レタスについては、適度な降雨などにより生育が順調で、潤沢な入荷となったことなどから安値となり、交付率は14.0%になりました(図2、表1)。
次に、道府県別の交付状況は、春レタス、夏秋レタスなどへの交付が多かった長野県が3億9386万円、同じく冬レタス、夏秋レタスなどへの交付が多かった茨城県が3億4992万円、冬春トマト(ミニ)などへの交付が多かった熊本県が3億1008万円の順で、上位3県で交付額の約4割を占める結果となりました(図2、表2)。
野菜価格は短期的に大きく変動する特性があることから、機構では、指定野菜価格安定対策事業をはじめとした野菜価格安定制度を実施しています。今後も引き続き、野菜の安定供給を確保するため、制度の円滑かつ適正な運営に取り組んでまいります。
